研究部会

 

アジア太平洋研究センターでは、本センターの教員のほか、学内の学部・大学院・研究所、そして学外の領域を同じくする専門家の横断的な研究活動として研究部会を設置しています。

ICTビジネス・政策研究部会
ICT Business and Policy

研究テーマ:情報通信の経済分析、ビジネス戦略および政策評価
Economic Analysis, Business Strategies and Policy Evaluation of ICT
代表者:三友 仁志教授

(1)研究目的
情報通信の経済学的特性と情報化が経済社会環境に与える影響について、学際的な視点に立ち分析を行うこと、および情報通信を利活用した地域や経済の活性化を理論、実証、実験、実践のそれぞれにおいて推進することを目的とする.

(2)研究の意義
情報通信は通常の財サービスと異なり、特有の性質を持ち、それゆえ想像を超えるほど急速に普及し、また、革命的と言われるほどのインパクトを社会にもたらす。そのメカニズム、規模などを解明することによって、ICTビジネスや政策立案およびその評価に貢献する。特に、発展途上国や地理的に不利な地域ではデジタル・ディバイドの存在が顕著であり、またそうした国や地域にこそ、情報通信を利活用して教育などのサービスを充実させる意義がある。本研究会では、単に中央における政策立案に参加するだけでなく、地域における実践も目指す。

(3)運営方法
ネットを活用して定期的なミーティングの場を持つとともに、産業界とも連携して研究調査プロジェクトを実施する。これまでも、情報通信関連企業や総務省などからプロジェクトを受託しており、本年度も積極的に獲得を目指す。また、国際メディア財団寄附に基づくプロジェクトとも、昨年度同様に連携していく。研究調査にて得られた成果については、学会などを通じて積極的に公表するとともに、ワークショップやセミナー等を開催することによって、広く周知する。

(4)期待される成果
単にアカデミックな世界だけの研究にとどまらず、広く産業界や官界と連携し、活躍の場をアジアを中心に海外にも展開することにより、情報通信に関する社会科学的な分析によって、社会に貢献したい。例えば、アジアとの連携として、タイのNational Broadcasting and Telecommunications Commission(NBTC)やタマサート大学との共同研究、およびフィンランドAalto大学において連携プロジェクトを展開したい。また、前述の国際メディア財団プロジェクトとの連携において、同プロジェクトが最終年度であることから、図書及びシンポジウム等での研究成果の発表も積極的に進めていく。

(5)部会メンバー

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アジア学の包括的史料調査研究会
The Integrated Survey of Historical Materials Concerning the Asian Studies

研究テーマ:アジア学の包括的史料調査
The Integrated Survey of Historical Materials Concerning the
代表者:早瀬 晋三教授

(1)研究目的
従来個別研究に付随するかたちで発展してきた史料調査は、より包括的な理解のうえでおこなうことが重要な時代になった。たとえば、日本占領期の東南アジアにかんする史料調査は、インドネシア、フィリピン、マラヤ・シンガポール、東ティモール、ビルマと、おこなわれてきたが、「南方軍政」という枠組みなどでも考察する必要がある。また、中国戦線から南方へ日本軍が移動してきたことを考えれば、より広域に考える必要がある。本研究部会は、時代的にも地域的にも、より広い視野の下で、史料調査をおこなうことを目的とする。

(2)研究の意義
グローバル、リージョナル、ナショナル、ローカルといった枠組みで考察することが必要になった現代の歴史学において、基本となる史料の所在を包括的に把握することによって、時代や地域を超えた議論・考察を可能にする。

(3)運営方法
これまでまとめられた史料を包括的に把握するための研究会をおこなうとともに、科学研究費補助金に基づく共同研究プロジェクトなどと連携して、史料の発掘などにも務める。また、戦後のアジア学をになった研究者などの口述資料を集める。

(4)期待される成果
史料目録・文献目録の作成、史料の復刻、口述資料(証言)の出版など。

(5)部会メンバー

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アジア太平洋における地域統合研究部会
Regional Integration in Asia-Pacific

研究テーマ:アジア太平洋における地域統合
 Regional Integration in Asia-Pacific

代表者:浦田 秀次郎教授

(1)研究目的
アジア太平洋地域において近年地域統合の動きが活発化している。2010年3月に開始された日米など12ヵ国が参加する環太平洋パートナーシップ(TPP)協定交渉は2015年10月に大筋合意、2016年2月には署名に至ったが、米国の大統領に選出されたドナルド・トランプ氏が米国のTPPからの離脱を決定したことで、TPPの発効はなくなった。そのような状況において米国を除く11カ国はTPP11交渉を進め、合意に至った。このような新たな動きがアジア太平洋地域における地域統合に与える影響を分析する。

