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ロザンナ ウォーレン X 伊藤比呂美による対談・朗読会 開催報告

2019年6月27日(木)、スーパーグローバル大学創成支援事業早稲田大学国際日本学拠点・大学院文学研究科「国際日本学コース」(Global-J)の主催にて、アメリカを代表する詩人ロザンナ・ウォーレン氏(シカゴ大学教授)と同じく詩人の伊藤比呂美氏(本学文学学術院教授)による対談と作品の朗読会「Conversation and Readings by Rosanna Warren & Hiromi Ito」が開催された。


本イベントは、由尾瞳氏(本学文学学術院准教授)の開会の辞、スティーブン・カール氏(本学総合人文科学研究センター招聘研究員)の登壇者紹介によって始まり、イベントの前半部に詩の朗読が行われた。まず、ウォーレン氏が『Ghost in a Red Hat』収録の詩を朗読した。詩の創作秘話や、ソクラテス以前の哲学者やソーシャルワーカーであるウォーレン氏の家族からの影響を語りつつ、「Cotillion Photo」「For Chiara」「That the Earth is Suspended」などの新たな作品も披露した。次に、伊藤氏が『河原荒草』(英訳:Wild Grass on the Riverbank)を朗読した。作品のベースにある説教節やアメリカへの移住の影響など、詩が生まれた背景についての説明を加えながら、迫力ある詩の朗読を披露した。ウォーレン氏、伊藤氏の詩の世界に会場全体が魅了された。
詩の朗読後、カール氏が両氏に対して質問をしていくという形で、対談が始まった。子供の頃から詩人になりたいと思っていたかという質問に対して、伊藤氏が15歳の頃には詩人になることを意識していたと答えた一方で、ウォーレン氏は、画家になりたかったという。ウォーレン氏にとって、絵を描くことと文章を書くことは繋がっていて、現実を認識する手段として絵を描くことと書くことが常に身近にあったと述べた。伊藤氏は、書くこと、特に、詩のリズムや長さに対して、音楽が与えた影響が非常に大きかったという。
対談は、翻訳がいかに重要であるかというテーマに移った。ウォーレン氏は、詩を書くことと詩を翻訳することは別の行為であるが、どちらも詩の意味以前にあるリズムをつかまえ、他者を通り抜けることによって、認識を変化させる、越境的な状態に身を置く行為だと述べた。伊藤氏は、通常はアクセスすることができない著者の世界と翻訳者をつなぐ方法として、翻訳を捉えている。自身の詩が翻訳されることに関して、ウォーレン氏は、原作と翻訳では同じ響きを表現することはできず、翻訳はひとつの幻想を作り出すが、言語のより深い理解に繋がる、他言語への翻訳を楽しんでいるという。伊藤氏は、翻訳は翻訳者の新たな解釈であり、自身の詩がどのように翻訳されるかということは気にすることなく、翻訳者の自由な解釈を楽しんでいると述べた。
女性の語りの重要性についてのカール氏の質問に対しては、伊藤氏にとって、女性であり、子供がいる自身が、女性の身体や性について書くことはまったく自然なことであるという。また、カール氏が伊藤比呂美氏以降の日本の女性詩人について尋ねると、以前よりも女性の声が届くようになり、状況としては全体的に底上げされたと言えるけれども、それでもその声は礼儀正しい、小さなものにとどまり、保守的な状態に戻ってきているという。
穏やかな雰囲気の中、上記のように様々な観点から日米の詩の世界が探求され、対談後も、非常に活発な質疑応答が行われた。まず、FacebookやTwitterなどのSNSの創作への影響を問う質問があった。伊藤氏は、SNSの効果、例えば、イベントがあるときにツイッターで告知すればその情報はより多くの人に届くし、日常生活の中でも何か興味深いことがあれば投稿するという、日々の生活にとけ込んだひとつのツールとしてのSNSに言及した。ウォーレン氏は、意識的にSNSを遠ざけているが、それをいかに使うかは使う人の知性によるだろうとの見解を示した。さらに、絵画や音楽と詩の関係性、日本とアメリカにおける詩人の会やサークルのあり方についてなど、質問のテーマは多岐にわたり、本イベントは盛況のうちに閉会となった。

【開催概要】
「Conversation and Readings by Rosanna Warren & Hiromi Ito」

日時:2019年6月27日(木)14:45-16:15
会場:早稲田大学戸山キャンパス33号館3階第1会議室

登壇者:
ロザンナ・ウォーレン(シカゴ大学教授)
伊藤比呂美(早稲田大学文学学術院教授)
開会の辞:
由尾瞳(早稲田大学文学学術院准教授)
登壇者紹介:
スティーブン・カール(早稲田大学総合人文科学研究センター招聘研究員)

使用言語:英語
参加者:学生、教職員、一般
主催:
スーパーグローバル大学創成支援事業 早稲田大学国際日本学拠点
早稲田大学大学院文学研究科「国際日本学コース」(Global-J)
共催:
早稲田大学総合人文科学研究センター 角田柳作記念国際日本学研究所
早稲田大学総合人文科学研究センター「創作と翻訳の超領域的研究」研究部門

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