WiAS newsletter  
研究所の活動内容や研究成果をHTMLメールで配信いたします。 Vol.7 (2014春号)
 
【1】研究者紹介
地球と生き物がそのまま見える場所 南極での湖沼研究(田邊 優貴子 助教)
【2】プロジェクト紹介
比較文明史(人文科学分野)
【3】所友探訪
齋藤 隆志 先生(明治学院大学経済学部 准教授)
【4】インフォメーション
主な研究員転出先
 
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 研究者紹介
地球と生き物がそのまま見える場所 南極での湖沼研究
田邊 優貴子 助教
 
   南極大陸の露岩域(氷床から岩肌が露出している地帯)には、多様な湖沼が数多く存在しています。これら湖沼は最終氷期が終わった後、数万年前に氷床が後退して無生物状態からスタートしました。南極湖沼の多くは河川や集水域によって繋がったものはほとんどなく、近接し合う湖は同一の時間をかけ、同一の気候条件のもとで生態系が構築されてきたわけですが、湖ごとに独立したシステムが成り立っています。まるで、湖一つ一つが地球規模の実験場になっているようなものと捉えることができるのです。
 剥き出しの岩肌に囲まれ、湖底まで透き通る水をたたえた南極の湖は、荒々しくも神秘的な雰囲気を漂わせています。
 

 南極であれ日本であれ、湖に行くと、広い水面に浮かぶ鳥や夕日が反射する湖面を見ることができますが、よく考えてみると、普段私たちが眺めているのは湖面、湖岸や水面上のものであって、水面下の世界を見ることはほとんどできません。ところが、不思議の国のアリスのように、水面のふたの下にはもう一つの広い空間が隠されています。そしてそこは、湖の中の生物たちにとって、一つの独立した世界なのです。水中の生物たちは、陸上とは大きく異なる季節変化の中で、それぞれが様々に関わり合いながら一つの世界を創り上げ、生活を営んでいます。水面の下にはどんな世界が隠されているのか。陸上の世界とどんなに違っているのか。どうやって生物が侵入し、適応・進化し、生態系が築き上げられたのか。そんな地球史にわたる自然と生命の謎に迫るべく、南極湖沼というフィールドをモデルにして、野外調査・実験・理論の側面からの複合的なアプローチによって生態学的・地球科学的な研究に取り組んでいます。
プ ロジェクト紹介
 
比較文明史(人文科学分野)
 
当プロジェクトは、ヨーロッパが作り上げた歴史の分析理念の有効性を、宗教史、思想史、美術史といったジャンルをも包摂しつつ、異なる地域の比較を通じて明らかにし、新しい世界史像、文明史像を早稲田から国際的に発信することを目指しています。なお、2014年度からは、『新しい世界史像の可能性』として研究活動を進めていきます。
 
 
2013年10月21日( 月)
アジアの水利問題と国家・社会④
水利から見た共同体と国家

企画者:海老澤 衷(文学学術院・教授)、飯山 知保(高等研究所・准教授)
中国古代から中世の華北地域、そしてジャワ島における講演者3名の調査を紹介したうえで、水利と文化的景観、そして関連する研究の動向についてそれぞれ報告を行い、それに基づいて議論を行いました。水利施設およびそれをとりまく景観の歴史的変遷に関する関心は、水資源をとりまく現今の諸問題の顕在化とともに増大しています。本セミナーでの議論は、歴史学および文化人類学の観点からの提言でした。

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2014年1月24日(金)
中世宗教文明圏の美術と建築④
ビザンティン壁画とイスラーム工芸

企画者:益田 朋幸(文学学術院・教授)、鎌田 由美子(高等研究所・助教(当時))
佐々木淑美氏(東京文化財研究所、学振PD)には、ハギア・ソフィアのモザイク修復にあたっての技術的な問題点、各国の修復チームとトルコ政府の方針との折り合いの取り方などについてご報告いただきました。また、『真珠の世界史』の著者である山田篤美氏(歴史研究者・美術史家)は、ムガル朝のジュエリーのなかに、ルネサンス期の「ホルバネスク・ジュエリー」と類似しているものがあることを指摘され、その背景としてムガル朝とヨーロッパ諸国との外交・貿易上のつながりを論じられました。

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 所友探訪
 
本研究所の研究員を経て、大学や企業で活躍されているOB・OGの方を紹介します。
 
 
齋藤 隆志 先生  
(明治学院大学経済学部・准教授)

 私の専門は労働経済学、企業経済学です。主に、事業の再組織化や人事制度の改革など企業の様々な行動が、従業員の満足度や生産性にどのような影響を与えるかについて、日本の企業やその従業員のデータを用いて研究しています。
 このテーマに関心を持ったきっかけは、1990年代半ば以降、日本企業、中でも株式市場に上場している大企業の行動が大きく変容してきたことにあります。「選択と集中」で事業部や子会社を売却するなどして切り離すような事業の再組織化を行い、そして従業員を大幅に削減したり、成果主義賃金制度を導入したりするなど人事制度の改造にも踏み切りました。背景には、長期不況や少子高齢化などを原因とした日本のマクロ経済のパフォーマンスに対する悲観的な予測、新興国企業の台頭による競争の激化、金融市場のグローバル化による株主重視型コーポレート・ガバナンスへの変容があります。
 
 私がWIASに在籍したのは2008年10月からの2年半です。このころは、成果主義賃金制度導入のブームが一段落しておりました。しかし一連の人事制度改革によって、従業員の賃金カットや長時間労働、雇用の不安定化といった直接的な雇用条件の悪化のほか、職場環境の悪化、賃金をはじめとした待遇格差の拡大、そしてそれらを通じた身体と精神との両面での悪影響といった副作用がクローズアップされ、改革の見直しが行われていました。私の現在の研究は、この人事制度の再検討とその従業員への影響に焦点を当てています。
 WIASに在籍していたころは、当時の同僚とMBOに関する共同研究を始め、いくつかの研究論文を発表することができました。現役の所員である参鍋 篤司 助教とも賃金制度が従業員の満足度に与える影響に関して、共同研究を行っています。実は彼らとはもともと共著者であったのですが、素晴らしい研究環境を有するWIASでより協力関係を深め、研究の生産性を高めることができたと思います。

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主な研究員転出先
 
2014年1月以降に退任となった主な研究員の転出先を紹介します。
 
 
 
  足立 透   気象庁気象研究所  
  ウォラル ジュリアン   アデレード大学  
  袁 媛   華東師範大学  
  小高 敬寛   東京大学総合研究博物館  
  鎌田 由美子   慶應義塾大学  
  小岩 正樹   早稲田大学  
  小林 正人   北海道大学  
  小松 睦美   総合研究大学院大学  
  ジョウ ウィリ ー   筑波大学  
  成田 広樹   日本大学  
  西永 慈郎   産業技術総合研究所  
  本間 裕大   東京大学  
  森 稔幸   東京大学  
  山田 健太   東京大学  
  山本 英明   東北大学  
  ラデマハ クリストフ   早稲田大学  
 
 
 
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