NO.927 Apr.5,2001
いつでも、どこでも学べる「オンデマンド型授業」登場!
〜授業の情報化最前線
早大生の携帯電話・PHS所有率89.8%、パソコン所有率も68.7%にのぼり、83.1%がインターネットを「ほぼ毎日」または「時々」利用している(以上、1999年3月実施『第19回学生生活調査報告書』より学部学生データ)。さらに、新入生全員に学内メールアドレスが発行され、学内の端末設置台数は14,794台(2000年度、情報企画課調べ)と、IT化は数年前と比べると格段に進歩。仲間同士・教員とのコミュニケーションや、就職活動、資料集めにレポートの作成など、学生生活の多くのシーンで情報機器が活用されている。
となると、次なる要望は「授業の情報化」。昨年度、本学の情報化推進プログラムはいよいよ第U期に突入。整備されたインフラを活用し、ネットワーク型授業・学術研究データベース構築・マルチメディア教材作成など、教育研究のオープン化・教育研究スタイルの変革の具体化を目的とした情報化が日々推進されている。
21世紀の幕開け。やってきた「授業新世紀」。本学では日本初となる「オンデマンド授業」が4月から始まる。講義の概要を緊急特集する。
◆「オンデマンド授業」って?
「オンデマンド授業」とは、教員からの講義の放送を教室に集まって同時中継で受講するライブ方式ではなく、学生それぞれが選択した講義を、受けたい時に受けたい場所で受講できる授業のことで、もちろん、単位が与えられる正規の授業。そのメリットは次の三つ。
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▼空間や時間の制約を軽減 |
◆授業の進め方は? そして、2001年開始の講座とは――?」
オンデマンド型の授業は、学生がコンピュータ教室などから、授業運営支援サーバにアクセスし、授業コンテンツの講義を受講しながら質問や意見等をBBSに随時書き込み、教員が回答したり、他の受講生と議論したりして進めていく。具体的受講手順を授業イメージに沿って示すと――。
(1)講義パッケージの配信
予め制作した講義パッケージをインターネット上のコンテンツサーバに配信。
(2)課題確認
担当教員により、提示された課題をWEB画面で確認できる。
(3)講義の受講
一定の期間内でWEB上の講義パッケージを受信。
(4)ディスカッション
教員からの課題に対する学生間のディスカッションや講義テーマに対する質問やディスカッションをBBS上で実現。
(5)フォロー
レポート提出、アンケートなどにより、授業のフォローも可能。
今回、本学で導入する「完全オンデマンド型」の授業(一文オープン科目「総合講座7『文化研究とコンピュータ』」、二文「文学理論への招待」、MNC「情報処理特論」)では、一部ガイダンスのみ教室で行うものもあるが、基本的に試験も含めて一度も教室に来ることなく、学習を進められる。
さらに特筆すべきは、ネットワーク上でのレポート提出や試験等の定期的な評価に加え、BBS上の発言を評価する本学独自のシステムを採用するため、単なる出席評価だけではなくBBS上の発言や議論など通常の学習効果も成績として評価される。講義の受講やBBSへの参加を一定期間に区切るのはそのため。「年度末にまとめて勉強しちゃえばいいや!」なんていう人は、当然お断り。BBSでの議論や思考が発展するには、受講生一人ひとりの発言が重要。だからこそ、教員や他の受講生と共に"学び合える"人にピッタリの学習方法と言える。
また、「ネットワーク上の授業だけでは学べないこともあると思う…」と不安な方のフォローもバッチリ! 一九九九年度から進められてきたネットワーク授業のノウハウも活かされ、カリキュラムや教材は実験等を通してネットワークだけでも十分な学習効果が発揮されるよう開発されているし、BBSによってフォローは万全。さらに、「リアル」な体験を必要とする講義については、教室での授業も併用する。例えば、第二文学部の「日本文献学」は、教室での授業も併用することで、資料の実物に触れるなど、体験に基づく知識が得られるように工夫されている。もちろん、担当教員の研究室に直接行ってもいい。研究室のドアは開かれているのだ!
◆『早稲田講義録』の精神――世界に広がる&繋がる早稲田
ネットワークを利用する最大の長所は、距離と時間を超えられること。その恩恵を最も感じるのは、海外とのやり取りだろう。実は、「オンデマンド授業」のもう一つの特徴がそこにある。
まずは、国内の大学に留まらず、海外協定校にも授業が配信されること。例えば、先述の「完全オンデマンド型授業」の第一文学部「文化研究とコンピュータ」は、ロシアの極東大学や、韓国の高麗大学校等にも配信。現地学生が留学せずに日本の授業に触れられる――これは「完全オンデマンド型」だからこそ実現したことだ。そして、国境を越えた学生の参加によりBBS上の議論に多様性が生じ、"世界との切磋琢磨"のまたとない機会が早大生にもたらされる。
また、インターネットライブが行われる授業も。人間科学部オープン科目「ピラミッド文明論」「エジプト文明論」では、通常のオンデマンド型授業に合わせて、数回のライブ型授業が予定されている。通学型授業でもMNC設置の「シンガポールのIT革命」では、対面授業に加え、IT政策の進んでいるシンガポールで活躍する第一線の方が現地からライブで登場。"シンガポールの今"をお伝えする。2001年度は、まさに「早稲田オンデマンド元年」となるであろう。
早稲田から海外へ、海外から早稲田へ。情報環境を最大限に活用することで急速に広がる学びの世界。ここ早稲田の地に集まる知の集積を世界へ還元し、その一方で刺激も受ける。それこそ小野梓が始めた『早稲田講義録』以来脈々と繋がる教育のオープン化、伝統の精神。世界を目指し、世界を受け入れた早稲田建学の精神を、二十一世紀流に実現したこの試み。その可能性が今、早大生の目前に大きく広がっている。
