NO.940 Jul.12,2001
大学院へ行こう!〜早稲田大学大学院と大学院生のキャパスライフ〜
早稲田の大学院が今、アツい! 大学院は進学率の向上やキャリアアップするための人材養成機関として21世紀社会の注目の的。早稲田大学では、時代の要請にこたえて、大学院改革も急速に進めている。学部と併設されている9つの研究科(大学院)に答え、既に3つの独立研究科が設置され、2003年には北九州に先端技術デザイン研究科(仮称)の設置を計画中。また、構想段階ではあるが、ロースクールや行政系、金融・経済系等の幾つかの研究科を設置するという将来計画もある。
今回の特集では、ますます多様化する本学の大学院と、気になる大学院生のキャンパスライフについて各種データを収集した。21世紀の社会で活躍したいと考えている皆さん、将来の選択肢として大学院も検討の視野に入れてはいかが?
◆理工系では2人に1人が大学院へ! 留学生が半数という研究科や女性が98%という分野も
大学院進学者が増え続けている。日本の学部卒業者の大学院進学率もついに1割を超えた。また、本学理工学部では既に2人に1人が大学院へ進学。さらに従来は大学院進学者が少ないと見られていた文系分野でも、大学院進学を視野に入れる人が増え、さらにキャリアアップのために大学院に戻ってくる社会人も多く、学生の多様化が進んでいる。
この大学院進学率の向上と学生の多様化を読み解くキーワードが、社会人、女性、留学生。大学院が研究者養成および研究機関としてだけでなく、高度な専門知識・技術を身につけてキャリアアップするための人材育成の場として社会に認識されるようになったことと、社会がグローバル化するに伴って国境を越えて地域単位、地球単位で物事を考える必要性が出てきたために、早稲田へ進学・留学する学生が増えたことだ。むしろ、留学生にとって「留学」とは大学院がメジャー。本学に来る留学生の3人に2人が大学院進学者だ。
その筆頭であるアジア太平洋研究科を例に挙げると、約45%が日本以外の国籍を持ち、女性が4割、3割強が30歳以上の学生となっている。また、今年新設された日本語教育研究科に至っては第1期入学者の98%が女性と、ワセ女の時代到来といった雰囲気だ。
◆ データで見る大学院生のキャンパスライフ
それでは、大学院生はどんなキャンパスライフを送っているのだろうか。学生が多様化している以上、平均値ではその特徴を表しきれないが、進学を志す皆さんの参考にと、進学目的、大学での過ごし方、ちょっと気になるフトコロ事情等について調べてみた。
▼興味を持った専攻をより深く学ぶために大学院へ進学! 男性はキャリア志向、女性は研究者志向が強い。
第19回「学生生活調査」によれば、専攻へ選択の理由は「興味を持ったから」という回答がほとんど。そして、研究テーマに興味を持った理由は「学部のときに関心があったから」「自分で勉強して」と続いている。興味深いのが男性よりも女性の方に研究者志向が強いということ。「博士号の取得」や「就職に有利」というキャリアアップ志向は男性が多い。
▼週平均来校日数は平均3.8日、授業は論文指導が中心で、授業選択のポイントは講義内容と担当教員。出席率は平均85.7%。
授業は論文指導が中心だが、授業選択のポイントは講義内容と担当教員と内容重視。出席率は平均で85.7%であるが、9割以上と答えた人が44.2%にのぼる。課外活動の参加者は2割と学部学生に比べると少なく、キャンパスライフは主に研究活動にあてているようだ。
週平均来校日数は3.8日。11時頃に大学へ来て、18時過ぎに帰宅。昼食時間を除くと、約5時間強を大学に滞在していることになるが、平均値ではなく実際のデータを見ると、4~8時間以上と滞在時間の長い人が多い。
▼親のすねは齧らない? 奨学金受給率は修士課程で42.2%。家計支持者である学生も2割に増加!
フトコロ事情も気になるところ。引き続き「学生生活調査」を調べてみると、主たる家計支持者は学部学生の場合、「父親」が約9割を占めていたが、大学院生で「本人」とした者は2割と、経済的自立が進んでいる。社会人入学者が多くなっていることも、この数字が意味するところであろう。
また、学費負担を考えると奨学金の受給率も調べておきたいところ。奨学課発行の『Oasis』を見ると、奨学金の受給率は修士課程で47.2%、受給者の併給状況はグラフのとおり。また、博士課程では8割以上が奨学金を受給し、2種類以上の受給者が半数を超える。
◆Center of learningの創造に挑戦する早稲田! 皆さんの目的に合う研究科を選ぼう!
それでは大学院進学には何が一番必要なのか。それは「自分は何がやりたいのか」を考えること。留学や就職と同じである。
大学院では、学部時代以上に自分自身で研究テーマを見出し、能動的に研究する能力が必要である。「いずれ先生が教えてくれるだろう」なんていう"指示待ち人間"では充実した大学院生活が送れないだけではなく、21世紀に活躍する人材にはなれない。自分の将来像を描き、それを達成するには何を学ばなければならないのか。それがキャリアアップへの第一歩。じっくり考えて、皆さん自身の目的に合った大学院を選ぼう!
