Graduate School of Letters, Arts and Sciences早稲田大学 大学院文学研究科

その他

「学び」が「仕事」につながる楽しさ(日本語日本文学コース:根本育実さん)

私が日本語日本文学コースを志望した理由

学部生の頃から後の指導教授となる池澤一郎教授主宰の学生研究会に参加し、大学院生の発表などを聴講する中で、自分も近世文学(江戸時代の文学)についてより深く勉強したいと思い、大学院(日本語日本文学コース)への進学を志望するようになりました。

私は小さい頃から落語をはじめとする日本の伝統芸能に興味がありました。また古典文学にも興味があったため、大学は人文学系の学部に進学したいと考えていました。大学受験の際に「早稲田は近世文学に強い!」という話を耳にし、早稲田大学への進学を決めました。そこで上記の研究会に参加する中で、近世文学への興味を次第に強めていき、大学院進学を決意した次第です。

日本語日本文学コースの雰囲気、教員・学生などとの交流

コースは非常に穏やかな雰囲気です。専攻する時代によって差はあるものの、コース自体がそこまで大きくないため、教員と学生との交流は比較的行われている方なのではないかと思います。国文学会の研究発表会では、他の時代の先生方からもご意見をいただくことができます。また普段の学生生活の中でも他の専攻分野の学生と交流する機会もよくあります。

研究にかけた思い

私が勉強した「戯作(江戸時代後期に庶民の間で読まれた小説や漫画)」には、三味線音楽の詞章の一節が引用されたり、歌舞伎のあらすじや一場面がそのまま用いられるなど、戯作と同時代の芸能が様々な形で利用されています。現代でも、ある漫画が大ヒットするとそれがアニメとなり、映画となり、コラボ商品が生まれ……というようなことがありますよね。それと同じように、「文学」や「演劇」といったジャンルの垣根をこえたコラボレーションが江戸時代にも行われていたわけです。私は上にも記した通り、元から芸事に強い興味を抱いていたため、そうした現象を面白いと思うと同時に、当時の読者と同じように作品を楽しむためには作中の同時代芸能も無視することはできない、と考えて勉強していました。

修了後、修士課程での生活を振り返って

自身の修士課程を振り返ると、ひたすら「勉強不足」の一言に尽きます。ただ、現在携わっている歌舞伎の制作では、私がこれまで勉強してきた近世文学とも関連する事項が多く、仕事をしていく中で大学院時代に学んだことが出てきたり、あるいは新たな知識を得ることがあります。これは他の職業ではなかなかできないことだと思います。自分の「学び」が「仕事」につながっていくのはとても楽しく、喜ばしいことですね。

プロフィール

東京都出身。早稲田大学文学部日本語日本文学コース卒業後、早稲田大学大学院文学研究科日本語日本文学コースに進学。在学中は近世後期の戯作文学を中心に研究。また早稲田大学坪内博士記念演劇博物館にアルバイトとして勤務。修士論文の題目は「近世後期戯作文学における諸芸能の利用-山東京伝を中心として-」。現在は独立行政法人日本芸術文化振興会 国立劇場制作部において歌舞伎公演の制作に従事。

(2021年2月作成)

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