(2)研究の意義
アジア太平洋地域における地域統合の動きとその影響を分析することは、同地域における経済・政治の重要な動向を明らかにすることを可能にする。そのような分析を基に、同地域における各国による対外経済政策、国際関係の方向性を分析することは、学術的貢献だけではなく、わが国における政策立案・決定に大きく寄与すると思われる

(3)運営方法
定期的に研究部会センター員による研究会を開催すると共に、外部講師などを招聘してセミナーなどを開催する予定である。

(4)期待される成果
研究目的・研究の意義で既に記載したように、急速に変化しつつあるアジア太平洋地域における地域統合の動きを明らかにすることは大きな成果となるであろう。本部会では、その成果を学術論文だけではなく、新聞等を通じて一般の国民に普及することを予定している。

(5)部会メンバー

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安全保障研究部会
Security Studies Research Group

研究テーマ:安全保障問題の研究
Security Studies
代表者:植木 千可子教授

(1)研究目的
*世界と東アジアが直面する安全保障上の問題について研究する。理論的な研究を目指すとともに、実際の政策提言につながるような研究も行う。とくに、日米中3カ国の相互作用が地域・世界に及ぼす影響について考察する。
*北東アジアの国際関係に対するナショナリズムなどの諸要因の影響などについても考察する。
*日本の安全保障政策の変化について調査するとともにその影響について考察の対象とする

(2)研究の意義
現在、安全保障に関する大学主催のセミナーや研究会は少ない。本研究部会は、安全保障に関する自由な議論を促進するためのファーラムを提供し、安全保障に関する「Marketplace of Ideas」の構築を目指す

(3)運営方法
在京の米国や中国の研究者や、一時来日中の海外の研究者・実務者らを招いて、研究会を開く。このほか、国内の安全保障研究者を招いて研究会を実施する。

(4)期待される成果
北東アジアの安全保障状況についての研究を進め、歴史的事例を踏まえて、理論化することが期待される。このほか、日本の防衛政策などへの実際の政策に対する評価、提言などを行う際の基礎的な知見を提供することが期待される。

(5)部会メンバー

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「開発と人権」
Development and Human Rights

研究テーマ:子どもたちの安全保障
Human Security of Children
代表者:勝間 靖教授

(1)研究目的
この研究の目的は,「子どもの安全保障」学(child security studies)を構築することである.これまでの「人間の安全保障(human security)」をめぐる政策的および理論的な発展を踏まえたうえで,人権・平和・開発という三つの領域を統合的にとらえる学際的なアプローチを用い,子どもの安全という課題を分析するためのモデルを提示する.そして,そのモデルの有効性を実証的に検討するために,国際的な文脈において子どもたちが直面する複合的な脅威を事例として取り上げて,その脅威の現状を把握したのち分析すると同時に,とくに脆弱な立場に置かれた子どもたちの生活環境を分析する.そして,脅威そのものを軽減するための保護戦略と,脅威に対峙する子どもたちの能力を強化するためのエンパワーメント戦略を政策的に位置づける.

(2)研究の意義
「子どもの安全保障」モデルでは,脆弱な立場に置かれた子どもが直面する脅威そのものを軽減する保護戦略と,脅威に対峙する子どもの能力を強化するためのエンパワーメント戦略を政策的に位置づける特色がある.従って,理論的な斬新性に加え,学際的なアプローチの採用をとおして,政策的および実践的にも波及効果をもたらす意義ある成果が期待できる.さらに,国際的な文脈において人権・平和・開発の三つの領域を統合的にとらえる学際的な「子どもの安全保障」学を構築する,という壮大な目的をもった挑戦的な研究であり,その意義は大きいと思われる.

(3)運営方法
「子どもの安全保障」モデルの叩き台を例示する.同時に,モデルの有効性の実証的検証へ向けて,人権・平和・開発の三つの領域から複数の事例を選択し,個々の事例をセンター員と共同研究する.また,フィールドに精通した国際機関やNGOの実務者に,研究協力者として報告してもらう.

(4)期待される成果 
成果の一つとして,「子どもの安全保障」モデルを提示することによって,学問的な研究領域の違う研究者に対して,複合的な脅威に直面する子どもへ統合的にアプローチする新しい方法論を提案できる.その結果,「子どもの安全保障」学という新しい研究が学際的な共同研究によって発展することが期待される.

