NO.895 Apr.6,2000
探そう! あなたの「学ぶ道」〜全学部オープン科目の活用法〜


 本学には、九学部・十一研究科、各研究所・センターなどさまざまな学ぶ道がある。加えて、勉強会やシンポジウム、講演会、課外活動、図書館等、無尽蔵とも言える学びの環境が整備され、その充実ぶりは他に比類ない。本学ではやる気さえあればすぐ手の届くところに多様な機会が用意されている。折角、早稲田に入ったのだから、自分の意思でそれぞれの「学ぶ道」を探し、大学をもっと活用しよう!
 そこで、今回の特集は、学生生活の各種側面の中から学びに注目。今年度、一挙に183科目に激増した「全学部オープン科目」(98年・18科目、99年25科目)を中心に、本学での学びについて考えてみよう。

◆「全学部オープン科目」とは?

 皆さんの要望に応えて変わりつつある大学。今年度からは、学びの環境がさらにパワーUPする!
 「所属箇所以外の科目も受講したい」。そんな声を受け、学生の関心が高い科目や他学部生に聴講してほしい特徴ある科目を、学部を越えて提供する「全学部オープン科目」ができた。今年度から講座数が百八十三講座に激増。さらに協定校(日本女子大学・学習院女子大学)の講座等、大学の垣根を越えた選択も可能となる(詳細は学部・研究講義要項を参照)。これらの制度を活用すれば、多様なバックボーンを持つ友人と机を並べて学ぶこととなり、多くの刺激を受けることができるだろう。
 「選択肢が多過ぎて選び方が分からないんだけど…」という人のために、今度は科目履修の方法を考えてみよう。

◆ 探そう! 自分の「学ぶ道」

大隈講堂(イメージ写真)  卒業後に歩む道。人の数だけ人生があり、それこそ無数の道がある。今回はその中から、本学校友が多数活躍するマスコミ業界を目指す人を例に、科目履修の方法を考えてみた。もちろん、これは一つの例に過ぎない。人生は多種多様であり、皆さんの学ぶ道は皆さん自身にしか見つけられない。そのことはしっかり覚えておこう。
 さて、本題。まず、最も重要なことは、所属箇所で科学や政治、法律、教育やビジネス等々の専門分野の学習を深めること。これからの時代は個人の専門性が重視される。だからこそ、このことが、社会で求められる人材としての強力な武器となる。「専門分野は完璧。+αとしてメディア全般、マスコミについて学んでおきたい」。そんな人はどうすればよいのか。
 そんな場合にオススメなのが、政治経済学部設置の全学部オープン科目「政治学研究(メディア最前線講座)」。これは主要マスコミ二十三社からの寄附で運営される寄附講座で、各回第一線のジャーナリストらを講師に迎える。「現場で携わる人々やその方面に詳しい方に講座を持ってもらうことで、学生の需要に応えたい。研究者にもいい刺激になれば」と堀口健治学部長。他にも、第一文学部の「現代日本のマスコミ・出版の諸問題」や教育学部の「メディア・言語コミュニケーション総論」、理工学部の「高度情報社会における人間関係」等がある。事実は一つでも、設置学部が異なれば、研究の視点が異なるのは当然。同じテーマでも、自己の専攻とは異なる分野の研究に触れることで、多角的な視点から学習を深めることができるだろう。
 以上の例のように、全学部オープン科目によって皆さんの学びの選択肢が多様化。非常に幅広い観点から学ぶことができる。全学部オープン科目には、メディア関係の他にも、地球環境や福祉・ボランティア、国際貢献、都市開発、ビジネス、ジェンダー等、旬の話題を扱う講座がずらり。国際人として不可欠の教養である語学や日本文化・国際文化の理解を深める講座も多い。さらに、協定各校の特色ある講座を受講し、本学にない科目に挑戦するのも一考だ。
 皆さんの学ぶ目的には、就職だけでなく、教養を身につけ、視野を広げる意味もある。専門人としてのスキルアップだけでなく、教養を究め、自分自身という人間を磨くことも大切。「面白そう」「興味がある」と思う講座があればぜひ受講してみよう。その出会いが皆さんの可能性を広げることもある。ぜひチャンスを活用しよう!

◆好きな科目だけ履修しても卒業できるの?

 本学学生が履修できる授業は、専門科目、全学部オープン科目の他、体育や語学、コンピュータの授業、教職課程や法職課程などの資格関連講座(本紙入学記念号特集「自分が目指すはこの資格! 早稲田で取れるあんな講座 こんな資格」参照)等さまざま。学びたいものは全て揃うと言っても過言ではない。
 では、「早稲田で提供する科目なら、好きな科目だけ履修して卒業できる?」。残念ながら、答えはNO。学部では学士、大学院では修士となるために必要な専門科目を学ぶことが卒業・修了条件となるため、他大学や他学部・研究科、付属機関等の提供科目の卒業単位への算入については条件がある(詳細は学部・研究科要項を参照)。逆に言えば、それさえ満たせば好きな科目を履修して卒業することが可能だし、自身の興味や志望に合う学部・研究科を選択している限り、その条件下でも充分な学習機会が提供されるはずだ。
 本学には他大学に例を見ない程に潤沢な選択肢が用意されている。シラバス等を熟読の上、皆さん自身の学びの世界を探してみよう。また、年間取得可能単位数を超えなければ、卒業単位数以上に履修できるし、法職課程のように単位に縛られない講座もある。単位数にこだわるよりも、まず、何に興味があるのか、何を学びたいのか、考えてみてはいかが?

