Comprehensive Research Organization早稲田大学 総合研究機構

その他

韓国学研究所
Institute of Korean Studies

研究テーマ

日本における韓国学研究の振興、韓国学研究の教材開発、韓国学研究の発信方法の開拓

分野:教育

研究概要

転換期を迎えている東アジアにおいて、未来に向けた日韓関係の基盤構築に寄与しうる韓国学研究と教育の振興をめざす。具体的には次のような3点の特色ある研究活動を展開する。

(1)地域研究(area studies)から広域研究(region studies)への志向
日本だけでなく、世界的に地域研究は大きな転換期を迎えている。語学や文学などの分野は別として、言語の特殊性を主な基盤としてきた伝統的な地域研究のあり方は挑戦に直面し、様々な学問ディシプリンとの関係性が問われている。一方で、グローバル化の趨勢の中で、地域研究が対象とする「地域」そのものが大きく変容し、一国単位の枠組みを超え、地域化、地域統合の文脈での位置づけは重要性を増している。新たな地域研究のあり方や方法論をめぐる模索が世界的に行われているが、その学問的潮流と連携しつつ、日本における韓国学研究もその地平を東アジア地域形成に広げ、その現状と課題の解明に取り組む必要がある。韓国では、急速な変貌を遂げている韓国の状況に関する学問的、理論的な究明が課題となっている。こうした学問的作業は、類似の課題を抱える日本社会の分析に資するものとなろう。さらに、日韓関係をはじめ、東アジア各国における相互認識が流動化する中で、広域研究の取り組みはより一層大きな意義を持つものと思われる。また、広域研究の視点は、朝鮮半島の平和や統合プロセスに関する研究にも必要であり、新たな韓国学研究の方法論において重要な要素となる。

(2)現代韓国の多様なコンテンツを通した総合的アプローチの構築
現在日本における韓国研究は急速に多様化、多面化している。従来のように、歴史や政治への関心だけでなく、経済、社会、文化など、様々な分野へと研究テーマは広がっている。経済、社会、文化の面での相互依存が深化している状況が反映されているといえる。その一方で、歴史や領土問題など、特定の争点に研究や政策的な関心が集中する傾向も同時に存在する。新しい韓国学研究では、このように多様化、多面化する状況を踏まえつつ、包括的かつ総合的なアプローチを志向する必要がある。それぞれの分野や争点に関する研究を深めるとともに、その全体像を総合的に捉える知的営みが課題となる。変貌著しい韓国社会の多様な側面を捉え、研究と教育の振興に資するアプローチの構築をめざす。

(3)社会的発信に重点をおいた政策研究の模索
社会的な発信力という早稲田大学の伝統を土台にしつつ、社会に貢献しうる研究・教育をめざす。日韓関係の基盤構築という視点から、両国の研究者のみならず、政策実務家、ジャーナリストなど、専門家の幅広いネットワークの構築に重点をおく。

研究報告

【2018年度】
2018年度には主として北朝鮮問題と日韓関係を中心に活動を行った。まず、北朝鮮問題については、朝鮮半島情勢への関心の高まりを背景に、以前から定例化している韓国統一研究院との合同セミナーを都合2回開催した。2018年4月には、南北首脳会談の実現を受けて、「朝鮮半島の平和体制」に関わる争点について日韓の専門家が議論を行った。さらに、11月には、小野記念講堂で金錬鉄・統一研究院院長の講演とシンポジウムを開き、多くのメディア関係者や市民が参加した。学術的な分析としては、2019年3月に韓国、イギリス、豪州からの専門家を交えて、北朝鮮社会の変容に焦点を合わせた国際シンポジウム「社会、文化、そして北朝鮮」を大隈小講堂で開催した。日韓関係と在日コリアンの状況については、国境を越える市民社会とアイデンティティという視点から、一連のワークショップとセミナーを継続的に実施している。研究成果の公開としては、2017年度に行った朝鮮半島情勢に関するシンポジウムで発表された論文を土台に、『朝鮮半島 危機から対話へ――変動する東アジアの地政図』(岩波書店、2018年)を刊行した。

【2017年度】
2017年度には、朝鮮半島情勢に関する政策論的および学術的な関心の高まりを背景に、北朝鮮の核問題に関する国際シンポジウムとセミナーを中心に活動を展開した。まず、以前から定例化している韓国統一研究院との合同セミナーとして、「北アジア情勢と日韓の他北朝鮮政策」をテーマに、第10回日韓政策フォーラム(7月21日)を開催した。また、東京大学現代韓国研究センターおよび岩波書店との共催で、国際シンポジウムを2回開催した。第1回は「米朝核危機と日本」をテーマに、11月4日に東京大学で、第2回は、「朝鮮半島の核危機―対話による解決は可能か」をテーマに、2018年3月31日に、早稲田大学国際会議場で開催した。早稲田大学で開催した2回目の国際シンポには高い関心が寄せられ、研究者やメディア関係者など400人以上が参加し、NHKなど主要メディアにも取り上げられた。国際シンポには、外部の助成を得て、韓国から研究者や外交政策関係者を招聘し、日本の研究者との間で活発な討論を行った。現在、その成果を単行本として出版すべく、準備を進めている。

【2016年度】
2016年度には、15年度に引き続き、韓国国際交流財団からの委託研究として、日本における韓国学研究に関する調査を行った。2015年の日韓国交正常化50年を迎えた企画した事業として、半世紀間の韓国学研究の現状を包括的に調査し、今後を展望することを目的とするものであった。韓国の世宗研究所が行っている韓国の日本学研究調査と連携して、日韓の相互比較の視点をも取り入れた。15年度には、50周年記念を兼ねて、世宗研究所と共同で合計5回のセミナーやワークショップを日韓両国で開催した。16年度には、日本の朝鮮半島研究者の現状に関するアンケート調査を行い、統計分析を含む報告書を作成した。また、戦後の日本における韓国学研究の動向を政治、経済、社会・文化、現代史、北朝鮮研究など、5つの分野に分けて分析し、文献目録とともに整理した。調査の過程で収集した韓国学研究文献の目録はデータベース化を進めている。
研究成果の公開としては、2015年7月に早稲田大学現代中国研究所と共同主催(朝日新聞社後援)した日中韓シンポジウムの報告論文を中心に、『東アジア・和解への道―歴史問題から地域安全保障へ』(天児慧・李鍾元編、岩波書店、2016年)を刊行した。

所長

李 鍾元[りーじょんうぉん](国際学術院教授)

メンバー

【顧問】
奥島 孝康(白鴎大学学長、早稲田大学名誉教授)

【研究所員】
金 敬黙(文学学術院教授)
篠原 初枝(国際学術院教授)
朴 相俊(国際学術院教授)
李 鍾元(国際学術院教授)

【招聘研究員】
金 ゼンマ (明治大学国際日本学部准教授)
清水 敏行(札幌学院大学法学部教授)
春木 育美(日韓文化交流基金事務局長)
松谷 基和(東北学院大学教養学部准教授)
君島 和彦(東京学芸大学名誉教授)
権 容奭(一橋大学大学院法学研究科准教授)
浅羽 祐樹(新潟県立大学政策研究センター准教授)
福島 みのり(常葉大学外国語学部専任講師)
李 愛俐娥
山本 勇二(東京新聞論説委員)
金 牡蘭(武蔵大学人文学部非常勤講師)

連絡先

[email protected]

WEBサイト

http://www.waseda.jp/prj-wiks

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