Graduate School of Japanese Applied Linguistics早稲田大学 大学院日本語教育研究科

Open Lectures

公開講座

Public Lecture

日本語教育学公開講座「21世紀の日本語教育学へ」

近年のあわただしい国際化の中で、外国人のための日本語教育も確実に大きく変容しつつあります。この講座では、その現状と歴史を踏まえつつ、社会・文化とのかかわりやICT(Information and Communication Technology)を利用した教育も視野に入れて、21世紀の日本語教育への展望を早稲田大学から提案いたします。

これから日本語教育を学んでみようという方々を対象に、「外国語としての日本語指導」を中心に、広くことばと教育の問題を考えていきます。日本語学・日本語教育学の基礎を習得しようとお考えの方にとっては、早稲田大学日本語教育研究科の教授陣による「日本語教育学公開講座」は、最適の講座といえます。ぜひ、一度受講してみませんか?

  • 受講対象
    日本語・日本語教育に関心があり、主にこれから学習を始めようとしている方。学生の方や、現職の日本語教師の方、地域で日本語授業ボランティアをされている方、大学院進学を考えている方など、どなたでも歓迎です。
  • 授業期間
    春学期:2018年4月7日~2018年7月14日 土曜日12回
    秋学期:2018年9月29日~2019年1月19日 土曜日12回
  • 授業時間
    10:00~12:15(休憩:11:00~11:15)
  • 募集定員
    150名

講座日程・内容

 第1.2回 「移動する子ども」とことばの日本語教育 川上 郁雄
4月7日
4月14日
現代は「移動する時代」と言われています。大量の人々がさまざまな理由で国境を越えて移動する時代という意味です。その理由も、労働、移住、留学、研修、観光、結婚、離婚など多様化しています。ただし、これらはすべて大人の理由です。つまり、大人は自分の目的によって移動しますが、それにともなう形で、家族、特に子どもたちが移動を繰り返しています。私はこのような子どもを「移動する子ども」と捉えています。「移動する子ども」の視点から、子どもの日本語教育を、そして、日本語教育全体を捉え直したいと思います。
〔課題図書〕
川上郁雄編『「移動する子どもたち」と日本語教育―日本語を母語としない子どもへのことばの教育を考える―』(明石書店 2006)、川上郁雄編『「移動する子どもたち」の考える力とリテラシー―主体性の年少者日本語教育―』(明石書店 2009)、川上郁雄編『海の向こうの「移動する子どもたち」と日本語教育―動態性の年少者日本語教育学―』(明石書店 2009)、川上郁雄編『私も「移動する子ども」だった―異なる言語の間で育った子どもたちのライフストーリ―』(くろしお出版 2010)、川上郁雄『「移動する子どもたち」のことばの教育学』(くろしお出版 2011)、川上郁雄編『「移動する子ども」という記憶と力―ことばとアイデンティティ』(くろしお出版 2013)
 第3.4回 新しい日本語教育の展開 宮崎 里司
4月21日
4月28日
日本語教育の現場で教え、さまざまな問題意識をもつ日本語教師やこれから日本語教育を学びたい方々を対象に、現在および明日の日本語教育を、学習ストラテジー、インターアクション能力、外国人問題、多文化共生などといったキーワードで考えていきます。さらに、外国人力士など、ユニークな日本語学習者の事例を取り上げながら、効果的な日本語習得についても考察します。
〔課題図書〕
『日本語教育と日本語学習:学習ストラテジー論にむけて』(くろしお出版1999共編著)、『外国人力士はなぜ日本語がうまいのか』(明治書院2006新装版)、『言語研究の方法:言語学、日本語学、日本語教育学に携わる人のために』(くろしお出版2002共編著)、『ことば漬けのススメ』(明治書院2010 第2回国際理解促進優良図書優秀賞)、『世界の中のオーストラリア―社会と文化のグローバリゼーション』(2012共著)
 第5.6回 日本語教育と教室デザイン 舘岡 洋子
5月12日
5月19日
日本語の教室ではさまざまな背景や目標を持った人々が、日本語学習に取り組んでいます。彼らは何をどのように学んでいるのでしょうか。そこでは、教師が教え、学習者が学ぶという一方向的な学びだけではなく、学習者自らが参加し、教師や他の学習者、さらには学習者を取り巻く社会環境と相互作用をする中で多様な学びが生まれています。同時に自己との対話という内なる相互作用もおきているのです。日本語を学ぶとはどういうことか、教室とは何をするところなのか、教師の役割は何かということを一緒に考えていきましょう。
〔課題図書〕
舘岡洋子『ひとりで読むことからピア・リーディングへ―日本語学習者の読解課程と対話的協働学習』(東海大学出版会 2005)、池田玲子・舘岡洋子『ピア・ラーニング入門―創造的な学びのデザインのために』(ひつじ書房 2007)、 『協働で学ぶクリティカル・リーディング』(ひつじ書房 2015)、舘岡洋子編『日本語教育のための質的研究入門』(ココ出版 2015)
 第7.8回 初級課程の教授法を考える 川口 義一
6月9日
6月16日
この講義では、仮名の読み書きから始まる早稲田大学の初級のコースが300時間近くの集中講座を終わるまでにどのようなことが、どのように教えられていくかをご紹介します。その中で、どのような教授法が使われ、それがどのような効果を挙げているかもご説明します。また、そのような教授法の背景にある教授法理念とはどのようなものか、そして、そのような教授法を使用することは、日本語教育の本質とどうかかわるかという問題にも言及します。

