Organization for Regional and Inter-regional Studies早稲田大学 地域・地域間研究機構

その他

アメリカ政治経済研究所

所長

今村 浩  [ いまむら ひろし ]
社会科学総合学術院  教授

概要

政治の分極化を超えて

詳細

本研究所は、アメリカの政治経済の最新動向を広く研究・分析すると同時に、とくに「政治の分極化を越えて」を中心的なテーマに次の2点に焦点を合わせる。

①アメリカの政治経済の最新動向の分析
経済格差であれ、移民問題であれ、IT産業の動きであれ、現在のアメリカにおける政治と経済を理解するために必要な最新動向について研究・分析する。

②アメリカ政治の分極化の全体構図の解明
アメリカ政治の分極化傾向は1990年代後半より指摘され、すでに分極化の様相と原因に関する多くの研究や分析が蓄積されている。しかしながら、それらの研究や分析はきわめて断片的であり、分極化がどのレベルで起こり、それがどのようなプロセスを経て、連邦政府の行き詰まりに繋がったのかを理解するための全体構図は必ずしも明確になっていない。本研究では、これまでの多様な研究や分析を総合し、どのような理由と経緯を経て選挙民レベルまたは議員レベルでの分極化が起こり、どのような理由と経緯を経て連邦議員の政策選好に影響を及ぼし、どのような理由と経緯を経て連邦政府レベルでの対決型政治につながったのかを明らかにすることをつうじて、選挙民・メディア・政治活動家・連邦議会議員(候補者)・連邦議会政党指導部・大統領などのアクター間の相互作用や因果関係を含むアメリカ政治の分極化の構造と動態を解明する。

③アメリカ政治の分極化の克服方法の検討
分極化の様相と原因がすでに多くの点から研究・分析されていることを考えると、これから必要なのは、アメリカ政治の分極化を克服し、アメリカ政治を「正常化」させる方法を研究することである。アメリカ政治の分極化は、選挙民-メディア、議員(候補者)-メディア、政治活動家-議員(候補者)など多くのアクター間で起こっている。したがって、これらのアクター間で分極化が起こる仕組みと原因を解明し、どのような制度・手続き・慣行が分極化を抑制するのか検討する。そして、そのような制度・手続き・慣行を考案する可能性を検討し、制度・手続き・慣行の見直しと改革の具体的な提案を行う。ここではとくに、連邦下院議員候補者の予備選挙手続き、連邦下院議員選挙の区割り変更の方法、政治資金の規制が詳細な検討の対象になる。

研究報告

2016年度

本研究所は、2016年度に以下の活動を行った。
1.科研費基礎研究Bの研究成果の刊行の準備
2011年度に科研費申請課題「危機のアメリカの『選挙デモクラシー』:社会経済変化と政治的対応」が採択され、本研究所は2015年から研究書の刊行準備を行っている。しかし、2016年の2大政党の大統領候補者選びの過程で「トランプ現象」、「サンダース現象」という予想外の出来事が起こり、当初の研究と現実の間に不一致が生じた。したがって、共和党候補者トランプが大統領に当選した後、各章の執筆担当者の間でメール会議を行い,出版計画を変更し、新しい現象を念頭においた原稿の提出期限を2017年3月末に延期することを決定した。
2.2017年度の科研費の申請と準備調査の実施
2016年8月9日と10月11日に、昨年度不採択になった申請課題「アメリカの外交政策とシンクタンク:仲介コミュニティ、デモクラシー、日米関係」の研究代表者と研究分担者が研究会を2回(8月9日と10月11日)開催し、そこで視点と内容を変更して「アメリカの政策形成の変化:鉄の三角形、争点ネットワークから『政策キャンペーン』へ」として2017年度の科研費申請を行うことを決定した。そして、研究分担者である和田修一氏(平成国際大学)が2016年9月にワシントンDCでシンクタンクの活動について、また佐藤真千子(静岡県立大学)が2017年1月にワシントンDCでシンクタンクの大統領選挙関連活動についてインタビュー調査を行い、それぞれ2016年11月29日と2017年3月29日に研究会を開催して、調査結果を報告した。

2015年度

本研究所は、2016年度に科研費を申請する「アメリカの外交政策とシンクタンク:仲介コミュニティ、デモクラシー、日米関係」の基礎研究を行うことを目的とし、以下の活動を行った。
第1回研究会(2015年5月17日)では、前嶋和弘氏(上智大学教授)が報告(「アメリカのメディア監視団体について」)を行い、最近の大統領選挙においては候補者の選挙運動チームや政党の選挙運動体制が形成される前に、一般にメディア監視団体と称されるシンクタンクが選挙争点のアジェンダセッティング(特定の政策アイディアを宣伝し、あるいは特定の政策アイディアを批判)することを明らかにした。
第2回研究会(同年10月20日)では、シーラ・A・スミス氏(米国外交問題評議会シニアフェロー)が報告(「米国のシンクタンクの歴史と役割」)を行い、シンクタンクの歴史と活動、資金構造、政策との関係を詳細に分析し、①アメリカにおけるシンクタンクは基本的に国民一般を対象とした教育・啓蒙機関であり、政策に直接的にかかわるシンクタンクはごく一部である、②地位が不安定であり所得も高くないにもかかわらず、多くの個人が積極的にシンクタンクに参加する理由は、専門知識をもつという評価を獲得するためである、ことを明らかにした。
これらの研究会の知見は、2016年度科研費申請計画書に(基礎研究B)に盛り込まれた。
第3回研究会(2016年2月18日)では、鈴木崇弘氏(城西国際大学客員教授)が報告(「日本におけるシンクタンクの特質とその役割」)を行い、シンクタンクの立ち上げにかかわった経験に基づいて、①政策が政治家と官僚の閉鎖体系の中でつくられる日本では、外側からシンクタンクが大きな影響力を行使することは容易でない、②政党シンクタンクの創設の試みが、専門知識を誇示し影響力を高めようとする政治家個人の活動と正面から衝突する可能性がある、ことを明らかにした。

2013年度

  • Waseda American Voter Survey 2013 (WAVS2013)
    国政選挙の無い2013 年におけるアメリカの有権者の政治行動、社会意識、政治態度を明らかにするために実施した独自のインターネット調査「Waseda American Voter Survey 2013 (WAVS2013)」のローデータを公開しますのでご活用下さい。

2012年度

  • Waseda American Voter Survey 2012 (WAVS2012)
    2012年アメリカ大統領選挙に合わせて実施した独自のインターネット調査「Waseda American Voter Survey 2012 (WAVS2012)」のローデータを公開しますのでご活用下さい。

研究所員

今村 浩(社会科学総合学術院教授)
奥迫 元(社会科学総合学術院准教授)
川岸 令和(政治経済学術院教授)
吉野 孝(政治経済学術院教授)
浅古 泰史(政治経済学術院准教授)

研究者一覧を見る

招聘研究員

前嶋 和弘(上智大学総合グローバル学部教授)
渡辺 将人(北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院准教授)
松林 哲也(大阪大学国際公共政策研究科准教授)
中山 俊宏(慶應義塾大学総合政策学部教授)
飯田 健(同志社大学法学部政治学科准教授)
和田 修一(平成国際大学法学部教授)

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