◆魂のある専門人を目指して〜小口彦太教務部長のメッセージ〜

 最後に教務部長から、皆さんへのメッセージをいただいた。

小口彦太教務部長  これからは、以前にも増して専門知識がなくてはやっていけない世の中になりますが、人間として豊かな精神を持ってこそ、一流の専門人と言えます。リベラルアーツ教育は『自由人が自由人として成長するための科目』。全学部オープン科目はその充実を目指しています。職業のため、とか、生活のため、とかではなく、人間として求められる教養を充実させようとするものです。
 全学部オープン科目では総合大学の利点を活かし、さまざまな先生方の謦咳に触れることのできるよう、できるだけ系統的・体系的に科目を設定したいと考えています。意欲ある人が意欲ある人に教える。リベラルアーツ教育の真髄にぜひ、触れていただきたい。
 私たちの年齢になると、学生時代に出会ったものがその後の人生に決定的な影響を与える、ということがよく分かります。その中には偶然の出会いもあります。また、無から考えるより、先生の研究や経験を踏まえたアドバイスにより拓かれることもあるでしょう。水先案内人としての先生方の力量を信頼し、ぜひ利用してほしいですね。文化や芸術等、世界共通の遺産を広く深く理解することは、国際人としてぜひ必要なことです。
 ところで、本学には、授業以外に、さまざまな種類の課外活動がありますし、芸術や文化に触れる機会が身近に存在しています。そういう意味では本学にいる皆さんはチャンスに恵まれているのですから、積極的に吸収してください。
 享楽だけを追い求める人間であっては困りますが、"魂のない専門人"というのも困ります。これからは専門的知識や技能がますます要求される時代となりますが、全学部オープン科目など人間性を磨く多様な機会を十分活用し、、まずは自由人となるための努力をしてください。大学も皆さんのそうした努力のお手伝いをしたいと思っています。


 大学生活は長いようで短い。そして人生は、他の誰でもなく自らが作り上げていくもの。勉強はもちろん、それ以外のさまざまなことに目を向け、主体性を持って興味・関心や学びを深めていきたい。この早稲田大学での四年間がそれぞれにとって価値あるものとなるように。

皆さんの声を受けて、早稲田大学は変わりつつあります!
〜1997年度学生生活調査(1997年10月実施)記述回答より〜


★学部の勉強とは全く違う、いろいろな分野の講義がとれればいいと思う。放送大学にあるような「地球と宇宙」とか「健康科学」といった科目がいっぱいあればいい。それなら卒業単位に入らなくとも受けてみたい。

★常に「自由」な大学であってほしいと思う。勉学においてはもちろんのこと、それ以外においても学生に大きな影響を与えるようになってほしい。また、将来役に立つための実学的な分野の教科を設置したらどうか。他に科目登録についても、もっと本当に自分の取りたい教科が取れるような仕組みを作ってほしい。社会に影響を及ぼすような取り組みもどんどんやってみてはどうか(新聞等読んでいると、慶應から教授の名前は出ているが早稲田大学の名前はほとんど見ない)。

★地方の人間を受け入れる制度。学部間の垣根をなくし、自由な単位の取得を認める。社会人などもっと多くのさまざまな人間を受け入れるオープンな大学制度の充実。小人数授業や実践的な語学教育の充実。図書館の蔵書を大学世界一にする。海外交流の活発化。さまざまな大学から優秀な教授陣を講師として招く(学閥にこだわらず)。自治会のような訳の分からない政治思想団体に、授業料の一部が自治会費として納められていることに疑問を感じるので、その打ち切りと、彼らのいない健全な大学にするよう、頑張っていただきたい。

★私は理工学部の生徒であるが、文系の分野に大変興味を持ち、人間科学部で授業を多く受けています。こういうことができるのは総合大学の素晴らしさだと思う。しかし、転部に関しては条件がかなり厳しい。本人の意思を尊重しもっと門戸を広げて認めるべきではないか。

★時代の最先端を行ってほしい。かといって過去をなおざりにしてほしくない。もっといろいろな学科を作ってほしい。例えば、理工学部生物科、地学科、家政学科など。そうすればもっとさまざまな考えや知識を持った人々が早稲田大学にやってくる。そして、そういう人たちと話をすることによって、自分の持っていない新たなものを発見でき、自分の教養の糧になって良い。

★入学して間もない頃は、そんなにやる気のある方ではなかったが、3年生に進級し、専門課程が増えてきてから、早稲田の本物の先生方に、それこそ人生を左右するような素晴らしい師に会うことができて、今現在の私は実に幸せだと思う。どんな大学でもそうだと思うが、一生恩師と思えるような先生に出会えるかどうかがその学校の自分自身における価値に関わるのだろう。その点から言えば私は幸せだったが、その発見、出会いのできなかった者たちは、いささか不幸だったことと思う。そこで、1、2年という一般教養課程でもっと素晴らしい先生との出会いを! レベルとしてではなくて、あくまで人間的な意味で、誰もが早稲田に入学してよかったと思える大学になってほしい。早稲田ほど自由な大学もないが、また学問を得ようとした時、これほど全てを得られるほしい。

★私は人間科学部に通っているので本部との交流が全くと言っていいほどありません。伝統ある早稲田大学の"ワセダらしさ"を身近に体験することができないのが残念です。本部のサークルに入ることも考えましたが、通うのに時間とお金がかかって続きませんでした。人科に授業内容や教授法などは満足していますが、せめて1年や2年時は本部でワセダを感じることができたらな、思います。人科生も1年時、2年時には本部で学ぶという環境はできないのでしょうか。

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