早稲田大学には学部と併設されている9つの研究科と3つの独立研究科があり、それぞれ内部改革の努力を続けて、個性豊かな専門教育を行っている。特徴を表にまとめた。
| 政治学研究科 | 政治学を「職業としての学問」として学ぶ人、高度な政治学を学び世界平和と人類の福祉に役立てようとする人が集まる。国際政治、国際関係、自治行政、行政学、憲法、マス・コミュニケーション他、多彩な内容によって広い視野と識見を持った政治学研究者、高度な専門的職業能力を備えた実務家、公共のリーダーの育成を目指す。 |
| 経済学研究科 | 学問的な研究に加え、現代的な課題にも取り組む。各分野の専門家による実践的な調査や研究も実施。学科目には、公共経済学、計量経済学、統計学、経済史、経済政策、農業経済学、産業組織論、国際経済論、金融論、社会保障、労働経済学、財政学、人口論、地域経済研究などがある。専用のコンピュータ室を設け、研究を支援。 |
| 法学研究科 | 日本最大規模を誇る法学大学院で、法律学全分野を網羅する多彩な科目群を開講。国際化の対応にも意欲的で、比較法研究所と連携し、世界各国から交換教授や研究員等を受け入れて共同研究を行う。また、昼夜開講制を実施。社会や時代のニーズを捉えて特定課題を設定、社会人の再教育・共同研究に取り組んでいるのもユニーク。 |
| 文学研究科 | 哲学や社会学、教育学、文学、芸術学、史学等バラエティ豊かな14専攻を擁する日本最大規模の研究科。修士課程では、広い視野と学識を育て、専攻分野における研究能力および高度の専門性を要する職業等に必要な能力を養う。各分野では関連する学問領域や周辺学問領域も幅広くカバーし、教育・研究を行っている。 |
| 商学研究科 | 経営管理と商学の分野で高度な知識と技術を与え、国内外の実業界や学術分野で活躍する人材を養成。セメスター制を導入し、経営、国際ビジネス、マーケティング、ファイナンス、経済学、公共政策他、講座はバラエティ豊か。公認会計士、税理士、中小企業診断士などのための教育、国際化、社会人の再教育にも熱心。 |
| 理工学研究科 | 機械工学、建設工学、数理科学、情報科学など幅広く設置された11専攻により、理工学分野の最先端の教育・研究を行い、その実績に対して揺るぎない社会的評価を受けている。国内外の大学との協定もあり、2001年4月から新たに生命理工学専攻を開設。 |
| 教育学研究科 | 教育に関わる総合的見識と高度な専門能力を持ち、教育現場での教科教育・教育経営・生徒指導などで指導者的役割を果たすことができる、研究的実践者としての教員の養成を目的とする。学校現場で活躍する教員が職場に在籍したまま学べるよう配慮。修士課程は学校教育・国語教育・英語教育・社会科教育・数学教育の5専攻。 |
| 人間科学研究科 | 生命・社会・環境・行動・心理・健康・スポーツ等を学際的・総合的に研究。科学技術の飛躍的な進歩の中で失われた人間性を回復するために、人々の生活の質の向上に貢献するような、人間を中心においた総合科学を形成することを目的とする。 |
| 社会科学研究科 | 社会科学の総合的学際的研究と社会人のための高等教育の開放を実践する夜間大学院で、社会人学生も多い。地球社会、地域社会という視点での対応が必要となる現代社会の諸問題に対し、社会諸科学を総合的な視野から捉え直し、新たな活力につなげようとしている。 |
| アジア太平洋研究科 | アジア太平洋地域の歴史、経済、産業、経営、社会、文化、国際間諸問題などを幅広く追求。グローバルな視野を持つ専門職業人の育成を目指す国際関係学専攻と、高度な専門知識を持ち、強い倫理観に裏打ちされた国際ビジネス・エリートの養成を目指す国際経営学専攻がある。留学生も多く、学外機関等との交流も盛ん。 |
| 国際情報通信研究科 | 情報通信領域におけるグローバルスタンダードを研究。国境を越えたグローバルに流通するマルチメディアコンテンツ。その標準化を研究し、流通の円滑化などの課題を具体的に解決する方策を示すことを目指すと共に、情報通信分野で高度な専門知識を持ち国際的に活躍できる職業人の育成を行っている。 |
| 日本語教育研究科 | 2001年4月に新設された日本語教員養成のための大学院としては日本最大規模。日本語研究教育センターで行われている留学生に対する日本語カリキュラムと連携し、教育の現場と密着した実践的教育・研究を行い、理論と実践を兼ね備えた教員の養成を目指す。 |