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社会に適応できず非行に走る少年たち。その予防と更生の道筋を心理学の面から研究

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 犯罪や少年非行の事件は連日のようにテレビや新聞で報道され、途切れることがありません。昨今は犯罪や非行の内容が複雑化していますが、「非行は世を映す鏡」と言われるように、非行に走る少年たちは時代や社会の影響を受けやすく、「面白そうだから」という軽い気持ちで犯行に及ぶ危うさもあります。

私は、20 年近く法務省矯正局に勤務し、犯罪者や非行少年に対して臨床心理学の知見を持って心に寄り添いながら、立ち直りを支援してきました。日々少年たちと接するうちに、大切なのは犯罪・非行を防止することだと考えるようになり、「予防するにはどうすべきか」を研究するために、大学で「非行臨床」に取り組むことにしたのです。

「非行臨床」とは、非行に走ってしまった少年少女を対象とした臨床心理学の一つのジャンルで、「なぜ非行に走るのか」「更生にはどのような支援が効果的か」「予防する手立てにどのようなものがあるか」などがテーマです。しかし、心理学的なアプローチのみでは予防や更生への道筋を明確に示すことはできません。政治、経済、法律、教育などの視点と心理学の視点を融合させることが肝要なことから、非行臨床は学際的な学問領域であるとも感じています。

大学での学びは、ある物事や課題に対してどのように「考え、対処するか」のプロセスを身につけることと、とらえています。私のゼミでは、まず犯罪者や非行少年の事例を数多く学生に見てもらうことから始めます。その上で、「彼らと同じ境遇に自分がなったらどうするか」を考えてもらいます。人の心に寄り添うにはイメージすること、共感することが重要だからであり、「犯罪を起こす」という非日常的な物事を、いかに自身にも起こり得ることとして考え、対処しようとできるかが問われます。こうした過程で、想像力や共感性が磨かれていくわけですが、これらは一般的な“ 人”を理解するためにも必要な資質であり、犯罪者や非行少年を理解しようとすることは、そうした境遇にない人たちを理解することにも通じると言えます。

心理学は実験や調査・分析も含む科学的な学問であり、机上の空論に陥ることなく、しっかりと社会の現実を見据えながら研究をしていくことが大切です。そうして身につけた心理学的な考え方は心理の専門職だけでなく、福祉、学校教育といった職種はもちろん、一般企業などへの進路をとる場合にも、活きてくることでしょう。

 

 


藤野 京子 Fujino Kyoko

文学部
心理学コース 教授

※掲載情報は2015年度内の取材当時のものです。

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