(5)部会メンバー

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グローバル・レジリエンス研究部会
Research Unit for Global Resilience

研究テーマ:東日本大震災・福島原発事故を踏まえた原子力安全規制、福島復興、持続可能な地域社会形成のあり方に関する研究
Research on Nuclear Safety Culture and Fukushima Renovation and Sustainable Region
代表者:松岡 俊二教授

(1)研究目的/意義/運営方法/期待される成果
 本研究部会は、2011年3月11日の東日本大震災・福島原発事故の教訓を踏まえ、社会的に有用な原子力安全規制のあり方、原子力災害からの福島復興のあり方、レジリエントで持続可能な地域社会形成のあり方などを解明することを目的としている。
 20世紀が「戦争の世紀」であったとすると、21世紀は大規模な地震、火山活動などに伴う自然災害や気候変動による環境災害などによる「災害の世紀」となる可能性が高い。かかる状況に有効に対処するためには地域社会から国際社会のレベルにおいてレジリエントでサステナブルな社会の形成のための制度的・技術的・社会的能力の向上が不可欠である。
 これまでの研究成果として、①松岡俊二『フクシマ原発の失敗』早稲田大学出版部、2012年、②松岡俊二・師岡愼一 ・黒川哲志(共著)『原子力規制委員会の社会的評価』早稲田大学出版部、2013年、③松岡俊二・いわきおてんとSUN企業組合(編)『フクシマから日本の未来を創る』早稲田大学出版部、2013年という3冊を刊行した。
 こうした研究成果を踏まえ、本研究部会は上述した課題に対して、科研・挑戦的萌芽研究「原子力災害被災地におけるコミュニティ・レジリエンスの創造」(研究代表者:松岡、2015-2017年度)や日本生命財団環境問題研究助成・学際的総合研究「環境イノベーションの社会的受容性と持続可能な都市の形成」(研究代表者:松岡、2015年度後期-2017年度前期)、科研・基盤B「高レベル放射性廃棄物(HLW)処理・処分施設の社会的受容性に関する研究」(研究代表者・松岡、2016—2018年度)などの研究成果を継続・発展させ、社会科学者と工学・自然科学者との共同研究を実施し、技術・制度・経済的な解決手法を研究する。

(2)部会メンバー

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経済発展の政治経済学研究部会
Political Economy of Economic Development

研究テーマ:経済発展促進的な政策の決定・執行に関する分析
The Analysis on the Decision-Making and Implementation of Public Policies Conducive to Economic Development

代表者:加藤 篤史教授

(1)研究目的
経済学の既存研究は、経済発展を促進するための望ましい「経済的」条件について明らかにしてきたが、その条件のほとんどは政府の適切な政策がなければ望ましい状態を実現できない。そして、既存研究が経済発展を促進するための適切な政策ツールについて様々な提言を行ってきたにもかかわらず、世界には経済発展促進的な政策をとる政府ととらない政府がある。このような状況を背景として、本研究の目的は、経済発展促進的な政策を政府が決定し執行する政治・経済・社会的な条件は何か?を明らかにすることである。本年度は、インド全州の長期間にわたるデータを用いて、州政府の歳出および州政府の電力政策に影響を与える条件を検討する。

(2)研究の意義
この研究によって経済発展促進的な政策を決定・執行する条件が明らかにされれば、条件の満たされていない国や地域に、実効性のない政策提言や公的な援助を行うことを防ぎ、経済発展を実現するために、より根源的な条件の改善を図るための政策提言を行うことができる。

(3)運営方法
研究部会センター員が、定期的及び日常的に研究に関する議論の場を設け、研究を深めていく。必要に応じて、セミナー等を開催し、学外の専門家の知見を学び、研究に生かしていく。

(4)期待される成果
他の研究資金と合わせることで、本年度は実質的なデータ分析を大量に行い、実証的な研究成果を挙げられる見込みである。

(5)部会メンバー

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現代中国インディペンデント映画研究部会
Research Group on Contemporary Chinese Independent Film

研究テーマ:社会的実践としての現代中国インディペンデント映画―生産・流通・消費を通じた批判的公共言説の生成
Contemporary Chinese Independent Film as Social Practice: Genesis of Critical Public Discourses Through Production, Distribution, and Exhibition
代表者:中嶋 聖雄准教授

(1)研究目的
本共同研究は、二つの研究の問いに答えることを目的とする。(1)「体制外」で制作された中国インディペンデント映画が種々の抑圧・(自己)検閲を余儀なくされている中で、それら映画はどのようにして制作・流通・消費され(続け)ているのか?(2)それらインディペンデント映画は、現代中国における国家・社会関係の維持あるいは変化に、どのような影響を与えているのか?

