enpaku 早稲田大学演劇博物館

日本演劇 — 近世 歌舞伎

Sketchbooks of Wigs for the Kabuki Plays by Matsuda Seifu

松田青風筆 『鬘スケッチブック』(まつ だ せい ふう ひつ かつら)

 

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撮影=筒口直弘氏/芸術新潮

縦27.3×横18.3cm他

その半生を鬘の研究に捧げた、松田青風(1892~1941)のスケッチブック。鏑木清方門下の青風は、1914年頃から劇場の床山部屋に出入りし、舞台で使用される鬘をひとつひとつ、淡彩を施しつつ丁寧に写生し続けた。数百種にも及ぶ歌舞伎の鬘は奥が深く、また役者の好みをも反映するのでその記録は気の遠くなる作業であり、青風の残したこれらのスケッチは類例をみない成果といえる。完成後は演劇博物館へ収めるという生前の希望通りに、1949年に未亡人により寄贈された。