趣旨
2013年度4月より開始された本プログラムの目的は、5年一貫の教育による専門研究者の養成にあります。クォーター制を利用した積み上げ方式のカリキュラムにより、経済学に関する幅広い基礎知識と多様な分析手法に精通した研究者を養成します。これにより最短で3年、標準的には5年での博士号取得が可能となります。
本プログラムの特徴は、まずは専門領域を定めることなく経済学の基礎分野を幅広く体系的に学び、次に各自の興味関心に応じて専門領域の研究に進むという二段階の科目構成にあります。したがって学生は、各自の専門分野に限定されることなく、広がりのある研究テーマを追求することができます。
修了要件について
- 5年一貫博士プログラムでは、クォーター制による方法論中心の教育が行われます。ミクロ経済学、マクロ経済学、ゲーム理論、計量経済学、経済数学の各分野で、基礎から上級、発展までを段階的、体系的に学んだうえで、各自が専門とする分野での独立研究を開始します。
- 博士後期課程に進級するための要件は、①すべての必修科目・選択必修科目の単位を一定の成績で取得すること、②必要とされる総計単位数を取得すること、③修士論文を提出し合格すること、④次に述べる学力審査に合格することです(「履修要件」次頁参照)。
- 修士課程の修了時に学力審査を行います。審査では、必修科目の成績評価、修士論文および研究計画書に対する審査、および口頭試問が課されます。この審査に合格することで博士後期課程への進学が許可され、博士学位請求論文の提出資格が与えられます。不合格の場合には、半年毎に再受験が可能です。また、研究計画書および修士論文についての審査結果に応じて、修士学位が授与されます。
- 本プログラムを離れて通常の修士課程(経済学コース、国際政治経済学コース)に戻る場合、本プログラムで取得済みの単位は、科目の性質に応じて必修科目あるいは選択科目として修了要件に算入することができます。
研究指導について
- 毎学期に、5年一貫博士プログラムに所属する学生を対象とした総合演習を開講します。
- 総合演習の目的は、必読文献の読解方法や研究課題の発見、具体的なリサーチ・クエスチョンの設定など、参加学生に共通する研究方法の習得です。
- 総合演習では、各領域の教員が専門分野の紹介や新しいトピックなどについて講義し、受講生はそれを参考にして各自の研究テーマを決定します。
- 二年次の秋学期からは学生それぞれが指導教員を選択し、その領域の研究指導に参加し、読むべき文献や研究テーマの選択について指導教員のアドバイスを受けながら修士論文を完成させます。
履修要件について
(1) 修士課程 開講科目一覧
各分野で開講する科目は以下の通りです。
(2)修士課程 履修要件
履修の標準的なモデルは以下の通りです(学部で計量経済学・線形代数を学んでいない場合)。 *()内は単位数
例: 4月入学の場合
研究者への道
研究者を目指し、さらに研究を深めたい学生には、博士後期課程への内部進学の道も開かれています。博士後期課程においては、在学中の国内外の学会参加や学術雑誌への論文投稿を積極的にサポートしています。また、優れた業績を上げた(上位に位置づけられる査読付国際学術誌へ論文が掲載された)場合には、早期修了の扱いでの学位申請が認められ、修士課程・博士後期課程あわせて最短3年間で博士学位を取得することが可能です。高い研究意欲さえあれば、自身の限界に果敢に挑戦し続けていけるよう、本研究科でも研究環境を整えています。