(2)研究の意義
本研究は、ユルゲン・ハバーマスの「公共圏」、ミシェル・フーコーの「言説」、ブルーノ・ラトゥ―ルの「アクター・ネットワーク」、さらにはイザベル・スタンジェールのコスモポリティックス等の社会科学的概念を批判的に検討・総合することによって、社会的実践としての現代中国インディペンデント映画が、言論に対する種々の規制が存在する現代中国にあっても、「批判的公共言説」の生成を可能にしているメカニズムを明らかにする。したがって、制作・流通・消費の現状の詳細な記述から始まりながらも、より広い社会学的研究における国家・社会関係論、市民社会論、公共圏論といった分析的・理論的な枠組みの創出をめざすという点で重要な経験的・理論的意義を持つ。

(3)運営方法
研究部会メンバーおよび関連分野の研究者、さらには映画関係者(映画監督、プロデューサー、配給会社関係者、映画祭企画者、ミニ・シアター運営者)を招いて、研究会を開催する。また、小規模の映画上映会・シンポジウムを企画し、研究の成果を学術界のみならず広く社会に公開・還元する。

(4)期待される成果
メンバー個人、また共同で、学術論文を執筆・出版する。メンバーの学問的背景は、映画論・映画史、文学、字幕制作、社会学、カルチュラル・スタディーズと人文・社会科学を横断し、また、専門とする地域もアジア各地にわたるため、学問分野・専門地域の双方において、真に学際的なアジア研究を展開するための土台づくりとなることも期待される。成果に関しては、日・中・英の三ヶ国語で公開の予定。

(5)部会メンバー

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現代中国の現代・社会と外交―内的発展と外的誘因
Contemporary China: Domestic Development and Foreign Relations

研究テーマ:現代中国の政治・社会と外交―内的発展と外的誘因
Contemporary China: Domestic Development and Foreign Relations
代表者:青山 瑠妙 教授

(1)研究目的
本研究は、以下の二つの問題を解明しようとしている。
1.中国の国内政治・社会と対外政策は、どのような変化と連続性を有しているのか。
2.中国の内政と外交の変化を引き起こした要因はどこにあるのか。
上記の共通の問題意識をもとに、本研究は政治、外交、社会、文化などの角度から現代中国を照射し、中国で生じた変化を分析し、変化を引き起こした内的、そして外的誘因を構造的に解明する。

(2)研究の意義
 中国の対外政策は内政とともに、振り子のようにおおよそ10年ごとに大きな転機があった。こうした中国の変化をもたらした要因についておおむね以下の三つの解釈がある。
 第1に、日本の中国研究において、「外交は内政の延長」という発想が根強く存在する。制度化が十分に進んでおらず、権力継承のルールが明確化されていない中国には、権力闘争が激しい傾向があり、政策において属人的要素が強く働く。こうした意味において、中国の内政の変化は、中国の対外政策に変化をもたらすのである。
 第2に、一国の対外政策の方向性は国際秩序の在り方――国際システムにおける力の分布によっても、大きく拘束されている。実際のところ、中国の対外政策における大きな政策転換は国際秩序の変動と連動する傾向がある。
 第3に、国内政治と国際環境の相互作用のもとで、中国は大きな変貌を遂げてきている。
 こうした問題に取り組むことは、学術的に非常に重要であると考えられる。

(3)運営方法
学術ワークショップや外部研究者を招いた講演などを通じて、研究を進めていく。

(4)期待される成果
研究部会のメンバーは現代中国という共通の研究対象を共有しているが、他方においてそれぞれ取り組んでいる研究分野は国内政治、社会や外交と大きく異なっており、中国の変化と変化の誘因を多面的にとらえることができる。

(5)部会メンバー

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現代日本社会研究部会
Contemporary Japan Research Group

研究テーマ:Analyses of social trends and issues in contemporary life
代表者:Glenda S. Roberts教授

(1)研究目的
The object of this research group is, through sponsored talks and mutual discussion, to better understand current social trends in contemporary Japan from the perspective of sociocultural anthropology and qualitative sociology.  We plan to sponsor several talks by international and local colleagues coming through the Tokyo area in the course of the year. Besides enriching the knowledge of our own research group members, this serves to enrich the education of our GSAPS students and, as well, serves the general public who wish to come to our open events.

(2)研究の意義
It is highly useful to obtain the viewpoints of international scholars and local colleagues on their current research on Japanese society.  Through these activities, we also give and receive feedback on our own work, and further create new research networks, which can also be utilized by our graduate students. 

(3)運営方法
The group will meet 3-4 times, beginning in September, to organize events. We have been quite frequently co- sponosoring with Prof. Liu-Farrer one annual international conference concerning either some aspect of international migration to Japan, or some aspect of work and working life in Japan, and we also will plan for a conference in January of 2019 along these lines.

(4)期待される成果
We expect to utilize our knowledge gained from the talks and conference that we sponsor in our own individual research and writing In addition by inviting speakers and holding discussion sessions, we hope to make GSAPS a node in the international network of scholars who study contemporary Japan.  The past several months I have been on sabbatical at the EHESS in Paris, where I have the opportunity to meet many scholars who are involved in studying Japan as well as international migration issues. I hope that our study group in the future will be able to include talks from French scholars about their research concerning Japan, hence expanding our international viewpoint.

