2019年6月7日から8月12日までスポーツ科学研究科に訪問教員として滞在しているアメリカのミズーリ・コロンビア大学ハックリー スティーヴン先生による15回シリーズの講義”Cognitive Neuroscience of Sports” が実施されました。ハックリー先生による授業では、認知神経科学研究の歴史的変遷から、ヒトの高次脳機能に関する最新研究知見まで幅広く取り扱いました。
講義の前半では、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚等で、ヒトが外界からの刺激をどのように認知するのか、生理学、解剖学的知見を踏まえる形で講義が展開されました。
後半は、運動学習、動機付け、注意、意思決定といった高次機能に関する講義でした。これらの講義では、歴史的にどのような研究がなされて現在の理論に至るのか、また、近年行われている最新の研究動向はどのようなものであるかご教授頂きました。最新の研究知見については、脳波や機能的核磁気共鳴画像法(functional magnetic resonance imaging: fMRI)を用いた脳機能研究に関して、教員ご自身の研究を踏まえながら紹介された。高次機能は、アスリートのパフォーマンスに直結する機能であり、参加した学生は特に興味深く授業を聴取しました。最終講義では、教員より学生にお菓子が振舞われ、楽しい談笑を交えながらの講義となりました。
本講義に参加した学生は、アメリカ式の講義を通じて、多角的な視点を身に着けた。また、世界的に著名なスティーヴン先生による脳機能の講義を通して、アスリートが高パフォーマンスを記録するために必要な脳機能について考察する機会を得ました。
コース概要は以下の通り。(シラバスより抜粋)
This is a lecture course dealing with the neural basis of competitive athletic performance. No prior course-work in psychology or brain science is assumed. Diverse topics from Neuroscience and Psychology will be covered: Motor control, emotion & motivation, decision making, perception, history, and research methodology. A short term paper will be required to give students supervised practice in English composition.