WIAPS Seminar

14th WIAPS Seminar

Date&Time February 18, 2013 (Monday) 16:00 - 17:30
VenueRoom 713, 7th Floor, Building 19, Waseda University
Intended AudienceWIAPS Full-time Faculty/Research Associates, WIAPS Exchange Researchers/Visiting Scholars/Visiting Researchers, GSAPS MA/PhD Students
Presentation1

Presenter:Mayumi Ono (Research Associate, WIAPS)

Presentation Theme:
日本人高齢者の国際退職移住---マレーシアの事例から

Abstract:
 本発表では、退職後の日本人高齢者の自発的なマレーシア移住・長期滞在を事例に、グローバルな人の移動研究における新たな研究領域を提示し、そのアプローチとして個から国際移動を捉える視点について検討する。
 高齢者の海外移住は、労働力とはならない、或いは労働を目的としない人の国際移動という側面と、海外に長期間居住・滞在する消費者の国際移動という二重の側面をもつ。このような移民でもなくツーリストでもない流動的な人々の暮らし方に焦点をあて、日本人高齢者にとって「海外移住」が老後の暮らし方の選択肢として商品化され普及していく過程を明らかにする。2000年代に入り、日本人退職者の移住先として関心の高まっているマレーシアは、外国人退職者の長期居住や患者を経済成長のドライブとみなし選別的な受け入れ制度を実施している。本発表では、「人の国際移動のマーケット」をめぐる移動する主体と市場及び国家の相互作用を検討することによって、日本人高齢者自らが生き方を創造していく過程を明らかにする。

Presentation2

Presenter:Yutaka Kanda (Research Associate, WIAPS)

Presentation Theme:
戦後日本外交における二つの系譜---「日米中」提携と「日米中ソ」協調

Abstract:
 冷戦期の日本外交を担った政治指導者の外交路線に関して、一般に次のような図式的理解がなされている。吉田茂に連なる「保守本流」が対米「協調」路線を推進したのに対し、岸信介などの「反吉田」勢力の流れを汲む系譜は対米「自主」路線を追求した。アメリカ中心の国際秩序の下で国益の最大化を図る前者の外交は、論壇における「現実主義者」によって高く評価された。日本の外交的自立を模索し、アジア諸国との連帯を図る後者の外交は、しばしばアジア主義的動機とも結び付くものであった。
 報告者は昨年公刊した拙著において、冷戦変容期であった1960年代の日本外交を分析した。そしてここでは、当時の指導者を日米中ソの4カ国関係のあり方をめぐる態度の相違によって類型化し、以上とはやや「逆転」した図式を提示した。すなわち、当時「保守本流」が「日米中」提携という長期的目標を有したのに対し、「反吉田」の系譜の政治家は「日米中ソ」協調を追求した。前者の目標は「アジアの連帯」を模索する政治家に共感され、論壇の「現実主義者」は後者を支持していた。
 本報告は、拙著の内容を紹介した上で、この図式をより一般的な視点から考察しようとするものである。特に、1960年代以外の冷戦期において、この図式を当て嵌めることは出来るだろうか。また、この二つの系譜は、第二次大戦以前の時代からどのような連続性を持っているだろうか、という二点を論じてみたい。

Page Top