早稲田大学名誉教授

 第9.10回 多様な学習者と日本語教育 池上 摩希子
6月23日
6月30日
私たちの周囲には、日本語を第一言語としない人たちがたくさん暮らしています。その人たちは「日本語学習者」という一言では語りきれない多様な状況の中で、生きるためにことばを使っています。地域の状況とそこで生活する学習者の状況を考えながら、「日本語を教える」ということについても、改めていっしょに考えてみましょう。
〔課題図書〕
日本語教育学会『外国人に対する実践的な日本語教育の研究開発」(「生活者としての外国人」のための日本語教育事業)』(日本語教育学会2009)
*講義を聞いて興味をもたれた方、是非、手にとってみてください。関心のある部分だけでも読んでみると、理解が深まると思います。
 第11.12回 日本語教育を研究する意味 細川 英雄
7月7日
7月14日
あなたは、日本語を教える「実践」とそのための「研究」についてどのように考えていますか。「日本語」を教えるために「研究」は必要でしょうか。もし必要だとしたら、「日本語教育」を研究するということは、どのようなことなのでしょうか。ここでは、日本語教育と研究の関係を、個人と社会の観点から捉え、受講の皆さんとともに考えることとします。 日本語教育における研究の意味という課題によって、受講の方々も、テーマを持つこととは何かという問いと向き合うことになるでしょう。

早稲田大学名誉教授

〔課題図書〕
細川英雄『研究活動デザイン―出会いと対話は何を変えるか』(東京図書 2012)
*講義の内容をより深く理解していただくために、課題図書として使用します。

 

第1.2回 日本語の音声と音韻 窪薗 晴夫
9月29日
10月6日
日本語の音声は、音声学、音韻学、聴覚心理学など複数の学問領域で研究されていますが、今なお未解決の問題が多い分野です。この講座では、そのような謎をいくつか紹介した上で、詩歌や話し言葉のリズム、清音と濁音の区別、オノマトペ(擬音、擬態語)、イントネーションなどを中心に日本語の音声特徴を分析し、その背後にある一般的な原理を解説します。あわせて日本語教育における留意点を検討して見ます。

