NO.914 Oct.26,2000
早稲田のグローバルネットワーク
本学のグローバルネットワークは日々広がり続けている。海外協定校の数は近年急増しており、大学間協定、国際教育センター協定、箇所間交流協定、友好交流要綱・箇所間交流プログラムを合わせた協定数は今年度末には200協定、協定校・機関数では270を上回るのではないかと見込まれている。
また、近年のIT(情報技術)の発達とグローバル化の潮流の中、本学は昨年4月に「デジタルキャンパスコンソーシアム」を設立し、「海外とのネットワーク授業」を推進している。また、これらの流れを汲んで、産学連携により本年4月に「早稲田大学ラーニングスクエア株式会社」、10月には「早稲田大学インターナショナル株式会社」という2つの合弁会社が発足。本学における近年の国際化インフラおよび情報化インフラの発達には目を見張るものがある。
本特集では海外協定校を中心としたヒューマンネットワークおよび海外とのネットワークを活用した遠隔授業に焦点をあて、早稲田のグローバルネットワークの現状についてレポートする。
◆ ますます拡充する海外協定校
「本学の海外協定校は、既に東アジア地域のほとんどの主要大学と協定を結んでいますし、他のアジアの国々の大学とも積極的に交流を深めています。またヨーロッパは全般的に充実しており、アメリカとは伝統的に国際部を中心に多くの協定を締結しています。今年からは、中南米やアフリカなどこれまでに協定がなかったところとも協定を結び始めています」と佐々木裕康国際交流課長。実際、近年の協定校数は増加の一途を辿っており、例えば一九九五年から九九年の五年間では、大学間学術交流協定数をみると三十五から百十四と、三倍以上も増加している。
「早大生の多くはアメリカやイギリスなどの英語圏に留学しますが、それ以外の国や地域にも積極的に留学してほしいですね。珍しい国だと留学生としての存在感がすごくあると思います」とも。世界中に広がる早稲田ならではのネットワークを活用しよう!
本学の国際教育センター(西早稲田キャンパス22号館4階)では海外留学に関する情報提供、交換留学に関する業務を行っている。国際教育センター・ニュースメーリングリストに登録すれば、交換留学に関する情報なども得られる。また、同三階のインフォメーションルームでは、協定校のみならず海外の大学のカタログや海外留学奨学金などのあらゆる留学に関する情報を閲覧・コピーできる。海外協定校への交換留学をはじめ海外留学に興味がある人は、ぜひ立ち寄ってみよう。
◆ 年間千人の留学派遣を目指して
海外協定校ネットワークを拡大する主眼は、学生交流を活発化することにあるという。現状では毎年二百六十人程の学生がおおむね一年間にわたり海外留学している。九九年六月に総長の諮問機関として設置された「二十一世紀の教育研究グランドデザイン策定委員会」の答申書が本年九月に発表されたが、将来的には「年間千人、全学生の二〜三割の学生を留学派遣する体制を整備する」ことを目指している。
「世界中に構築されたネットワークを活かすも殺すも教育研究の成果次第。本学の教育研究が世界の注目を集めるに足るかどうかということが大切になってきます。また、セメスター制へ移行して海外留学に行きやすくするとか、単位互換を促進するなどのシステム的側面の整備も徐々に進んできています」と佐々木課長。また、交換協定プログラムが実際に稼動しやすくするために、なお一層の奨学金・宿舎などの拡充も重要な課題となる。
「交換留学生に対する奨学金制度の充実が目下具体的に検討されています。また留学情報のより積極的な提供や外国語自習施設の拡充といったことも関係者の間で議論が進められています」。"Study Abroad Program"実現へ向けた努力が続けられている。
◆グローバル・リテラシーの必要性と'多箇所'間ネットワークへ
「海外で教育や経験を積み、国際化した視点や資質を身に付けた学生を輩出していくことが大学の使命であると言えましょう。早稲田大学は名実共に従来の"日本の有名な大学"から"世界に通用する大学"になるよう、全世界にアカデミック・マーケットを求めていかなければならない。このような流れの中では、グローバル・リテラシーと言われる英語力とコンピュータ能力の重要性がますます高まっていくでしょう。今や一言語だけで生活が完結する時代ではなくなってきます。大学時代に複数言語をマスターすることを涵養する必要があります」とグローバル化促進の必要性と必要条件について語る。
今後のグローバル・ネットワークの特徴は、「オーストラリア、マレーシアなどにおけるジョイント・ディグリー・プログラムに見られるように、大学間コンソーシアムを形成し、共同して国際的プログラム開発していく流れが広がりつつあります。日本でもこれまでの大学間協定のような'二箇所'間からコンソーシアムのような'多箇所'間の協定関係が生まれてくる潮流があると思われます。個々の大学が限りある人的・物的資源等を共有し、共同プログラムを開発することになるでしょう」。
◆グローバル化の急進と遠隔授業の展開
近年、遠隔授業やインターネットの急速な発展により、グローバル化が加速的に進展している。本学では「デジタルキャンパスコンソーシアム」の活動の一環としてグローバルネットワークの構築が進められている。この試みでは海外とのネットワーク授業が、CU-SeeMeというチャットシステムとTeleMeetというテレビ会議システムの併用により行われている。これらは、(1)海外の大学との共同ゼミ、(2)授業の一部としてネットワーク授業を取り入れたもの、(3)海外の講義を早稲田大学に居ながらにして受けたり逆に発信する、いわゆる遠隔講義、の三種類に大別される。もちろんすべてリアルタイムで双方向通信。現在は大半が語学の授業で、Cross Cultural Distance Learning研究所(所長・中野美知子教授、幹事・平埜雅久教授)というプロジェクト研究所を中心に展開されている。
本学の情報化推進プログラム第二期が終了する二〇〇二年度までには、海外とのネットワーク授業の提携校を三十校に拡大していく予定だという。
「語学の科目だけでなく、その他の幅広い科目でもこのネットワークシステムが活用されるといいですね。ネットワークでの交流をきっかけに学生の中には、E−mail交換を行ったり、実際に訪問し合うなどの交流も生まれています。この海外とのネットワーク授業が語学力アップはもとより、異文化の相互理解の場になるといいですね。また、留学の動機付けになったりと、バーチャルから実際の国際交流への一つの手段にもなれば良いと思います」と早稲田大学インターナショナル株式会社の戸枝久郎企画課長。
海外協定校ネットワークと海外とのネットワーク授業による情報ネットワークであるが、今後、それぞれが有機的かつ相乗的な関わりを強めながら、より強固なグローバルネットワークを構築していくに違いない。
■海外協定校一覧
【URL】http://www.waseda.jp/cie/international-j/VOLANTE/exlist.pdf
■海外とのネットワーク授業
【URL】http://www.project.mnc.waseda.ac.jp/ccdl/index.html
【URL】http://www.waseda.jp/ilt/japan/wu-utahvo.htm(ユタ大との活動)
■国際教育センター・ニュースメーリングリスト
【URL】http:www.waseda.jp/cie/publication/mailinglist-j.html
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