人間科学学術院は、創立150周年(2032年)を見据えた、将来構想を策定しました。 これらは人間科学学術院の構想段階のものであり、大学として決定したものではなく、今後議論を深め、必要性と適切性が認められるものについては、正規の手続きを経て順次開始していきます。
人間科学学術院は、人間科学部創設から20周年記念の節目の年にあたり、創設10周年に際して草された人間科学部宣言の精神を継承するとともに、新たに掲げた研究・教育の理念を加えた人間科学学術院宣言を草して、ここに学術院の信念を表明するものである。
- 人間科学学術院は、人間がより心豊かに、より健康的に、より幸せに生きるためには何を成すべきかを志向した研究・教育を重んじる学術院として、その創造性と独自性を発展させることを宣言する。
- 人間科学学術院は、調和と均衡を重んじ、確かな学識に裏打ちされた心豊かな人材の育成を目標とするとともに、学際的かつ系統的に構成された人間科学の研究・教育をもって人類の幸福に貢献することを宣言する。
- 人間科学学術院は、地球市民として、未来の人びとと自然を愛し、人間以外の生物とも共生可能な人類社会の発展に資する研究・教育を推進することを宣言する。
- 人間科学学術院は、多様性を重んじる学術院として、情報化社会における人類相互の理解と平和および国際性の発展に寄与する人材育成のための研究・教育を実現することを宣言する。
- 人間科学学術院は、以上の使命を日常的に点検し、その成果を研究・教育に誠意をもって活かすことを宣言する。
2007年12月
早稲田大学人間科学学術院教授会
人間科学部は、久遠の理想をかかげる早稲田大学100周年記念事業の一環として1987年4月に創設され、今日に至っている。科学の研究・教育と人類社会の真の調和を希求するというその創設の理念を踏まえ、過去を厳粛に省みて未来に誠実に対応するため、ここに人間科学部宣言を草して、学部の信念を表明するものである。
- 人間科学部は、現代が科学技術と実生活との広く深い関わりから成り立っている時代であると認識し、人間科学の研究およびその教育が、同時代の人びとのみならず、未来に生きる人びとに対しても重大な責任をもつ実践であると自覚している。したがって、人間科学部は人間科学の研究とその成果が人類の幸福増進に貢献することを願い、これへの背反は断じて行わないことを宣言する。
- 人間科学部は、人間科学の研究が人類の幸福に貢献することを願うゆえに、時代の 要請を真摯かつ積極的に受けとめ、現実的な対応において、学部の創造性と独自性を発揮することを宣言する。
- 人間科学部は、生命、生活、生涯の連鎖を自らの実践においてとらえ、学部をあげて協同、共生できる人間環境の創造に邁進することを宣言する。
- 人間科学部は、人間科学の研究と教育を通して、地域社会から世界へつながり、そこから立ち上がる学問研究への期待を直接的かつ双方向的に吸収する姿勢に積極的な意義を認め、そして実生活における見識が人間科学の研究と教育に有効に機能できる拠点を、そこに確保することを宣言する。
- 人間科学部は、以上の宣言を日常的に点検し、その成果を研究・教育に誠意をもって活かすことを宣言する。
1997年5月
早稲田大学人間科学部教授会