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朝鮮古代史に関わる石碑や木簡などの出土文字資料を検討し、編纂史料では知りえない研究成果を学ぶ

ゼミ紹介

朝鮮古代史に関わる石碑や木簡などの出土文字資料を検討し、編纂史料では知りえない研究成果を学ぶ

公開日:2015/07/24

秋雨がしとしと降る2012年10月下旬、李先生が担当されている科目「アジア史演習7(朝鮮史2)」(木5時限)の授業にお邪魔させていただきました。この科目は、朝鮮古代史に関わる石碑や木簡などの出土文字資料を検討し、編纂史料では知りえない出土文字資料の検討方法と研究成果を学び、出土文字資料の史料的価値について理解を深めることを目的としています。全15回のうち、第5回までは李先生が出土文字資料に関する研究動向を紹介、第6回以降は受講学生各自が選択した資料についてグループ研究発表を行う、という授業スタイルです。
李先生は、演習で取り上げるべき課題について最新の研究を紹介して、学部生でも可能な限り高い水準の報告ができるように、グループ研究の直前まで、受講学生に対して国際的な研究状況を納得できるまで説明することを意識されているそうです。この日は講義形式の授業で、朝鮮古代の石碑資料である「広開土王碑」が取り上げられていました。受講学生の皆さんは、李先生の熱のこもった講義に引き込まれており、ノートを取りつつ真剣に話を聞いていました。

研究室DATA

李 成市 教授(アジア史コース)
アジア史演習7(朝鮮史2)

授業を受講している文学部アジア史コース3年の三柴明日香さんにお話を伺いました。

Q1.先生はどんな人ですか?
李成市先生は情熱溢れる先生です。厳しさの中に優しさがあり、メリハリのある授業を展開されます。その人柄、お話に思わず引き込まれてしまうような魅力を持つ先生です。ご専門である朝鮮古代史はもちろん、その他幅広い学問的知識をお持ちで、学生に多角的な「考える視点」を提供して下さいます。

Q2.なぜ李先生の授業をとったのでしょうか?
先生の講義を聴くだけでなく、自分で定めた演習課題の研究を進めていく中で、自分の視野が広がり、世界観が大きく変化していくことを実感できるからです。歴史的過去によって傷つけられる人々は未だに多く存在します。様々な価値観を持つ人々が少しでも共感できるような歴史、これからの未来を共に生きていこうと思えるような歴史を構築することの必要性を改めて考えさせられます。

Q3.この授業の魅力はなんですか?
この授業は講義ではなく演習であるため、2~3人のチームに分かれ、それぞれのチームが研究課題を設定し発表するという形式を採っています。課題は「古文書、金石文、木簡、竹簡、石刻などの一次史料を用いることで、どのような歴史が見えてくるか」というものです。興味のある史料を自ら選択し、正面から向き合うことができるという事が一番の魅力であると思います。他のグループの発表を通して、新たな視点に気付くことも多々あります。また、先行研究にはない発見ができる可能性も大いにあり、史料批判を重ねながらどのような世界が見えてくるのか、とてもワクワクします。

Q4.後輩へ一言お願いします!
私は李先生の授業を受け、自分の価値観や考え方の癖に気付くことができました。私たちは無意識のうちに「日本人」というフィルターを通して物事を考えていますが、更に一人ひとりが異なるフィルターを持ち合わせています。どのような学問の研究においても、 このような自分を拘束する価値観に対して自覚的であれるかどうか、ということは非常に重要であると思います。一から歴史史料と向き合うことは、過去現在の自分と向き合い、未来の自分と世界を描くことに繋がります。皆さんもぜひ、歴史学研究の世界に触れてみて下さい。

最後に、李先生から学生の皆さんへメッセージをいただきました。

学生にとって早稲田大学は無限の可能性を秘めているとよく言われます。その理由の一つに、先輩たちが培った長い伝統と、その規模の大きさによって、はかりしれないネットワークが世界中に張りめぐらされているからだと思います。国を越えた大事を成し遂げようという志をもって、このネットワークを大いに活用して欲しいと願っています。