早稲田大学非常勤講師
国立国語研究所教授

〔課題図書〕
田中真一・窪薗晴夫『日本語の発音教室』(くろしお出版 1999)
第3.4回 日本語の語彙 小宮 千鶴子
10月13日
10月20日
単語の集まりを語彙といいますが、この講義では、まず、日本語の語彙について基礎的な理論を学び、日本語学習者が学ぶ必要のある語彙とは何かについて考えます。次いで、日本語教育の初級および中級における語彙指導の方法について紹介します。  
〔課題図書〕
秋元美晴『日本語教育能力検定試験に合格するための語彙』(アルク 2010)、白井恭弘『外国語学習の科学』(岩波新書 2008)、今井むつみ・針生悦子『言葉をおぼえるしくみ』(ちくま学芸文庫 2014)
第5.6回 日本語の文法 小林 ミナ
10月27日
11月10日
日本語教育を「コミュニケーション」と「言語」「文法」というキーワードから考えます。「日本語を学ぶ」というのは、教科書の文法記述や教師の文法説明を丸暗記して再生するだけの受動的・静的な営みではなく、周囲の日本語をリソースとして取りこみながら、頭の中に「日本語の体系(=文法)」を自ら構築していく、きわめて能動的・動的な営みです。コミュニケーションを支える一要素として言語・文法を見直し、そのような営みを支援するため研究、教育について考えます。
〔課題図書〕
野田尚史編『コミュニケーションのための日本語教育文法』(くろしお出版 2005)
第7.8回 日本語の待遇コミュニケーション 蒲谷 宏
11月17日
12月1日
「待遇コミュニケーション」というのは、従来の「待遇表現」を発展させたもので、「人間関係」や「場」に応じて使い分けられるコミュニケーション行為のことです。特に「敬語コミュニケーション」を中心に、日本語の大きな特色になっており、日本語教育においても、「待遇コミュニケーション」をどう捉え、どう教え・学ぶかということは、大きな課題になります。ここでは、そうした「待遇コミュニケーション」の研究・教育に関する基本的な点について考察していきたいと思います。
〔課題図書〕
蒲谷宏『待遇コミュニケーション論』(大修館書店 2013)
*講義前に読んでおくと、講義内容がより深く理解できると思います。
第9.10回 日本語教育と評価 李 在鎬
12月8日
12月15日
体重を測りたい時には体重計を、身長を測りたい時には身長計を使うのと同じように、能力を測りたい時はテストを使います。しかし、能力は身長や体重と違って目に見えません。目に見えない能力、特に言葉の能力を測るために、日本語教育の現場では、どんな方法を使っているのか、そして、どんな条件を満たした時、それが良いテストであると言えるのかについて考えていきます。  
〔課題図書〕
李在鎬編『日本語教育のための言語テストガイドブック』(くろしお出版 2015)
第11.12回 世界の日本語教育 福島 青史
1月12日
1月19日
日本語教育は日本だけでなく、世界の様々な地域で行われており、その目的も内容も様々です。この講義では「言語政策」「市民性育成」「文化間能力」「移民」「CEFR」などをキーワードに移動の時代における世界の日本語教育について議論したいと思います。   
〔課題図書〕
「言語政策理論におけるブラジル日系人の日本語教育の諸論点」『複言語・複文化時代の日本語教育』(凡人社 2016)、「「共に生きる」社会形成とその教育−欧州評議会の活動を例として」『異文化間教育とは何か』(くろしお出版 2015)

受講料・お申込み方法

受講料(教材費を含む)

  • 年額:90,000円(在学生は25,000円)
  • 春学期のみ:50,000円(在学生は15,000円)
  • 秋学期のみ:50,000円(在学生は15,000円)

※在学生:早稲田大学の学部・大学院・日本語センター・芸術学校に受講年度に在籍している方。

お申込み方法

1.オンラインレジストレーション
  • こちらの申請フォームから画面の案内に従って、個人情報を入力してください。
  • 大学院日本語教育研究科より受講料の「振込用紙」を郵送します。
2.受講料の振込
所定の振込用紙に氏名、住所をご記入の上、銀行窓口からお振り込みください。

  • ATM、インターネットからの納入はできません。
  • 一度お支払いただいた受講料は原則として返金できませんので、ご了承ください。
  • 受講料振込後、銀行の収納印を確認し領収書のコピーを受け取ってください。
  • 開講直前(開講2日前および前日)に振り込んだ場合は、講座初日に「領収書のコピー」を持参してください。※3日前までに振り込んだ場合は、持参不要です。
3.申込手続完了

