Graduate School of Public Management早稲田大学 公共経営大学院

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「フィールドスタディ(地域力再生とガバナンス」参加報告

寄稿者:公共経営大学院(男性)

(1)プログラムの実施スケジュール、プログラム参加人数

平成24年8月16日(木) – 21日(火) 8名

(2)プログラムの内容要約・取り組んだ課題

1.プログラムの概要

本プログラムは、京都府南部にある和束町において開講された。
参加者は、2グループにわかれ、現地にて5泊6 日のフィールドワークを行い、その成果を最終日に和束町役場と京都府庁で発表した。

私が参加したグループは、「湯船森林公園を活用した地域活性化 – 住民の主体的な取り組みによる持続可能な活性化を目指して – 」というテーマでフィールド ワークを行なった。

活動の概要は下記日程表のとおりであるが、通常のフィールドワークに加え、3日目午後から4日目午前にかけては、一般財団法人和束町活性化センターのワー キングホリデー事業による農家民泊を体験させていただいた。

【日程表】
 日程  第1日目 第2日目  第3日目  第4日目  第5日目 第6日目
 8月16日(木)  8月17日(金)  8月18日(土)  8月19日(日)  8月20日(月)  8月21日(火)
 午前  移動  湯船区長等と
意見交換
 現地調査<2>
(森林公園)
 農家作業
手伝い<2>
 班で協議<2>  プレゼン<1>
(和束町役場)
 午後  和束町役場で
開講式
 現地調査<1>
(森林公園)
 農家作業
手伝い<1>
 班で協議<1>  班で協議<3>
 プレゼン<2>
(京都府庁)
 民泊  山の家  山の家  農家民泊  山の家  山の家  –

※山の家:京都府和束青少年山の家

2.取り組んだ課題

和束町の2012年5月1日現在の人口は4,630人、世帯数1,744世帯で、総面積約64平方kmのうち約7割は山林が占める自然豊かなまちである。和束町の基幹産業は茶産業であるが、茶園面積は府内の37%、荒茶生産量及び荒茶生産額はともに府内の45%を占め、府内トップの生産地となっている。また、集落の起源は弥生時代まで溯り、聖武天皇や後醍醐天皇のゆかりの社寺や言い伝えが多く残っているなど歴史豊かなところである。

私たちが現地活動を行なった湯船地区は、和束町の東部に位置し、滋賀県との府県境にある人口397人、136世帯が暮らす山あいの地域である。

地区の主な産業は林業であったが、1964年の木材輸入自由化以降、衰退傾向となり、現在では専業林家と呼べる世帯はない。また、地区の高齢化率は約40%で、全国平均23%、和束町全体32%と比較しても格段に高齢化が進んだ地域であり、今後を見据えて地域を活性化していくことが課題となっている。

国や都道府県においては財政的に厳しさを増し、補助金など従来型の中央集権的な財政支援が期待できない中、こうした課題を解決するには、地域の住民自らが方策を考え、行動に移していくという地方分権の発想に基づく取組が必要である。

そうした観点から、私たちの班においては、地区内で最も集客力がある湯船森林公園を活用して、住民が主体的に地域の活性化に取り組む「キッカケ」をつくるための施策を検討し、政策提言としてまとめた。

(3)参加して得た成果、感想

地域の課題解決のための政策を検討するに当たって、対象となる地域の人口構造や主な産業などの基礎的なデータを収集・分析することは重要なことではあるが、考え出した政策が実際に実施できるのか、また、仮に実現できたとしても取組として定着するのかという点が最も重要であることは言うまでもない。そのような地域に実情に根ざした政策を考えるには、まず実際に現地に足を運んで、そこに生活しておられる方々と対話することが必要不可欠である。

今回、フィールドワークに参加して、あらためてその重要性を痛感したところであり、そうした点で、地元の区長さんをはじめ地域の住民の方々と意見交換させていただいたことは大変貴重な機会であった。

(4)プログラムのおすすめポイント

農家民泊をとおして、住民の方々の普段の生活を体験させていただくことによって、さらに深く地域の実情を知ることができる点

町役場での提言の様子

町役場での提言の様子

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湯船森林公園でのフィールドワークの様子

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(2012年10月16日掲載)

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