WIAPS研究会

第61回アジア太平洋研究センター(WIAPS)研究会

開催日時 2019年6月10日(月)12:15-12:50
場所早稲田大学19号館(西早稲田ビル)7階713会議室
参加資格WIAPS専任教員・助手, WIAPS受入の交換研究員・訪問学者・外国人研究員, GSAPS修士課程・博士後期課程在学生
報告1

報告者:芦田 明美(早大アジア太平洋研究科講師)

報告テーマ:
開発途上国における子どもたちの修学実態:中米ホンジュラスを対象とした縦断的データからの考察

要旨:
 1990年の「万人のための教育世界会議(Education for All)」の開催から現在に至るまで、人々が社会の中で等しく生きていくために必要な知識や技能を学ぶ機会を提供するものとして、教育は注目を浴びてきました。その結果、多くの国々において、あらゆる教育段階の普及および拡充が達成されつつあります。このような世界における教育状況の把握にあたっては、1969年ユネスコ国際統計局が開始した再構成コーホート法(Reconstructed Cohort Method)による横断的データを活用した手法が一般的に用いられ、そこで提示される留年や退学といった課題については、教育開発の分野を中心に数多くの研究がなされてきました。
 しかしながら、横断的データは様々に異なる個々人のケースが集約されたものであり、そこから提示される留年率や退学率はあくまで計算上の平均の値です。そこから遡って、個々の子どもたちの修学についての状況を把握するのは不可能であり、推測に止まらざるをえません。現在、基礎教育の最終段階への到達には、地域間や国家間、国内間におけるさまざまな格差が残り、中途退学の問題はいまだ解決が難しい状況にあります。その背景には、マクロなデータからこぼれ落ち、修学の継続に問題を抱える個々の子どもたちの存在が考えられます。
 このような問題意識から、これまで中米ホンジュラス共和国を対象に、一人一人を追いかけることのできる縦断的データを用いて、個々人のレベルに着目した修学実態に関する検討を行ってきました。本研究会では、地域間・年代間比較を通して明らかにした修学実態と、その社会的背景について考察した結果について報告します。

Page Top