(5)部会メンバー

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国際移動とシティズンシップ
Migration and Citizenship

研究テーマ:グローバル労働移動
Between Cross-border Labor Mobility
代表者:Gracia Liu-Farrer教授

(1)研究目的
 Globalization has brought about a globalizing labor market. Not only companies all over the world compete for consumer markets and look for offshore production worldwide, they are also competing for labor force. With regional integration and increasing pace of labor market globalization, people’s career and social mobility are increasingly tied to geographic mobility. This year, the research group aims to continue to examine labor migration of workers at different skill levels, and understand the mobility and settlement patterns of the globalizing labor force.

(2)研究の意義
People of different socioeconomic backgrounds are more mobile than any period in the history.  However, mobility is never equal. People from poverty and those from affluence move through different channels and with different levels of difficulties because the different institutional frameworks applying to them. Unequal treatments and outcomes
emerge because of the different migration infrastructures that move them. This year, through pulling together scholarship on global labor mobility, we want to
investigate the distinct patterns and issues of mobility among different people, to identify area of vulnerability, and understand the wider implications of labor mobility on global labor market in general. This has practical significance, as well. For countries such as Japan who want to attract skilled labor force, it is important to understand why people move and how.

(3)運営方法
The research group’s main activities include holding workshops and sponsoring public lectures. We will also invite speakers to present their research and carry out group discussions. We also hope, in this year, to develop joint projects and apply for outside funding to further this line of research.

(4)期待される成果
We expect to utilize our knowledge from the workshops and lectures in our own individual research to explore new areas of migration studies, particularly the different models of migrant incorporation. In addition, by inviting speakers and holding workshops, we hope to make GSAPS a pioneer in methodological and theoretical development in migration research.

(5)部会メンバー

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国際関係史部会
International History

研究テーマ:国際組織の多角的研究
Multi-disciplinary Analysis of International Institutions
代表者:篠原  初枝教授

(1)研究目的
2018年度の目標は前年度の研究を踏襲し、国際連盟を中心とする国際組織の史的研究を深めることである。前年度の研究会での発表にあったように、これまで国際連盟研究はヨーロッパ中心であった。この研究部会では、アジアにおける連盟を中心に、国際組織を法的、政治的、文化的な視点から再構成し、検討する。

(2)研究の意義
上述のように、アジアの研究者が連盟の活動がアジアに波及していたことを発信することで、普遍的組織であった連盟の地域的広がりを考察できるし、また、ヨーロッパ中心の連盟史観に異なる視点を提示することができる。さらに、国際組織の史的研究という視点から、国際関係史をとらえることで、国家中心の国際政治史とは異なる文脈で、国際関係の史的発展を考察できる。

(3)運営方法
科研費プロジェクトを中心に会合を持つことは前年度と同様であるが、2018年度は4月にLSEのChristopher Hughes 教授が来日され、早稲田で研究を行われるので、Hughes 先生を招いて部会メンバーとの研究会を持ち、また同氏にレクチャーを依頼し、専門的知識を共有していく。さらに、現在IMF勤務の岩崎淳氏も部会メンバーとなられるので、現在のIMFがアジアでどのような活動を行っているかについても、レクチャーを依頼し、アジアの現場からみた国際機構についての理解も深めたい。また前年度からの課題であった日本以外の連盟研究者、たとえば、台湾、中国、タイなどの研究者と連絡をとり、研究ネットワークを築いていきたい。

(4)期待される成果
まだ、採否は未定であるが、応募が採択されれば、2018年度の日本国際政治学会年次大会にて「連盟100年」についてのパネルを主催できればと考えている。また、研究代表者篠原は『国際政治』193号特集号「歴史の中の平和的国際機構」を編集中であり、2018年度には出版される予定である。

(5)部会メンバー

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国際教育開発研究部会
Study Group on Education and International Development

研究テーマ:比較国際教育政策
Policy Analysis of Comparative and International Education
代表者:黒田 一雄教授

(1)研究目的
本研究部会の研究目的は、多様な展開を見せる国際的な教育活動(援助・交流・連携)の全体像を把握したうえで、国際機関や各国政府の国際教育政策・戦略を、多様な指向性の観点から分析し、国民国家や国益を基とする教育観と、グローバルな教育開発の成果や国際社会への公共財の提供を志向する教育観の均衡点を見出すための政策分析のフレームワークを提示することである。

(2)研究の意義
研究の意義は、多様な国際的な教育活動に対する多様な政策的立場を統合し、分析フレームワークを提示しようとする点である。またその際、国際政治学や国際経済学の理論的な枠組みを活用することによって、国際教育の政策過程に社会科学的・政策科学的な論理性と実証性を導こうとしていることも本研究の意義である。本研究の結果は、今後の日本の国際教育政策の策定に貢献するだけでなく、ユネスコ・ユニセフ・世界銀行などの国際機関にも活用されるよう計画しており、実践的にも大きな意義を有する研究と言える。

