NO.905 Jun.22,2000
心と身体の健康を考える


 「最近、何となく身体の調子がパッとしないなぁ…」「別に病気ってわけじゃないんだけど、だるいなぁ…」。こういうケースで悩んでいる読者の皆さん、心と身体は表裏一体。心の訴えが身体の症状になって現れることは珍しくないこと。まして、世の中にはストレスの種がいっぱい。そんな中で、「心と身体の健康」を保つためにはどうしたらよいのか、総合健康教育センターの仲村禎夫副所長(教育学部教授・精神科医)にお話をうかがった。

 「去年の12月に、旧診療所と旧学生相談センターを統合して、総合健康教育センターとして新たに発足を致しました。これは、心と身体は分けては考えられないものであり、総合的に診ていかなくてはならない、という観点からのものです」

 例えば、最近非常に増えていると言われている「うつ病」。「うつ病」と聞くとすごく大変な病気のようだが、心の風邪のようなもので、人間が一生の間に「うつ病」にかかる頻度は相当高いというデータもあるそうだ。それによると、女性が5〜9%、男性の2〜3%がうつ病にかかっているといわれている。また、一生のうちうつ病にかかる割合は女性で10〜25%、男性で5〜21%と非常に高くなっている。

 「何となく気分がすぐれないとか、食欲がない、眠れない、だるい、やる気が起きない、性欲が減退した、などという訴えの裏には、『うつ病』が隠れていることが少なくありません。ただ、そういう症状ですぐに『うつ病』だと気が付く人はいません。まず内科へ行って、いろいろな検査をする、特にこれといった症状がない、そうなると、対症療法で胃の薬を出したりすることになります。ところが、その裏側に精神的な心の病が隠れているケースが非常に多いのです。心の病気が身体に症状となって現われることは珍しいことではありませんし、その逆もあります。皆さんが風邪をひいたときに気分が滅入ったりすることがあるでしょう。それも同じことで、身体の問題が心にいろいろな形で現われるのです」。総合健康教育センターでは、こうした複雑な要因が絡み合って出てくる症状でもすみやかに対応できる専門家が揃っている。内科や外科は言うに及ばず、メンタルな部分での専門医やカウンセラーもおり、あらゆる角度から皆さんの健康を守ってくれる心強い施設だ。

 「総合健康教育センターでは、心と身体の両面にわたってチェックしますから、身体に異常がなければ心の病気としてそれぞれの専門家が治療をします。ただ、患者さん本人が心の病気であることに気が付いていないケースも多いので、教員や職員、家族の方、サークルや友人などが、普段とは少し違うという点に早く気が付いてあげることが大切です。とにかく、少しでも異常を感じたら、早く手当てをすることが大切です。早目に専門家に診てもらえば、心の病気もそう難しいものではありません。今は、医療の技術もカウンセリングの技術も発達していますから、『風邪をひいた』のと同じ感覚で心の病にも対応できます」

 授業やサークル活動などで忙しく、つい億劫になりがちだが、学内にある施設だし、各キャンパスには分室もある。何か困ったことがあったら利用しない手はないだろう。

 「もう一つ、これも心の病に属するのですが、最近非常に多いのが若い女性の摂食障害です。これは、拒食も過食も併せてなのですが、過度のヤセ願望や、『大人になりたくない』という潜在意識から来る拒食症、ストレスから来る過食症などは、95%が若い女性ですね。本学にも1万人以上の女子学生がいますから、こうした問題もなおざりにはできません。精神科の病気の範疇では、自殺によるもの以外は直接死につながる病気は少ないのですが、拒食症は言わば栄養失調ですから、死につながりかねない危険な病気なんです。その他にも多種多様な心の病があります」

