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多分野からのアプローチが必要な人間科学。実践を伴う局面でこそ、学際性が強みとなる

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  人前で話すのが苦手な人のことを「その人は社交的ではないから」、授業中に立ち歩いてしまう生徒のことは「その子は落ち着きがないから」という言葉で、人の性格などが結論づけられてしまうことがあります。しかし、それは単なる状況の説明でしかなく、人前でうまく話せない人や、落ち着きのない子どもを支援することにはつながりません。そこで、そうした行動が起きる時の環境や状況に着目し、困っている人の行動を変えるためには何が必要かを突き詰めていくのが、私の専門である「行動分析学」です。

 行動分析学は、言い換えれば“心”という概念を使わないで人間を理解するための心理学であり、ある人の行動に何かしらの問題があった際には、その問題が起きた要因を“その人の中(心)”にだけ焦点化するのではなく、周りを変化させようという発想に立ちます。その結果、不登校やいじめといった子どもに起きる問題の場合は、周囲の環境を変えることで改善につながるケースは多々あります。また、うつ病や不安症の患者さんの場合は、自身の言葉や認知で自分を苦しめていることが多く、それらと行動がどう関連しているのかを調べて変化を促す、認知行動療法などを用いています。

 それぞれの行動を環境などの視点から研究するということもあってか、ゼミ生たちの研究テーマは自身の生活や経験が取っ掛かりとなることも多くあります。例えば、緊張を強いられた際に一般的な心理学では緊張を打ち消そうとしますが、むしろ緊張を受け入れた方が良い場合もあります。ある環境下で発生する自分の言葉や認知を自然なものとして捉えることで、行動を好転させることにもつながるのです。学生には、行動分析学を使って自分自身の生活を豊かなものにしてほしい。その上で、自分がwell-being( 心身ともに良好な状態)を実現できたら、周りの人のwell-being を支えられる人材になってほしいですね。

 そして、well-being には何が必要か、さまざまな角度からのアプローチを試みるのが人間科学部での学びといえます。なぜなら、「誰かのためになる」には心理学の知識だけでは不十分なケースも当然ありますし、そうなれば他領域の人たちとの協働が必要です。こうした実践を伴う局面でこそ、複数の学問領域に知見を広げる「学際性」が強みを発揮します。幅広く学びつつ、専門も積み上げていくことができる人間科学部で、皆さんの志や将来の夢を実現させるための一歩を踏み出してみませんか。

 

 


大月 友 Ohtsuki Tomu

人間科学部
健康福祉科学科 准教授

※掲載情報は2015年度内の取材当時のものです。

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