- 日 時
2017年9月26日(火)/ 14:00~19:00 - 会 場
早稲田キャンパス26号館5階502教室
- 講演者
金 仁星 (北韓人権情報センター)、尹 汝常 (北韓人権記録保存所)、宮本 悟 (聖学院大学)、李 愛俐娥 (早稲田大学)、その他(コメンテータ、司会) 11名 - 言 語
日本語・韓国語(通訳有)
講演内容
北朝鮮からロシア極東地域に労働者が派遣されてから70年以上が経ち、今現在は中国と沿海州地域だけではなく、モンゴル、ポーランド、ロシア全域、さらにはアフリカにまで労働者が派遣されている。それにも関わらず、このような実態に関してはあまり知られていない。このような状況を踏まえ、4月の「北東アジアにおける労働力移動」ワークショップに続いて行われた今回のワークショップでは更に視野を広げ、より多くの地域における北朝鮮派遣労働者の現況に関して討論を行った。
アジア、ヨーロッパ、アフリカなど、地域ごとに北朝鮮派遣労働者が置かれている環境や職種には多少差があったものの、地域の違いにも関わらず根本的に彼らが直面している労働システムには共通点が見られた。労働者は契約条件なども知らず、北朝鮮当局の厳しい管理の下で労働を行っているし、また給料も現地の会社が労働者に直接払うのではなく、労働者が所属している北朝鮮の会社を通して間接的に支払っていること、そしてその給料から多くの金額を北朝鮮政府に上納しなければならないことなどである。それ以外にも劣悪な労働環境も深刻な人権侵害問題として活発に議論された。
アジア、ヨーロッパ、そしてアフリカなど、派遣されている地域はそれぞれ違うが、彼らがおかれている労働環境、そしてそのような環境の下で行われている人権侵害問題の改善のためには、これからもっと深い議論や関心が必要であろう。