Graduate School of Public Management早稲田大学 公共経営大学院

「ケーススタディ(政策形成ワークショップ)」に参加して

公共経営大学院
前田 厚

maeda_atsushi_22013年8月23日から25日までの3日間、藤井浩司教授によるケーススタディ(政策形成ワークショップ)に出席しました。この講義は、学生自ら特定の自治体における課題を設定した上で、フィッシュボーン、SWOTなどの分析手法を活かしながら自治体を研究し、課題を解決するための政策を立案するものです。事前講義にて受講者の間で議論を行い、今回は、「岐阜市・柳ヶ瀬商店街の活性化」という課題を設定しました。岐阜市の柳ヶ瀬商店街は、全国的に知名度も高く、昭和の頃は活気に溢れていました。しかし、近年は郊外に大型ショッピング・モールの建設が相次いだことなどにより、歩行者交通量で表すと最盛期の5分の1程度にまで落ち込んでいます。この商店街の客足を回復させ、活気を取り戻す政策の立案について、グループ・ワークで取り組みました。

ワークショップは、伊豆川奈セミナーハウスにおいて2泊3日の日程で行われました。1日目は、岐阜市及び柳ヶ瀬商店街の強みと弱みについて、SWOT分析の手法を用いて検討しました。その結果、既存のショッピング・モールと競合するよりも、岐阜市の強みを活かして差別化を図り、客足を取り戻すべきという結論に至りました。2日目は、具体的な政策の立案と、プレゼンテーションに要する資料の作成を進めました。調査の結果、岐阜市では1人あたりの喫茶店における消費金額が非常に高く、過去には全国の市区町村で第1位にもなっていたことがわかりました。その理由は、岐阜市の喫茶店が「モーニング」maeda_atsushi_1という朝食セットを提供していることにあるようです。そこで、この強みを活かし、ショッピング・モールとの差別化が可能となる政策を立案することとしました。政策案については、大きく既存店舗への支援と新規開業者への支援に分け、それぞれについて具体的な事業案の検討を進めました。また、柿の消費量日本一という岐阜市のもう一つの強みを活かし、柿を用いたメニューの導入など、面白い試みを提案に盛り込むことも検討しました。一人ではなかなか考案できないような事業も、複数の受講者で検討することにより、様々なアイディアが生み出されました。3日目は、完成した資料を元にプレゼンテーションを行い、藤井教授から講評をいただき、全日程を終了しました。

先に述べたとおり、このワークショップは、与えられた課題に取り組むのではなく、課題からグループで検討し設定するというのが大きな特徴です。そのため、やりがいがあるだけでなく、リサーチペーパーの執筆にも有効に結び付けられるのではないかと考えています。また、様々なバックグラウンドを持つ他の受講者の意見を伺うことで、自分のアイディアを掘り下げられ、さらに、他の受講者のアイディアと自分のアイディアを合わせることで新たな発想が生まれることもあり、グループ・ワークの長所が十分に活かされたワークショップであったと感じました。

藤井教授をはじめ、同じグループで3日間を共に過ごし、意見を交換した皆さんにこの場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。

(2013年11月12日掲載)

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