受講生の声(受講体験記)

受講生は、20歳代から60歳代の方まで、学生、会社員、主婦、現役の日本語教師、各種教員まで幅広い層の方々が、それぞれの目的に従い、本講座を受講されています。受講体験者の声をご紹介します。

自分の授業で活用
私は現職の公立中学校教員です。日本語教師への転換をめざして受講しました。この講座は、日本語教育学研究の現状と課題を把握するのには最適の講座だったと思います。多文化共生社会が進行している現状にあって、小・中・高の教員養成課程にこのような講座を設けるべきだと思いました。最も役立ったのは、「子どもの日本語教育」(川上先生)の日本語を母語としない子供たちの日本語教育を捉えるための「バンドスケール」です。実際に私の学校で活用させていただきました。また、「日本語教育と教室デザイン」(舘岡先生)の「ピア・リーディング」からは発想法、授業法等多くのことを学びました。私の授業に応用させていただきました。「社会・文化と日本語教育」(細川先生)では、日本語教育のパラダイムの転換を学び、刺激的な授業でした。
日本語教師として・・・
日本語教師として数年仕事をしてきましたが、公開講座は基本をおさえつつも日本語研究の最新情報を知ることができ、とても有意義な時間をすごすことができました。おかげで大学院の試験にも合格することができました。幅広い層の方に対応できる講座だと思います。
日本語に対して新たな興味が・・・
1年間の講座で日本語に対して持っている疑問がかなり解決され、また新たな興味がわいてきます。これが終わりでなくここを出発点として、もっと知りたいと思うようになりました。ことばは文化といいますが、本当に奥深いものですね。
講義後の「質問表」が教授陣とのパイプに・・・
定年退職後、地域の日本語教室でボランティアとして教えています。このたび、海外の大学で、日本事情を教えることになりまして、この公開講座を受講することにしました。講義内の「質疑応答」で直接質問することができますが、講義終了後の「質問表」でも、講義とは離れた問い合わせにも、教授陣が懇切丁寧に答えてくださいます。充実の講義にすっかり自信がつきました。
日本語教育の研究領域を知る・・・
一口に「日本語教育」といってもミクロ的な研究からマクロ的な研究まで、様々な領域があり「えっ、こんな面白いことを研究している人もいるのか!」と驚かされることが度々ありました。この講座では一通りの領域を広く浅く学べるので、日本語教育の中でもどの分野を研究すべきか定まっていない人に参考になると思います。
日本語教育関連イベントの紹介
すべての講座で、テーマごとに体系的に整理できて有意義でした。現場をよくご存知の先生方の講義なので、現状にも則しており、また最新の研究成果を盛り込んだ内容でした。日本語教育の関連イベントや学会などの情報もご紹介いただき、大変参考になりました。

パンフレット

2018パンフレット・デジタル版

上記をクリックすると、パンフレットのデジタル版をご覧いただけます。

ご請求はこちらの申請フォームから

紙媒体のパンフレットをご希望の方は上記フォームに必要事項をご入力ください。郵送にてお送りいたします。

お知らせ

早稲田大学中央図書館の利用

公開講座授講期間中は早稲田大学中央図書館をご利用いただけます(貸出不可、閲覧のみ)。図書館利用の際は公開講座受講証をご提示ください。図書館の開室時間は、中央図書館のホームページでご確認ください。

受講証明書の発行

各コース終了後、受講証明書を発行します。

懇親会

各学期の終了時に、講師と受講生のみなさんとの懇親会を開催します。

Page Top
WASEDA University

早稲田大学オフィシャルサイト(https://www.waseda.jp/fire/gsjal/)は、以下のWebブラウザでご覧いただくことを推奨いたします。

推奨環境以外でのご利用や、推奨環境であっても設定によっては、ご利用できない場合や正しく表示されない場合がございます。より快適にご利用いただくため、お使いのブラウザを最新版に更新してご覧ください。

このままご覧いただく方は、「このまま進む」ボタンをクリックし、次ページに進んでください。

このまま進む

対応ブラウザについて

閉じる