Graduate School of Public Management早稲田大学 公共経営大学院

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研究科長挨拶

公共経営大学院研究科長 小原 隆治

 最近、「ガバナンス」(governance)、「公民協働」(public-private partnerships/ PPPs)という言葉をよく耳にします。以前より聞く機会こそ減りましたが、それらと縁戚関係にあるといっていいおそらく純粋和製造語の「新しい公共」という言葉もあります。ここでは、この最後の言葉に即してお話しします。
「新しい公共」はなにが「新しい」のでしょうか。社会経済状況や人々の意識の変化に応じて公共政策に対する需要も絶えず変化し、なかには古びて消滅に近づく政策がある一方で、新しく生まれてくる政策もあります。後者の例として、たとえばLGBT関連の公共政策をあげることができます。
しかし、「新しい公共」が指すのは、個々別々に生まれてくる公共政策の内容の新しさではおそらくありません。それが指すのは、公共政策を実現する担い手またはその構造の新しさです。公共政策の担い手として、政府、市場、非営利の市民/市民団体(これら市場と市民/市民団体を一括りに呼ぶなら市民社会)をあげることができます。社会学者であればさらに家族を付け加えるでしょう。これらの担い手にはそれぞれ独自の強みもあれば弱みもあり、だからこそこれまで政府の失敗、市場の失敗、さらに家族の失敗が語られてきました。
そうだとすれば、担い手を一元化せず、多元的に組み合わせ、とくにこれまで以上に市民/市民団体の力を借りることで公共政策を最適に提供できるのではないか。それをいままでにない担い手のあり方という意味で「新しい公共」と呼べるのではないか。「新しい公共」が語られるようになった筋道は、そういうことなのだろうと思います。
もちろん、わたしたちが政府を打ち建てるのは、家族や市民社会にまかせていると解決できない問題があるからです。だから選挙による信託を経て、強制的に租税を徴収したり政策を実現する巨大な権力を政府に与えています。しかし、グローバル資本主義の進展など社会経済状況が大きく変化するなかで、とりわけ財源の面から、政府が至れり尽くせりの政策を実現することが難しくなってきました。同時にまた、市民社会の力で政策を提供したほうが痒いところに手が届く場合もあることがわかってきました。
このような環境変化のなかで公共政策の課題を誠実に論じるのはなかなか容易なことではありません。議論はどうしても複雑できわどいものにならざるをえません。それでもなお、そうした議論を望み、それに耐え、やがて公共政策の立派な担い手になることを目指す意欲あふれる学生の入学を歓迎します。じつはわたしたち教員にもよくわからないことが多いのです。ともに学びましょう。

公共経営大学院専攻主任 山田 治徳

早稲田大学公共経営大学院は、2003年4月、わが国で最初に開設された公共政策系専門職大学院です。ただわが国最初とは言いながら、10年余りの歴史しか有していません。しかし、これはわずか10年ではありません。1882年に創立された早稲田大学、そして早稲田政治経済学の130年を超える歴史と伝統、蓄積を礎としたものです。
公共経営は、マクロ的には政治学、行政学、経済学、財政学、公法学、経営学、社会学など多くの学問分野と密接な関連を有するきわめて学際的な分野であるとともに、ミクロ的には、暮らしや経済行為などあらゆる人間活動や現実の社会から切り離して考えることのできない分野でもあります。まさに理論と実務の架橋が求められる分野です。これらに対応するため、公共経営大学院には、斯界を代表する研究者教員に加え、行政実務に熟達した実務家教員が配置されています。
また、公共経営大学院には、国や自治体の公務員や政治家として、企業やNGO/NPOの活動を通じて、シンクタンクの研究員やコンサルタントとして、公共経営に携わることを目的とする人たちが集い、また既にこうした分野の第一線で活躍しながら、新しい知見の修得や更なる自己研鑽を目指す人たちも集っています。こうした多様性が産み出すダイナミズムやこれらがもたらす新たな可能性との出会いも公共経営大学院の魅力の一つでもあります。
不易流行という言葉があります。不易とは時代が変わっても変わらないもの、流行とは時代の変化とともに変わるものを指します。変化の激しい時代ですから、どうしても流行に目を奪われがちです。しかしこうした時だからこそ求められるのは、不易と流行を相対立する別物と考えるのではなく、時代の変化を捉えながらも、両者を見極め、自らの力で問題の本質や課題を見つけ、そして学び、考え、行動することで、問題を解決する能力を養うことにあります。
早稲田大学公共経営大学院は、早稲田政治経済学130年の蓄積をもとに、そのために必要な学問的成果を体系的に学び、グローバルな視野を涵養するための環境を提供します。高い志と意欲をもった皆様の御入学をお待ちしています。

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