Waseda Law School早稲田大学 大学院法務研究科

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vol.04 【2010年度 座談会】

当研究科修了の先輩だからこそできる、既修・未修の後輩に対する親身な学修サポート

座談会早稲田大学大学院法務研究科では、日々の学修や試験へのプレッシャーを抱える学生に対し、学修のフォローアップをはじめ、実務家としての経験を伝える場として「アカデミック・アドバイザリー制度」を設けています。 学生たちはこの制度をどのように活用し、先輩であるアカデミック・アドバイザー(AA)は何を伝えているのか─
双方の立場から語っていただきました。

学生達たちの実際の活用方法と、AAの視点の思い

水上:皆さん本日はよろしくお願いいたします。自己紹介も兼ねて、現在AAが行っている学修サポートについて簡単にお話しますと、2009年度のAA制度では計32名の先輩弁護士からなるAAに協力してもらいました。個別相談ブースでの学修相談を週2回実施する傍ら、1年生には法律初学者向けのゼミ、2年生は民法ゼミと法学既修者向けのゼミを行い、さらに受験を控えた3年生に対し法律基本科目のゼミと過去問検討ゼミを開催してまいりました。週1回、1クールあたり5回行われるこれらのゼミでは、皆さん決められた課題を元に、事前の文章答案を書いてきてもらい、それについて討論をしたり、文書の書き方についてアドバイスをする、というのが基本的な流れです。ちなみに私は1年生向けのゼミと3年生向けに刑法ゼミを担当しました。

矢上:私は月に2回ほど担当しておりまして、春学期は個別相談ブースでのカウンセリングが中心でしたが、秋学期は会社法の1年生向けのゼミを担当しました。

水上:私は、前期は伊藤さんとゼミをやり、後期は茨木さんと一緒でしたね。

茨木:私は水上先生の刑法と、その前に憲法と行政法のゼミの合計3つのAAゼミを受講させていただきました。

白木:早稲田大学の法学部を早期卒業してロースクールに入りました。私は法学既修者向けのフォローアップゼミでお世話になりました。

伊藤:この中で私だけが法律初学者になりますね。慶應義塾の経済学部を卒業後、NTTドコモで2年間営業を担当した後、こちらに入学しました。前期は法律初学者向けフォローアップゼミと、後期は会社法ゼミと民法ゼミを受講いたしました。今は民訴強化ゼミに出ています。

水上:AA制度を最大限活用していますね!

伊藤:毎週土曜日のゼミが楽しみでしたし、慣れない日々の中で心の支えになっていました。授業のサポートという形でたくさん起案をしたり、教室でどんどん回答させられたりと・・・かなりスパルタでしたが(笑)、不安定だった知識が定着していく感じで少しずつ自信がついていきました。

水上:AAの立場から話すと、法律初学者の皆さんは、最初は法律がわからないことを承知で、”ちょっと難しいことをみんなで検討”させるというカリキュラムを作りました。そこに法律のおもしろさを感じてほしいからです。私自身もいわゆる純粋未修者でしたが、その経験も踏まえて、特に1年生の初学者は「法律って楽しい」と思わなければ、なかなか学力も伸びないし、司法試験に受かるはずもないというのが私の持論ですね。

矢上:私も新聞の記事や身近な事件を題材に、「授業でやったことを使って、この事件について掘り下げて考えてみよう」という解説をよく行っていました。そうすることで、新聞にある実際の事柄と教科書がこうしてつながっているんだということに気づいてもらえるだろうと思ったからです。実際、食い入るように話を聞いてくれたときは手応えを感じましたね。

伊藤:まったくの未修ということで最初は本当に不安でしたけれど、ゼミのおかげで仲間と集まって話し合うという態勢ができたと思います。

白木:私は既修で入りましたが、AAゼミで新司法試験の過去問題を自力で解き、先生に解説していただきました。それまでは旧司法試験の問題ばかり取り組んでいたので、「こんなにできないのか・・・」と落ち込みましたね。でも、ゼミのおかげで新司法試験では何を必要とされているのか、ということに目を向けさせていただいたと思います。

水上:確かにどのAAもゼミ前には相当準備して練り込んでいっていますね。やはり既修の人たちは論点主義の勉強に慣れているので、早めに新司法試験の問題をやらせて、法科大学院ではどのような学修が求められているのかを認識させるという発想は非常に良かったと思います。

矢上:私も「新司法試験とはこういうもの」というイメージが沸くようにしました。自分が最終的に向かう方向性が解ると課題が見えてくるはずですから。

水上:伊藤さんは1年生ですが、一度刑法の問題をやったでしょう? あれは2008年の新司法試験問題を改題したものなんです。実はその問題を3年生の茨木君もやっている。結局のところ法律は一緒ですから、早い段階からそういう取組みをしていくべきだと思っているんですよね。

