経済学研究科を志願した理由
学部生の頃は、公共経済学を扱う須賀晃一先生のゼミに所属しており、卒業論文では医療技術開発に関する意思決定について研究していました。しかし、今振り返れば勉強不足ゆえに議論が不足していたと感じます。たとえ独創的なアイディアだとしても、議論の仕方によっては独断的な主張となってしまいます。そこで、適切な議論を行うための知識や技術を養うために経済学研究科を志願しました。さらに、修士課程で研究を行う中で、今後も研究活動を継続したいと考え、博士後期課程へ進学しました。
印象に残っている授業
最も印象に残っているのは、修士課程1年次から所属している5年一貫博士プログラムのカリキュラムそのものです。殆どの講義が英語で行われ、ミクロ経済学,マクロ経済学,ゲーム理論,経済数学,計量経済学すべてが必修でした。そのため、広い視野を持って各領域の繋がりや違いを認識することができ、とても貴重な経験となりました。他の領域の研究者とコミュニケーションをとるには、各領域における特有の考え方を理解する必要があります。また、一つのテーマについて多様なアプローチを試みることで、より豊富な研究成果を得ることも可能です。この2年間、自身の中で “研究領域の拡大化および研究手法の多様化”がなされたと実感しております。
自身の研究テーマについて
現在は、主に2つの研究に取り組んでおります。一つは、選択可能集合あるいは実行可能な行動集合の部分集合における選好関係についてです。社会的選択理論や効用理論に関連する分野となります。もう一つは、アイトラッカーを用いた経済実験です。戦略形ゲームにおける情報取得行動と選択行動との関連性について研究しております。
終了後の進路について
当面の目標は博士号取得です。博士号取得後は、研究を継続するとともに、同じ研究者の道を志す学生の力になれればと考えております。