 最近はストレス過多の時代で、気楽な学生生活のつもりでいても、多くのストレスが襲いかかってくる。依然として厳しい就職状況や修学の問題、進路の問題、セクシュアル・ハラスメント、友人とのトラブルなどにはじまる人間関係…最近の若者がコミュニケーションを取るのが下手になったと言われる背景には社会の病理が潜んでいる。そんな時代に暮らしている我々には、ストレスのない生活など考えられない。誰もが何かの形でストレスを抱え、背中合わせに生きている。そんな環境の中で、「駆け込み寺」的存在でもあるのが総合健康教育センターだ。

 「総合健康教育センターは決して敷居の高いところではありません。いつもと何か違うな、おかしいな、と思ったり、困ったことがあって相談をしたい時には、いつでも訪ねてください。我々スタッフは、学生の皆さんのためにいつでもドアを開けてあります」。仲村先生の頼もしい言葉は、うっとうしい梅雨空を吹き飛ばしてくれることだろう。最後に仲村先生から一言。「毎年春の定期健康診断の受診率が50%程度と非常に低いのは問題です。皆さん、自分の身体を守るのは自分の意識です。積極的に健康診断を受けて、自分の身体の状態を知っておいてください」

早大生の心と身体の健康を支える・総合健康教育センター
【各階案内図】
1階 診療室
2階 事務所・受付TEL03(3202)0580
3階 診療室TEL03(5286)3984
心と身体の診療・治療 相談 外部医療機関紹介

【診療科目】内科、精神・神経科、外科、整形外科

【診療受付時間】内科:(月)_(金)9:30_11:40、13:30_15:40、16:30_18:40、(土)9:30_11:40。精神・神経科:(月)_(金)13:30_15:40 ※予約制。外科:(水)13:30_15:40、(火)_(金)16:30_18:40。整形外科:(月)・(木)13:30_15:40。 ※応急処置、休養室利用は(月)_(土)9:00_21:00。救急は学内内線71-3000番で(月)_(土)9:00_21:00。

【休診日】夏季(一部の期間を除いて)/冬季休業期間・日祝日・大学創立記念日

4階 検査室・レントゲン室

5階 健康管理室TEL03(5286)9800

【内容】<定期健康診断の再検査・精密検査・病院紹介・経過観察等。保健体育シーズン実技や水泳履修者、高石記念プール利用者の心電図検査等。海外留学を希望する学生等の健康診断も随時。

*健康診断書の発行 (月)_(金)13:30_15:40。

※就職・留学・奨学金・他校受験のための診断書を発行しているが、当該年度の大学定期健康診断の受診が条件。

*一般健康相談 (月)_(金)9:30_16:00、(土)9:30_12:00。精神的・身体的悩みを持つ学生の健康相談と健康指導に保健婦(必要時健康管理室の医師)が応じる。必要と認められる場合は、病院を紹介したり、自費扱いの各種検査も行っている。

*女性健康相談 第3土曜午前(要予約)。婦人科医師が女性の身体や健康について相談・指導。

*栄養相談 (火)午前(要予約)。栄養士が食事のとり方や栄養について相談・指導。

6階 相談室TEL03(3203)3582/TEL03(3203)4449

【受付時間】平日9:00_17:00(昼休み12:30_13:30)、土曜9:00_12:30。

【内容】修学相談、進路相談、経済相談、心理相談、法律相談、その他。専任職員や心理専門相談員(カウンセラー)、弁護士などが対応(ただし、カウンセラー、弁護士との面談は2回目以降からで予約制)。友人や家族と一緒、またはそれらの方だけでもOK! 電話や手紙による相談も受け付ける。

【宛先】〒169-8050早稲田大学総合健康教育センター相談室

●大久保分室(大久保キャンパス51号館1階) TEL03(5286)3082

【相談時間】月曜_金曜13:00_17:00。 ※心理的・精神衛生的問題に限る。

●所沢分室(所沢キャンパス100号館3階308号室保健室) TEL042(947)6706

【相談時間(要予約)】月・水・木・金曜12:00_17:00。 ※心理的・精神衛生的問題に限る。保健室開室時間内に来室の上、予約すること。

【場所】西早稲田キャンパス25-2号館(大隈ガーデンハウス裏側)


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