渉外弁護士とは、法曹の中でもクリエイティブな仕事だと思います
Profile
- 2005年
- 東京大学法学部卒業
- 同年
- 早稲田大学大学院法務研究科入学[2年短縮課程]
- 2007年
- 早稲田大学大学院法務研究科修了、同年 新司法試験合格、新61期司法修習生
- 2008年
- 弁護士登録。現在、森・濱田松本法律事務所に弁護士として勤務
大学在学中の私は、バックパックひとつで一人旅をするのが好きで、中東、南米、アジアなどを世界のあちこちに出かけました。国や地域を巡ることで言語や文化、宗教の違いをまざまざと感じるものですが、特に法制度に関しては地域ごとの違いを実感しやすかったうえ、法律と文化とが結びついている地域も多かったため、自然と興味を惹かれ、帰国する度に法を学ぼうという気持ちが強くなりました。その頃から、将来法曹になるとしたら国際的な案件を取り扱う渉外弁護士になりたいと思うようになりました。現在私が所属する法律事務所に入所したのも、弁護士が300人ほど在籍する規模の大きさ故に、希望していた海外案件も多く扱っていたからです。
私は現在M&Aのフロアに配属されていますが、実務の中で仕事の面白さを感じたのは、国も違えば文化や言語、仕組みなどすべてが異なる企業同士が統合するという仕事でのこと。双方を納得させるためには法律や契約の条文だけに留まっていては答えが見つからず、アイデアを以てして合意を形成していくというところに魅力を感じましたね。それはまるでパズルのような作業でしたけれど、私にとっては謎解きのようで非常に面白かったです。渉外弁護士の仕事のクリエイティブさを感じました。
案件を六法の枠だけに縛られず多方面から思考できるようになったのも、早稲田の教育特性から学んだことだと思います。基礎となる土台をきちんと鍛え上げてもらったうえで、様々な立場の先生方や仲間と徹底的に話し込んで勉強したことで、自分の考える力、話す力、幅広い視点で多角的に物事を見る力を自然と修得できたと思っています。