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「グローバル社会の中での自分」を認識し、世界のさまざまな“ 尺度”を知るための学生生活を

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 私は横浜の中華街に生まれ、「中華民国」の国民として育ちました。しかし1972 年の日中国交正常化で、日本は国際的に“ 国家”と認められていない中華民国との国交を断絶。私たちと同じ立場の人の中には「中華人民共和国」や日本の国籍を取得する人もいましたが、両親は葛藤の末その選択をせず、当時1歳だった私も“ 無国籍”となったのです。大学卒業後の進路を検討するにあたっては、外交官や国連職員などの国際的な仕事に就きたいと考えましたが、いずれも無国籍であることがネックとなり、諦めざるを得ませんでした。

こうした経験から、母国以外の地で暮らす移民やマイノリティの人々が直面する諸問題について、文化人類学の研究者として解決に向けた道を模索することにしました。その第一歩ともいえるのが、博士論文で取り組んだ華僑や華人のビジネスマンについての研究です。この研究を通して、国家や国民としてのアイデンティティは固執するものではない。固執する場面としない場面を自ら使い分けることで、さまざまな境遇の方々にとっての架け橋となることができるのでは、と考えられるようになったことは今の研究にも大いに活きています。

幸い、移民やマイノリティとして生活する方々からお話を伺う機会にも恵まれ、彼らが抱える問題も多岐にわたることが分かってきました。対面して生の声を聞くことは、新しい発見の連続です。
そうしてたどり着いた結論は、“ 人と人の付き合い”において我々は国籍などの概念にとらわれることはないということ。むしろ、異なるバックグラウンドを持った人であるからこそ、学べることも大きいのではないでしょうか。移民やマイノリティの人々が、居住地においてどのようにコミュニティを形成し、いかにして周辺との関係を築いてきたのかを調査するにつれて、日々の営みの中にこそ相互理解や国際社会における共生のヒントがあることを実感するようになりました。

実際に現地へ赴いて体験することは、時に数多くの本を読むことにも勝ります。文化人類学の研究も、フィールドワークによって自分自身や生まれ育った国について客観視することが重要です。国際教養学部の卒業要件である1 年間の海外留学は、まさにその経験ができる貴重な機会といえるでしょう。「グローバル社会の中での自分」を認識するのに好適な環境で、世界のさまざまな“ 尺度”を知る学生生活を過ごしてください。

 

 


陳 天璽 CHEN,Tien Shi

国際教養学部
教授

※掲載情報は2015年度内の取材当時のものです。

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