NO.890 Jan.6,2000
エコ・キャンパスの実現を目指して
−環境マネジメントシステムの導入−


環境マネジメントシステムを導入!

 世界は今、長く続いた成長と拡大の時代に終わりを告げ、成熟化とグローバル化が同時に進行する時代の転換期にある。この転換期において、あらゆる組織は、地球環境への配慮や循環型社会を目指す積極的な活動を行う責務があり、本学においても、地球環境の保全という地球規模の課題に対し、社会の一員として先見性と積極性をもって取り組む必要がある。
 大学はこれまで、東京都との協働によるエコ・キャンパスづくり、環境保全センターによる環境問題に関する諸活動、廃棄物のリサイクル化の推進、環境と共生をテーマとする周辺商店会との連携、財政改革推進本部による省エネルギー・省資源の推進、新施設における低環境負荷型設備の試み等さまざまな視点から環境問題に取り組んできている。さらに、環境に関する授業科目・研究活動、学生のサークル活動等が積極的に展開され、人間科学部では、「環境保全基本構想」に基づいて環境保全活動を実践している。
 大学は、これらのさまざまな取り組みを総合的、組織的に推進し、環境に配慮した「エコ・キャンパス」を確実に実現するために、一九九九年十二月から「環境マネジメントシステム」を導入することにした。そして、社会に対する大学の姿勢を明確にすると共に、客観的に評価され得る体制を確立するために、二〇〇〇年五月を目途に国際規格「ISO14001」の認証を取得することを目指す。
 まず手始めに、西早稲田キャンパスの大部分および大隈会館を対象として環境マネジメントシステムを導入する。今後、西早稲田キャンパスの周辺区域や各キャンパスに順次拡大していく予定。

早稲田大学環境マネジメントシステムの概要

 国際規格「ISO14001」に基づいて、早稲田大学環境マネジメントシステムを次のように構築する。
■早稲田大学環境マネジメントシステム
【環境方針】
◆本学の環境方針は、別記の通り。「早稲田大学環境宣言」として、エコ・キャンパス推進本部において策定し、理事会の決定を経て、教学会議等に報告の上、総長名により学内外に公表する。

【環境目的・環境目標・環境マネジメントプログラム】
◆各箇所の環境影響調査により特定された環境側面および環境方針に基づいて、環境管理責任者が全体の環境目的(中長期的な課題)、環境目標(短期的な課題)およびそれを実現するための環境マネジメントプログラムを策定し、エコ・キャンパス推進本部において決定する。これに基づいて、各箇所の環境推進責任者が各箇所毎の環境目的、環境目標を策定し、実行する。

【体制および責任】
◆環境マネジメントシステムは、のような体制により、運用していくが、それぞれの担当、役割等は次の通り。
環境管理総括者 環境マネジメントシステムの最高責任者とし、担当常任理事(エコ・キャンパス推進本部長)をもって充てる。
環境管理責任者 環境マネジメントシステムの運用上の責任者とし、当初運用する西早稲田キャンパスおよび大隈会館については、総務部長をもって充てる。
環境推進責任者 環境管理責任者の指示を受けて、各箇所において活動を推進する責任者とし、各箇所の事務長、課長をもって充てる。
環境推進員 環境推進責任者の指示を受けて、各箇所において活動を実行する担当者とし、環境推進責任者が当該箇所の職員の内から指名。
環境監査員 環境マネジメントシステムの内部環境監査を実施するものとし、環境管理総括者が、専門知識や業務経験を有する教職員の内から指名。
環境監査チーム 環境マネジメントシステムの内部監査を行うことを目的として、複数の環境監査員で構成する環境監査チームを設置。
エコ・キャンパス推進本部 エコロジカル・キャンパスの実現を図ることを目的とするエコ・キャンパス推進本部が、「環境マネジメントシステムに関する事項」を所管。
環境管理事務局 当面は、総務部、総合企画部および環境保全センターが共同で担当するが、将来的には、専用の事務局の設置を検討する。

【法的およびその他の要求事項】
◆環境管理責任者が、環境側面に適用される法規、規制、協定等および学内諸規定を特定し、常時参照できるように整理、保管する。

【訓練、自覚および能力】
◆環境管理責任者が、学生、教職員および関連業者に対して、定期的または随時、必要に応じた教育、訓練、研修等を組織的かつ体系的に行う。

【コミュニケーション】
◆環境管理責任者が、広報誌、ホームページ、パンフレット等により、学内外に周知、公開すると共に、学生、教職員からの提案や助言、外部からの申し入れ等に適切に対応する。

