Graduate School of Law早稲田大学 大学院法学研究科

About the School

研究科について

From the Dean

研究科長挨拶

法学研究科における人材養成その他の教育研究上の目的

早稲田大学大学院法学研究科長
尾崎 安央

 わたしたち早稲田大学大学院法学研究科は、1951年に、早稲田大学における新制大学院の1つとして、研究者養成を目的に設置されました。早稲田大学大学院学則には、「高度にして専門的な学術の理論および応用を研究、教授し、その深奥を究めて、文化の創造、発展と人類の福祉に寄与すること」(同1条)という目的が掲げられていますが、本研究科は創設以来、国内外から多くの学生を集め、建学の精神に則り、法律学に係る理論や応用を研究、教授し、多くの研究者や職業的専門家(法曹や公認会計士など)、さらには高度の法律専門知識を有する社会人を育ててきました。日本に限らず世界の文化の創造、発展、人類の福祉に少なからず貢献できたのではないかと自負しています。

2004 年4月、法曹実務家養成をめざす早稲田大学大学院法務研究科が早稲田大学の「ロースクール」として創設されました。そのことは、大学院法学研究科にとって、その存在意義が何かを改めて問う機会となりました。その際、本研究科は、研究者養成大学院としての使命を再認識し、これまで同様に、多くの研究者を養成し、留学生・社会人を含めた多くの大学院生に、法律学に関する、学部教育よりも一歩進んだ高度な専門的理論や応用の教授し、将来の研究者を養成することの意義を再確認しました。

そして、わたしたちは、これまでの法学研究科の研究者養成のための教育課程を見直ました。法学研究科内部での真摯な議論を経て、2008 年度より、研究者志望の学生を対象に、原則として、修士(博士前期)課程2年と博士後期課程3年を一貫させた博士課程5年の教育システムを採用しました(MD一貫教育)。もちろん、法学研究科は、2年の修士課程で修了することも可能であり、法学修士の学位をもって社会で活躍されている方もたくさんおられます。しかし、研究者を志望する学生にとっては、博士学位の取得はきわめて重要です。本研究科では、上述のように、MD一貫教育を含め、課程博士号を取得するうえでの「コースワーク・システム」(教育指導システム)を採用し、指導教授を含む複数の教員が共同指導チームを構成して、研究指導、論文作成指導を行い、学位論文審査に至る各段階の有機的なつながりを明らかにしました。これは、学生の皆さんにとっても、どのようにして博士学位を取得できるかの道筋がはっきりと把握できるメリットがあります。ちなみに、この教育システムは、2006年度から2年間の文部科学省「『魅力ある大学院教育』イニシアティブ」(本研究科課題は「法理論創造時代における法学研究者養成」教育プログラム)と、それに続く2008 年度からの「組織的な大学院教育改革推進プログラム」(本研究科課題は「法学研究と法律実務の統合をめざして」)に採択されました。このプログラムは、コアの部分は維持しつつ、よりよきものにするため更新されています。繰り返しになりますが、本研究科は、様々な分野でリーダーシップを発揮する高度な人材を戦略的に輩出していくために、体系的・組織的な研究・教育指導体制を整備し、質の保障された教育を充実・強化させていくという課題に取り組んでいます。

見直しの成果といってよいのかどうかですが、研究者のスタート地点に立ったことを客観的に示す「博士(法学・早稲田大学)」学位の取得者に大幅な増加がみられます。以前と同じように、本法学研究科出身の研究者教員や研究所の研究員となる者がコンスタントに生まれています。新たなスタートは、多くの果実を生み出す契機になったと考えられます。