(3)運営方法
◇ 日本比較教育学会及び国際開発学会において企画セッションを実施
◇その際、以下の点についてリサーチアシスタントを使って、整理する。
・  国際教育援助・交流・連携の量的把握及び、経済援助・貿易・援助との比較
・  国際教育援助・交流・連携の組織的枠組みの把握
・  国際政治学・国際経済学との理論的検討
・  各国政府・国際機関の国際教育政策上の戦略のレビュー
◇昨年度の総括(翌年2月:研究会議)
◇海外調査結果の発表
◇海外研究協力者の招へいと研究発表
◇調査内容・手法を取り巻く問題点、課題に対する議論および解決策の検討

(4)期待される成果
Comparative and International Education Society 大会にて発表
教育のグローバルガバナンス・国際教育協力の歴史に関する研究書の刊行

(5)部会メンバー

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朝鮮半島・北東アジア研究部会
Northeast Asia and the Korean Peninsula

研究テーマ:朝鮮半島の南北関係と北東アジア地域秩序
Inter-Korean Relations and the Regional Order in Northeast Asia
代表者:李 鍾元教授

(1)研究目的/意義/運営方法/期待される成果
 2018年は韓国と北朝鮮がともに、建国70周年を迎え、南北関係に大きな転機となる可能性がある。6年面を迎える北朝鮮の金正恩体制は、「並進路線」を掲げ、核開発に拍車をかけた。2017年末に米国を射程に入れる「核武力の完成」を宣言し、それを土台に、並進路線のもう一つの柱である経済建設を進めるため、外交攻勢に転じるかが注目されている。こうした状況の中で、2018年度には、主として北朝鮮の対外政策の動向に関する研究に重点をおきたい。そのため、昨年度に引き続き、韓国政府のシンクタンクである統一研究院との共催で行っている日韓フォーラムを継続し、韓国の専門家との共同研究に取り組む。
 また、韓国の外交政策については、文在寅政権が掲げる北東アジア構想に焦点を合わせ、従来の韓国政府の地域主義外交との関連性を中心に研究を進める。
具体的な方法としては、①部会メンバーによる研究会、②外部の専門家を招聘したセミナー、③韓国のシンクタンク、研究者との合同セミナーなどを開催する。
研究成果の対外的な公開としては、以上の公開行事に加え、部会メンバーによる研究論文を学術誌などに掲載する。

(2)部会メンバー

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東南アジア大陸部現代史研究部会
Modern History in the Mainland South East Asia

研究テーマ:戦前期在タイ日本人居住者に関する研究(4)
Japanese Residents and Immigrants in Thailand before the 2nd World War(part 4)
代表者:村嶋 英治教授

(1)研究目的
現在のタイ国における日系ビジネスの隆盛は著しいが、その起点となる1880年代末以降20世紀初頭における、在タイ日本人とその活動については、従来本格的な調査研究は存在せず、また、同時代もしくは同時代に近い時期の資料(例えば、①宮崎滔天(寅蔵)「暹羅殖民始末」『国民新聞』1897年7月24日~8月4日連載(『宮崎滔天全集、第五巻』、平凡社、1976年に再掲、②石川安次郎編纂兼発行者『暹羅王国』、図南商会(阿川太良)、経済雑誌社、1897年9月9日発行、③来馬琢道『黙仙禅師南国巡禮記』、平和書院、1916年など)の記述も断片的かつ部分的に過ぎない。本研究では、数年に亘り、1880年代から1945年までの在タイ日本人とその経済活動を明らかにすることを目的とするが、本年はその第四年度であり、昨年に引続き最も古い時期を対象とする。

(2)研究の意義
現代日本とタイとの間には、多様な分野において極めて緊密な関係が存在し、相互に五万人以上の国民が相手国側に居住している。このような重要な関係を有する両国であるが、その関係の前半部分の時期については、本格的なリサーチを根拠とした、正確な情報が欠如している。本研究は、日タイ両国のアーカイブズ資料、同時代の新聞雑誌図書さらに最近増大しているウェブ情報検索から、従来知られていない情報を発掘し、上記対象時期における在タイ日本人とその活動を明らかにする。

(3)運営方法
各個の研究を進めるとともに、必要に応じ、研究報告会等を開催する。

(4)期待される成果
従来不正確で断片的な情報しか存在しなかった、1880年代から20世紀初頭における在タイ日本人のプロファイルと彼等の活動(殖民事業、商店、雑業など)を初めて本格的体系的に明らかにできる。本年度は、更に20世紀における日本暹羅間の外交関係・軍事関係に関わった日本人にも手を広げたい。

(5)部会メンバー

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東南アジア島嶼部現代政治研究部会
Contemporary Politics in the Insular Southeast Asia

