2013年03月31日に終了しました
所長:大木 義路[おおき よしみち]
理工学術院教授
研究テーマ
環境に優しい半導体および絶縁材料の開発
研究概要
環境志向の高まりにより、循環型エネルギー源の創生、省エネルギー電力システムの構築が大きな注目を集めている。これら創エネルギー、省エネルギーの実現には、材料そのものの特性改善、更にはこれまでにない新たな材料の創生による新規デバイスの実現が非常に重要である。われわれはこれまでの研究成果を基に、主に半導体および絶縁体材料から環境負荷の削減に対する理論的、実験的アプローチを以下の手段で試みる。
1.半導体ナノ構造を用いた高効率太陽電池の創生
非石油依存、低炭素電力源、また、スマートグリッドの基盤となる分散電源としても期待を集めている太陽電池の効率向上を目指す。このためには、個々の材料の特性向上による高効率化とともに、これらの材料を複合的に組み合わせて、幅広い太陽光のスペクトルを効率よく利用する必要がある。われわれは、励起子による吸収効率の向上に着目し、これに量子井戸、超格子などの量子ナノ構造を組み合わせた新たな太陽電池構造の研究を行っており、基礎的な特性が明らかになってきている。本研究では、さらに様々な材料に対して、励起子効果を明らかにしていくとともに、これらの材料を複合的に組み合わせ、太陽光スペクトルを無駄なく使う新たな太陽電池の実現を目指す。
2.高分子(ポリマー)・無機ナノコンポジットによる新規電力・電気・電子機器用絶縁材料の創生
電力の安定供給を担う電力ケーブル、変圧器、スイッチギヤ等各種機器における絶縁方式として、現在主に用いられている油やガス方式から、環境にやさしい固体絶縁方式への変換が望まれている。そこで、我々は種々のナノ粒子充填絶縁材料(ナノコンポジット:NC)に注目し、材料の作成から誘電特性の評価までを行うことで、各種電力機器絶縁材料への応用の可能性を調査する。また、ナノコンポジット化による電気特性向上のメカニズム解明を目指す。
研究所員
大木 義路(理工学術院教授)
小林 正和(理工学術院教授)
宗田 孝之(理工学術院教授)
武田 京三郎(理工学術院教授)
河原塚 篤(高等研究所准教授)
長谷川 大二(高等研究所客員講師(専任))
平井 直志(理工学術院総合研究所客員講師(専任))
西永 慈郎(高等研究所)
招聘研究員
李 建英(西安交通大学電力設備・電気絶縁国家重点実験室教授)
澤 康之介(株式会社サムスン横浜研究所主任研究員)
連絡先
〒169-8555
新宿区大久保3-4-1
早稲田大学先進理工学部電気・情報生命工学科
大木義路研究室
Tel:03-5286-3375
Fax:03-3204-1285
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