数物系科学拠点では、国際活動の一環として、令和元年(2019年)11月19日(火)から22日(金)まで国際ワークショップを西早稲田キャンパスおよびグリーン・コンピューティング・システム研究機構で開催しました。このワークショップでは昨年度に引き続き、血液流に携わる医学者、流体数学研究者、数値流体研究者が一堂に会し、血液流のモデリングとその数値解析手法に関する総合的な観点から数学・流体工学といった基礎科学からその医療技術への応用まで、分野を問わず様々な研究者による講演および討論が行われました。
今回のワークショップでは、国内外から21名の研究者をお招きし、世界最先端の話題から専門分野外の研究者や学生を対象とした基礎講義まで、分野を超えた交流を標語にして開催されました。実際に,講演中だけでなく、休憩時間でもあちこちで分野を超えた活発な議論が交わされました。
開催期間の前半にあたる,19日および20日は主に数学を専門とする研究者たちによる講演が行われました。流体の挙動を記述するナヴィエ・ストークス方程式をキーワードに、様々な研究結果の紹介・証明が行われ、決の鍵となった点についてわかりやすく説明されました。特に数学的な理論だけでなく、実際の物理現象との関連に言及した講演が多く、非常に興味深い講演が続きました。また,すでに解決された問題(結果)だけでなく、興味深い未解決問題も提示されました。なお,20日には,数学を専門とする数物系科学コース学生2名が彼ら自身の研究成果について発表を行いました。
開催期間の後半(21日および22日)は会場をグリーン・コンピューティング・システム研究機構に移し,主にバイオテクノロジーに関連する流体工学に関する講演が行われました。特に,動脈の血流解析をキーワードに、医療や流体工学を専門とする研究者による講演が行われました。また,世界最先端の計算技術の紹介が行われただけでなく、学生向けの基礎的な講義も行われました。いずれの講義も大変興味深く,学生にも理解できるようなわかりやすい説明が続きました。紹介された世界最先端の計算技術でも様々な計算技術課題が指摘され、質疑応答の時間では積極的な議論が行われました。なお21日には,流体工学を専門とする数物系科学コースの学生が自身の研究成果について発表を行いました。
数物系科学拠点は,今後積極的に今回のような国際ワークショップを企画して国際展開を図るだけでなく,数物科学拠点のコース生に世界最先端の研究を行っている研究者と交流する機会を増やしていく計画です。
International Workshop on Multi-Phase Flows: Analysis, Modelling and Numerics