enpaku 早稲田大学演劇博物館

日本演劇 — 近世 歌舞伎

Shamisen with the Inscription "Kikugo"

銘「菊五」の三味線(めい きく ご しゃ み せん)

 

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全長95.1cm

中子先に銀で16弁の菊花の象嵌があり、その中に「五」と刻まれている。伝説では、青木という旗本が越前永平寺の床柱で8挺の三味線を作らせ、それぞれ「一」から「八」までの象嵌を施したという。そのうちの第5号ということになるが、菊五以外の伝来はきかない。三味線棹としては最高級品である紅木で作られ、胴はカリン、糸捲は黒檀製。駒と撥が失われているが、名器として疑いない。杵屋六四郎家から特に許されて杵屋三太郎に譲られ、のち昭和5年(1930)当館に寄贈された。