法学研究科はまた、本学の法務研究科との連携を図り、法務研究科の授業を主として担当する法学学術院専任教員にも法学研究科で授業を担当し、また実質的な研究指導も行っています。特に博士後期課程では、主たる指導教授として法学研究者養成に重要な役割を果たしていることも、ここに強調しておきたいと思います。法務研究科の修了生に対しても、同研究科修了後法学研究科博士後期課程に進学して研究者の道を歩むことができるルートを設け、また法務研究科終了後司法試験に合格した者の中から特に優秀な者をただちに法学学術院の助手・助教に採用し、その後の厳正な手続を経て法学学術院の専任教員に登用するルートも用意されています。これは、総合大学の良さといえるかと思いますが、法学学術院全体の法学研究・教育における一体性をぜひともご理解ください。

最近の新たな取組みの1つが先端法学専攻(LL.M.コース)の誕生です。2018年より、知的財産法LL.M.コースと、英語での授業を行う現代アジア・リージョン法LL.M.コースが設けられました。いずれも1年間のコースですが、知財の専門家、アジア法制の専門家を育てることを目的としています(取得できる学位は「修士(先端法学、早稲田大学)」です)。

早稲田大学大学院法学研究科の使命が第一に研究者養成であるとしても、高度の研究能力を備えた専門の職業人の養成も同じくらい重要な使命であると捉えています。これから社会人になっていく人も、すでに社会人である人も、ともに高度の研究能力と専門知識を有して活躍するうえで、大学院教育が重要であると考えられます。

本研究科では、1994年に「企業法務と国際化」という形で「特定課題」方式の社会人向け修士課程を創設しました。現在は5つの社会人研究課題を修士課程に開設し、多くの社会人が正規学生として研究に励んでいます(修士論文に合格すると、修士(法学・早稲田大学)の学位が取得できます。)。社会人の方は、修士課程修了で社会に戻られることが多いのですが、なかには博士後期課程に進学され、博士学位を取得し、現在は大学教授という方も少なからずおられます。社会人は、一般の学生と同様に通常の修士課程に入学することもできますが、「特定課題」というテーマ設定のもと、このテーマ関連として設置されている科目を履修し(もとより、通常の修士課程向けに設置された科目も履修することができます)、その領域を専門とする本学専任教員だけでなく学外の専門家をも交えたティーチングチームをもってなされる教育プログラムは、本研究科の社会人教育の特徴の1つです。加えて、現役の法曹(裁判官、検察官、弁護士)の博士後期課程への編入を認めていることも特筆すべきことかもしれません。現に、裁判官で博士号を取得されたケースもあります。

本法学研究科の受入学生数、教員数、設置科目数のいずれにおいても、法律系大学院として日本で最大規模を誇ります。しかし、個々の研究指導は細やかになされていて、指導教授と学生の関係も、厳しい中にも親密です。細かく指導する師弟関係という長きにわたって形成されてきた伝統の良さと新たに導入された体系的な教育システムとがみごとに調和している、これがわたしたち法学研究科なのです。

法学研究科は「グローバル・ハブ大学院」となることを目指しています。法学研究科に入学するとすぐに、留学生が多数在学していることに気づくと思います。国際交流という面においても、海外の著名大学と箇所間協定を結び、本研究科から海外の大学・大学院に留学する学生もいます。バックグラウンドが多様な者との交流は、ときに素晴らしい化学反応を起こします。在学生にとって、異なったタイプの学生と互いに切磋琢磨し刺激しあって研究できるということは、理想の研究環境ではないでしょうか。それが本研究科には整っています。早稲田大学大学院法学研究科での大学院生活を送ってみませんか。わたしたち教員・職員は、皆さんの入学を待っています。

Page Top
WASEDA University

早稲田大学オフィシャルサイト(https://www.waseda.jp/folaw/glaw/)は、以下のWebブラウザでご覧いただくことを推奨いたします。

推奨環境以外でのご利用や、推奨環境であっても設定によっては、ご利用できない場合や正しく表示されない場合がございます。より快適にご利用いただくため、お使いのブラウザを最新版に更新してご覧ください。

このままご覧いただく方は、「このまま進む」ボタンをクリックし、次ページに進んでください。

このまま進む

対応ブラウザについて

閉じる