2007年10月21日
日本国憲法は、個人の尊重と法の下の平等をうたい、この原則にのっとって、男女共同参画社会基本法は、男女共同参画社会の実現を21世紀の最重要課題と位置づけています。人が性別にかかわらず、社会の対等な構成員として、自らの意思により社会のあらゆる分野の活動に参画し、政治的、経済的、社会的および文化的利益を平等に享受する社会、そして各人の個性が尊重され、多様な選択が保障される社会、それが「男女共同参画社会」です。
男女共同参画社会の実現は、国、地方公共団体、国民すべてに共通に課せられた責務であり、高等教育機関としての大学も、その一翼を担うべきことはいうまでもありません。教育・研究活動や学術・研究分野における男女共同参画の促進について、大学が果たすべき役割は非常に大きいというべきでしょう。
早稲田大学は、1882年の開学以来、官による束縛のない独立精神に満ちた私立大学の伝統を誇ってきました。「学の独立」「進取の精神」「在野精神」「東西文明の調和」は、本学の教育・研究を象徴する理念です。早稲田大学の創立者、大隈重信は、かねてから女子教育を重視し、1901年に開校した日本女子大学の創立委員長となりました。本学は1921年に女子聴講生12名の入学を認め、1939年には正規の学生として初めて、女性4名が入学しました。このような進取の精神を受け継いで、教育・研究における男女平等を推進することは、本学の誇るべき伝統でもあります。
しかしながら、教育・研究における男女共同参画の実現という観点からみると、本学にはいまだ多くの課題が山積しています。本学では、学生・院生の女性比率は3割を超えており(2007年度:学部生33.0%、大学院修士課程26.9%、大学院博士課程32.8%)、とりわけ博士課程の女性比率は他大学をしのぐ高さを示しています。しかし、助手や客員教員を除いた専任教員の女性比率は10.0%にすぎません。専任職員の女性比率は24.7%ですが、部長級では3.7%、課長・事務長級では11.6%に留まっています。
このような実情をふまえたうえで、私立総合大学として全国の大学の先駆的役割を果たすためにも、早稲田大学は、125周年を迎えた今日、世界に向けた新たな「志」として、男女共同参画を全学的に推進することを、ここに宣言します。
以上