研究テーマ:インドネシア首都圏中間層における宗教動向の研究
Religion and Middle Class in the Greater Jakarta
代表者:見市 建准教授

(1)研究目的
本研究の目的は、ジャカルタ首都圏の都市中間層の宗教的保守化とその政治的行動の分析を通じて、新興民主主義国インドネシアの政治状況を考察することにある。またインドネシアの宗教と政治に関する研究への貢献のみならず、東南アジアにおける安定と政治的動員のメカニズムについて比較研究の地平を拓こうとするものである。

(2)研究の意義
本研究の構想に至ったのは、近年インドネシアでいわれるようになった宗教的あるいは性的な少数派への抑圧の高まり、とりわけ2016年末から2017年にかけて起こったジャカルタ特別州知事バスキ・プルナマの「宗教冒涜」事件である。2000年代後半から少数派への抑圧事件が散発していたが、その加害者は一部の急進派イスラーム組織とみられてきた。しかしジャカルタの事件では、主要宗教団体の指導者が自粛を促したにも関わらず、多数の中間層が自発的に抗議運動に参加した。この抗議運動は、知事の落選と有罪判決という極めて重大な政治的帰結に至った。同事件を、急進派と政治エリートの連携だけで説明することは不可能であり、都市中間層の宗教的保守化についての実態調査が必要となった。

(3)運営方法
研究会を開催し、部会メンバーの研究を促進する。必要に応じて、ゲストスピーカーを招聘する。東南アジア学会ないしアジア政経学会におけるラウンドテーブルを実施する。

(4)期待される成果
並行して科研に応募中であり、国際共同研究の実施に結び付けたい。

(5)部会メンバー

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ニュージーランド研究部会
New Zealand Studies Research Group

研究テーマ:ニュージーランド研究の推進
Promotion on the New Zealand Studies
代表者:山岡 道男教授

(1)研究目的
日本におけるニュージーランド研究に関して、時系列的・横断的に検討する。

(2)研究の意義
日本におけるニュージーランド研究を推し進めるための基本文献として昨年度に出版した『ニーシーランド研究関連文献集〚2017年度版〛』を用いて、そこに掲載されている、日本で出版されたすべてのニュージーランドに関する書籍と論文を概観することにより、ニュージーランド研究の歴史と現状を検証し、同時に将来への研究動向を展望する。

(3)運営方法
本部会の定例研究会だけではなく、日本ニュージーランド学会との協力の下に、同学会の研究会や年次総会においても、日本におけるニュージーランド研究に関して検討をする。

(4)期待される成果
日本におけるニュージーランドの研究の現状を掌握し、同時に、今後の発展の可能性に関して検討する。

(5)部会メンバー  

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東アジア産業競争力研究部会
Research Group on industrial competitiveness in East Asia

研究テーマ:東アジアにおける産業競争力の要因についての研究
Research on industrial competitiveness in East Asia
代表者:鍋嶋 郁准教授

(1)研究目的
近年世界的に経済の成長が鈍化している中、国際貿易の成長も鈍化している。従来東アジアの産業の成長は輸出の成長とともにあり、このような厳しい状況の中、いかに輸出を持続もしくは拡大させるのを考えることは東アジア産業にとって重要であり、今後、東アジアの産業競争力を考える際に、1)非関税措置への対応力と2)技術革新の2点が重要性を増すと考えられる。いかに生産能力を有していたとしても輸入国における規制や基準を満たしていなければ、輸出することはできない。以前は関税の問題が重要視されてきたが、最近では貿易自由化の努力やFTAによって、関税は下がりつつある。その反面、非関税措置(例えば、食品安全規制)が貿易により大きな影響を与えていると考えられている。FTA交渉においても非関税措置の議論は高まっており、どのように各国の規制の差を可視化するのも重要な課題である。また、中所得国にとって技術革新能力は「中所得国の罠」から脱却するために必要とされており、東アジアの中でいかに技術革新能力を強化していくのは重要な課題である。

(2)研究の意義
規制や基準が貿易に与える影響への関心が高まる一方で、データ不足のためにこの分野の研究が体系的に進んでこなかった。非関税措置の関心が高まっている中、体系的に非関税措置が貿易に与える影響の研究は国際貿易政策に対して与える影響も高いと思われる。また、中所得国にとっては技術革新は中所得国の罠からの脱却に必要な能力だと考えられ、政策の関心度が高い分野である。

(3)運営方法
非関税措置への対応・技術革新のテーマに沿って、定期的に研究部会センター員による研究会を開催すると共に、外部講師などを招聘してセミナーなどを開催する予定である。

