石田 光義 専任教授 (いしだ みつよし)

 この大学院は、これまでの日本の大学院にない分野を扱っていますが、演習や研究指導でも新しい方法を取り入れています。教員が「教え込む」のではなく、学生が主体的に学ぶ事ができるシステムになっているのです。早稲田大学は、「実学」を重視した建学の精神を持ち、「グローカルユニバーシティ」の実現を目標としています。この理念に則った専門職大学院で、リーダーシップを備え先頭を切り拓いていけるような「地球市民」を目指してください。

●経歴

1969年早稲田大学第一政治経済学部政治学科卒業
1974年同大学大学院政治学研究料博士課程単位取得退学
早稲田大学理工学部、商学部、政治経済学部で非常勤講師、同大学社会科学研究所、政治経済学研究所の特別研究員等を務めた
1988年より政治経済学部専任講師。同学部助教授を経て1995年より教授
この間、比較法研究所、アジア太平洋研究所等の研究員も兼務
政治経済学部学生担当教務主任、教務担当教務主任、早稲田大学入学センター長なども歴任している

●担当科目

「憲法政策演習」(演習科目)

 21世紀の到来は、新しい立憲主義時代の幕開けでもある。2世紀前に、アメリカ合衆国憲法やフランス人権宣言によって切り開かれた成文憲法の歴史は、大きな変換期にさしかかったのである。福祉国家の行き詰まりや、社会主義体制の崩壊などにその証左をみることができる。それは、近代立憲主義を支えてきた、近代的合理主義の行き詰まりを意味することにもなろうか。そこで、本演習では、新立憲主義の理念の整理を行い、それにふさわしい憲法構想を探り、あるべき憲法像を提示すべく多様な考察を行う。

「憲法政策A」(選択科目)

 社会科学の先祖がえりとでもいえるような、大きくかつ根本的な転換期が訪れている。法治主義がよりどころとした実証主義の硬直化、自由主義がよりどころとした功利主義の見直しが避けられないのである。ポストモダーンが唱えられ、それは、むしろモダーンの原点をさらにさかのぼって、回帰への方向性を示してさえいる。そのためにも、近代立憲主義の特質をまず整理しておく必要があろう。政府権力の制限を目的とし、基本的人権の保障を要請した、近代的憲法下での憲法政策の特質を整理し考察したい。

「憲法政策B」(選択科目)

 21世紀立憲主義を展望し、新立憲主義時代の課題といえる、アイデンティティの確立と多様性の調和を旨とする憲法のあり方を考察する。そこでは、一般性や普遍性に基づく基準ではなく、目的と手段、全体と個が相対的に結びつくものとされる。総ての人びとが出発点とすることができる正義の基準を策定し、歴史的、社会的個人がいかにして人間の尊厳を受け容れるべきかを示す道徳律の涵養の道を求める必要があろう。すべて相対的であるべき憲法政策のあり方を探り、生きた憲法生活を送るための課題を整理し考察したい。