enpaku 早稲田大学演劇博物館

日本演劇 — 近世 歌舞伎

Kamakura-ogi Used by Ichikawa Danjuro IX in Takatoki

9世市川団十郎使用 「高時」鎌倉扇(せい いち かわ だん じゅう ろう し よう たか とき かま くら おうぎ)

 

kamakuraogi_ms_1
 
kamakuraogi_ms_2

全長32.0cm

9世市川団十郎(1838~1903)は7世の5男、明治の劇聖と称えられる名優であった。役の心理に重点を置き、古典作品の演出を見直すとともに、明治の新時代にあるべき歌舞伎の改良を模索し続けた。そのひとつが有職故実に従っての歴史劇(のち評論家が「活歴」と揶揄した)である。「高時」は明治17年(1884)11月東京猿若座初演、団十郎は天狗から権勢を嘲弄される北条高時を演じた。故実にならい5つ骨の鎌倉扇を用いている。