(4)期待される成果
非関税措置への対応力に対する体系的な研究はまだ数少なく、学術的な貢献度は高いと考えられる。さらに、非関税措置や技術革新能力に対する政策担当者の関心は高く、政策提言を行う際の学術的な知見を提供することが期待される。また、研究での知見をセミナーやシンポジウムを通じて幅広く発信していく予定である。

(5)部会メンバー

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予防外交研究部会
Preventive Diplomacy

研究テーマ:日本の海洋資源開発と島嶼防衛
Japan’s Maritime Natural Resources and Defense of Islands
代表者:川村 亨夫教授

(1)研究目的
2017年12月18日に総合海洋政策本部参与会議から安倍首相に提出された「海洋基本計画」に基づく海洋資源開発と海洋安全保障の一体的促進策に示されるとおり、メタンハイドレートや海底熱水鉱床、海底原油等の海洋資源開発促進は、未来に向けての日本のエネルギー資源確保に必要欠くべからざるものであり、同時に、近年の日本周辺諸国による核ミサイル開発や海洋覇権等の地政学的変化に伴う海洋防衛網の整備は、日本現在・未来の安全保障を確実に担保するうえで必須の課題として取り組まれている。

(2)研究の意義
国際社会との連携・協調を踏まえた日本の総合的な海洋資源開発・海洋防衛戦略推進に資する研究資料の作成を試みたい。

(3) 運営方法
事務局体制を強化し、関連分野を研究する学生の中から事務局長を選任し、各研究員との連絡を密にしながら定期的な会合を図り研究成果を上げていく予定である

(4)期待される成果
アジア太平洋研究センターから出される出版物の「アジア太平洋討究」やその他の出版物にも究成果を発表していく予定である。

(5)部会メンバー

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歴史・記憶・ナラティブ プロジェクト
History, Memory, Narrative Project

研究テーマ:現在日本の政治における歴史・記憶・ナラティブ
History, Memory, and Narrative in Contemporary Japanese Politics
代表者:レーニー デイビッド教授

(1)研究目的
Thisproject is designed to contribute to our knowledge of how history and memory become codified in politics through its structuring as narrative. Building from
the principal investigator’s recent book (Empireof Hope: The Sentimental Politics of Japanese Decline; forthcoming, Cornell University Press), it will trace several other dimensions of historical representation in contemporary Japanese politics to offer clues about how narrative structures shape the ways in which political history is understood and analyzed.

(2)研究の意義
Much of the research on history and memory in Japan focuses narrowly on the Pacific War and its implications for Japanese politics and foreign policy today. While these issues have been important, they obscure the more complex ways in which national foundation in the Meiji Restoration, the country’s postwar growth, and its relations to other countries have been narrated as part of a story that gives contemporary politics its meaning. This project, like the initial book, will make important contributions to scholarship on historical representation, emotion and politics, and the tensions of “constructivism” in contemporary political science. The goal will be speak to important work done in Japanese by scholars like Oguma Eiji and Miyagi Taizo as well as in English by scholars like Carol Gluck and Dominick LaCapra.

(3)運営方法
The project will seek to draw on the expertise of members in considering the cultural politics of memory and history, focusing especially on three crucial moments for modern Japan’s political and economic relationships: the Meiji Restoration and its aftermath; the “Nissho Maru Incident” and the notion of energy independence and security; and the 1964 Tokyo Olympics. All of these have been commemorated in recent novels and films, and all of them find ready discussions among key legislators and intellectuals in the press. These specific cases have been chosen in part because of political decisions involving both the 150th anniversary of the Meiji Restoration, which is being commemorated in Tokyo and in the prefectures that served as provincial homes of the rebellious samurai, and the 2020 Olympics, whose creative director for the opening ceremonies, Yamazaki Takashi, is the widely celebrated director of important films involving postwar Japanese history. Two of them – Always: Sanchome no Yuhi ’64 and Kaizoku to Yobareta Otoku – deal specifically with two of the cases at hand: the ’64 Olympics that ostensibly opened postwar Japan to the world and the Nissho Maru Incident that symbolized both Japan’s energy independence and its willingness to flaunt international law when it seemed to support the interests of Western imperial powers rather than the newly independent nations, like Iran, that had been controlled by them.

(4)期待される成果
The goal of this project is both to extend discussions within GSAPS and across Waseda’s campus discussions of the relationships between history and politics in ways that allow us to get beyond simplistic divisions between “revisionists” and “mainstreamists.” Instead, we will consider how these history and memory projects get shaped by traditional narrative structures that simultaneously embed the history while also pointing at an ending, a climax, to which a national community is expected to aspire.

There will therefore be three distribution goals. First, a thematic paper based on the research will be submitted to GSAPS either for its journal or as a discussion paper. Second, a journal article focusing on one of the cases will be submitted to an external English-language journal by March 2019. Third, we aim for a book manuscript that will be submitted to press by 2020 or 2021.

(5)部会メンバー

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