白石 圭佑さん（人間科学部2年・文学部・国文学科へ半年間留学）
1. 同志社大学への留学を考えたきっかけは、どのようなものでしたか。
きっかけは大学の貼り紙でした。たまたまバスの中で見かけて「京都」という言葉に引きつけられました。「京都」に住んでみる、これはなかなかできないことだぞ、と思ったことが始まりでした。海外へ行くよりも自分の中ではハードルが低かったことも惹かれた理由だと思います。
ただ自分の学部にいるだけでいいのかと思っていたことも一つの理由です。漠然と授業を受けているだけではなにも身に付かないのではないか。それならいっそ、環境を変えてみようと考えて京都へ行こうと決めました。加えて、どの学部にも行けるということが大きな魅力でした。その頃ちょうど興味のあったことが、伝統芸能と文学でした。両方とも人科では授業が少なく、またオープン科目等ではとれる数に限りが出てしまう。しかし同志社への留学なら一学期分丸々授業を受けられるというメリットがありました。
2. 同志社大学への留学でよかった点について教えてください。
個人的な目標というか方向性として「文化」をテーマに勉強はしようと決め、だいたいその通りにできたという点はよかったです。文学の方では古事記・日本書紀や泉鏡花など様々な時代の作品に触れることができました。伝統芸能の方ではプロの能楽師である先生による能の授業や、雅楽の先生による日本の習俗の話など「日本の伝統」という上でとても興味深い内容でした。さらに、コンソーシアム京都という制度を利用して授業を通して他大学の人とも交流できたことも刺激になりました。
ただ、講義形式の授業ばかりとっていたこともあって始めは友達がなかなかできませんでした。また個人的にですが、交換留学生という微妙な立場のためにサークルに入りづらかったということもありました。
また大学外のことですが、京都市東山青少年センターの「演劇ビギナーズユニット2014」に参加して、初めてお芝居をしたことがこの留学の中で非常に大きなウエイトを占めています。そこでは演劇初心者で集まって、京都の劇団の方々の指導を受けながら三ヶ月で一つの作品を作っていくということをしました。１６名の参加者には大学生、社会人、中学生といった様々な年代の人たちがいる中での三ヶ月間はかなり充実していました。積んできた経験や考え方が違う中で、どうやって意見をまとめて公演につなげるのか。また、いかに自然に身体を動かすか、ちゃんと役の気持ちになっているか――。やるべきことが多くつらいときもありましたが、本番の高揚感や終わったあとのお客さんからの面白かったという一言が忘れられません。
元々、演劇をするなんて考えたこともなく、まさか京都で初めて演劇をするとは思っていませんでした。しかし、その決断ができたのはこれが国内留学だったからということがあるかと思います。違う環境にいるからこそ、普段の自分がしてこなかったことに挑戦できる。得るものは大きかったです。
3. あなたにとって、同志社大学への留学が今後どのように役立つと考えますか。
まず「演劇ビギナーズユニット」で得たものがかなりありました。
様々な年代の人と関われたことで自分の進路を考えるきっかけになりました。やりたいことがあれば続けられる、ということに気づかされました。同年代の人でも芸術系の大学へ通っている、劇団に入って裏方をしている、など、普段なかなか関われない人ばかりで一緒にいて視野が広がりました。真剣に好きなことに取り組んでいる彼らをみて、自分が大学で何をしたいのかを再確認できたように思います。
また演劇にも興味をもつようになりました。すごく個人的なことですが、ドラマなども見方が変わり、作る側も想像するようになりました。
それから同志社での授業や友達の影響かわかりませんが、授業のモチベーションが変わってきているように感じます。様々なことを調べる姿勢が身に付いてきたかなと思います。
※2014年度派遣生、学年は当時