茨木:私が入学したばかりの頃はAAによる個別相談はありましたが、ゼミがなかったので、実際にゼミを受講できたのは今年1年間だけでした。私たちと同じカリキュラムの法科大学院教育を受けて弁護士になられた先輩の姿を見ることだけでも励みになりました。

AA制度を利用して学生たちが得たものとは

座談会水上:そもそも早稲田がAA制度を作ったのは、教員ではなく同じ道を歩んだ先輩だからできることに期待したそうです。

茨木:実際私も”先生方より私たち寄りの方”がどんなお話をしてくださるのかに興味があって受講しました。中でも収穫があったのは、「実務に出られた方は、文章を読むこと、書くことに対する意識が学生とは全く違う」ということ。法科大学院を修了された先輩方の、実務に即したお話しをうかがって、文章に対する意識も高まりました。

白木:ゼミ以外の場所で先輩方との交流が生まれたのも大きいです。私の場合は、AAの先生が勤務する弁護士事務所にお手伝いに行かせていただいたりしています。食事会などにも誘っていただき、ゆっくりと実務の話を伺うことができて本当に感謝しています。

学生が今後のAA制度に期待することとは

座談会水上:AA制度は理念として、「みんなが自力で合格し法曹になれる土壌を作る」ことを掲げ取り組んでいます。そこでAAは、取り纏め役のアカデミック・コーディネーター(AC)と共に、学生のニーズを汲み上げ相談しながら学修プログラムを作っています。2009年度はゼミの底上げがひとつのテーマ。前期では特に未修1年生に対する支援であり、後期は受験を控えた3年生の支援でした。皆さんご自身の経験から、AAがもっとこうなればいいなというものがあれば、是非おっしゃってください。

茨木:法学部出身は、もともと法律知識があるという過信もあってか、正直言って意外と勉強に苦労する現状があると思います。既修の人に対しても早めの手当があれば転ばずに済むと思うのですが・・・。

水上:2010年度4月からの後期については、科目別のフォローアップだけではなく、伸び悩んでしまった人を対象としたクラスを作ろうと計画しています。既修、未修に関わらず、成績が振るわなかった人たちを救うフォローアップのゼミをやる予定です。

矢上:同じくらいのレベルの人たちと一緒にゼミをするというシステムがあるのはいいですよね。伸び悩んでいる人にとっては、勉強の習熟度の高い人たちと議論することに抵抗もあるでしょうから。同じような悩みを共有しながらみんなでボトムアップを図れるのは良いと思います。

水上:AAが本格的なゼミ活動を始めてちょうど1年が経ちましたが、目に見える効果としては、基礎的な法律知識がシッカリと身についたことが挙げられるようです。それは、学生が早い段階から効率よく勉強できるようになっているからなのではないかと思いますね。

矢上:私の得た経験を伝えることを使命と考え、勉強の仕方や法律文書の書き方を教えるだけでなく、試験に対する心構えや試験前の体調管理の経験などをよく話すようにしています。

伊藤:そういうリアルな経験談をゼミの休み時間など、ちょっとした時に話していただけて、かなり参考になります。

水上:AA制度は、勉強面では効果的な学修を促すことを目的にしていますが、一方でせっかく早稲田ロースクールに来たのだから、立派な法曹になることを目指して欲しいという思いが根本にあります。小手先のテクニックにとらわれたり、司法試験のことを心配し過ぎることをやめて、早稲田の伝統や、先輩後輩のつながりというのを早い段階から意識して、楽しく勉強してもらいたいと思いますね。

AA 水上 貴央(弁護士)水上 貴央

1999年
一橋大学商学部卒業
同年
(株)UFJ総合研究所で経営コンサルタント等を担当
2004年
早稲田大学大学院法務研究科入学[3年標準課程]
2007年
早稲田大学大学院法務研究科修了
同年
新司法試験合格、新61期司法修習生
2009年
青木・関根・田中法律事務所に弁護士として勤務
同年
早稲田大学大学院法務研究科アカデミックアドバイザー

AA 矢上 浄子(弁護士)矢上 浄子

2000年
中央大学法学部卒業
2002年
ニューヨーク州司法試験合格、その後海外の法律事務所に勤務
2004年
早稲田大学大学院法務研究科入学[3年標準課程]
2007年
早稲田大学大学院法務研究科修了
同年
新司法試験合格、新61期司法修習生
2009年
アンダーソン・毛利・友常法律事務所に弁護士として勤務
同年
早稲田大学大学院法務研究科アカデミックアドバイザー

伊藤 圭子(1年生)伊藤 圭子

2007年
慶應義塾大学経済学部卒業
同年
(株)NTTドコモにて法人向け営業業務を担当
2009年
早稲田大学大学院法務研究科入学[3年標準課程]

白木 敦士(2年生)白木 敦士

2009年
早稲田大学法学部卒業
同年
早稲田大学大学院法務研究科入学[2年短縮課程]

茨木 雅明(3年生)茨木 雅明

2007年
早稲田大学法学部卒業
同年
早稲田大学大学院法務研究科入学[3年標準課程]
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