【環境マネジメントシステム文書】
◆環境管理責任者が、環境マネジメントシステム運用の手順書であり、かつ環境マネジメントシステムの要素の相互作用を解説するガイドブックとして、「環境マネジメントマニュアル」を作成し、各箇所に備える。

【文書管理】
◆環境管理責任者が、環境マネジメントシステムに関する文書の保存、作成、改訂、配布等について管理手続きを定め、実施。

【運用管理】
◆環境管理責任者または環境推進責任者が、環境マネジメントプログラムを確実かつ計画的に実行すると共に、関連業者に対して作業手順、要求事項を伝達するため、手順書、運用基準書等を作成し、実施。

【緊急事態への準備と対応】
◆各箇所の環境推進責任者は、環境影響調査により緊急時に著しい影響があると評価されたもの(ボイラー設備、薬品等)について、緊急事態予防・対応手順書を作成する。

【点検および是正】
◆各箇所の環境推進責任者は、環境目的、環境目標との適合について、定期的に監視、測定し、不適合の場合には、是正あるいは予防処置をとる。

【記録】
◆環境マネジメントシステムに関する記録は、当該箇所が迅速かつ正確に作成し、必要に応じて関係箇所に報告すると共に、各々の箇所において整理し、保管する。

【環境マネジメントシステム監査】
◆環境監査チームが、環境マネジメントシステムの運用状況等について、定期的に内部監査を行う。

【経営層による見直し】
◆環境管理総括者が、環境マネジメントシステムの継続的改善を行うために、内部監査の結果等を受けて見直しを行う。

環境マネジメントは一人一人の自覚と全員参加が基本

 環境マネジメントシステムが効果的に運用され、成果を挙げるためには、教員、職員、学生および大学に関わるすべての方々の理解と協力が必要であることは言うまでもない。特に、大学という組織では、学生の皆さんの役割は重要であり、エコロジカル・キャンパスの実現を目指して、環境問題に対する自覚と問題意識を強く持ち、一人一人が着実に実践していくことが期待される。

(エコ・キャンパス推進本部)

早稲田大学環境宣言
(早稲田大学環境方針)


 早稲田大学は、グローバルな視野とローカルな魂を持つ地球市民の育成と地球規模の課題に対する組織 的な取り組みによる人類の未来への貢献という、21世紀にふさわしい大学づくりをめざしている。
 そして、早稲田大学は、「地球環境の保全」という地球規模の課題に対し、教育研究をはじめとするあら ゆる活動を通じて、社会の一員として先見性と積極的な姿勢をもって取り組む責務があることを認識する。
 そこで、早稲田大学は、さまざまな局面において展開されている環境負荷の低減や循環型社会の実現に 寄与する活動を統合して、環境マネジメントシステムを構築し、次の活動を積極的に推進する。

1.早稲田大学は、地球環境の保全を課題とする教育、研究の推進を図り、人類に貢献する人材の育成および環境分野の研究の進展を期する。

2.早稲田大学は、環境にかかわる教育、研究の成果を踏まえて、地域社会をはじめとするあらゆる人々に対する教育、啓発、普及活動を積極的に展開する。

3.早稲田大学は、教育研究をはじめとするあらゆる活動が環境に及ぼす影響を常に認識し、地球環境に配慮した「エコ・キャンパス」の実現をめざして、継続的に改善を図るとともに、環境汚染の予防に努める。

4.早稲田大学は、教育研究をはじめとするあらゆる活動において、環境に関連する法規、規制、協定、学内規定等を遵守する。

5.早稲田大学は、教育研究をはじめとするあらゆる活動が環境に及ぼす影響を調査、分析し、環境目的および環境目標を定めてその実現を図り、定期的に見直しをする。

6.早稲田大学は、教育研究をはじめとするあらゆる活動において、地球温暖化低減策の推進、グリーン購入の推進、エネルギー使用量の削減、廃棄物発生量の削減、資源のリサイクルの向上に努める。

7.早稲田大学は、あらゆる人々に環境方針を公開し、「地球環境の保全」の取り組みに対して、理解と協力を求める。

8.早稲田大学は、西早稲田キャンパスを手始めとして環境マネジメントシステムを運用し、継続的な改善を図るとともに、学生、教職員および早稲田大学にかかわる人々にその全容を周知する。

1999年11月26日

学校法人 早稲田大学
総 長 奥 島 孝 康


環境マネジメントシステム国際規格「ISO14001」

 ISOとは、新しい世界秩序に合致した工業規格の国際的統一の促進を目的として、1947年に設立された国際標準化機構(International Organization Standardization)のことである。「ISO14001」は、環境マネジメントシステムに関する規格で、1996年9月に発行されている。1992年にブラジルで開かれた国際開発環境会議(地球サミット)において示された、「環境に配慮しつつ、持続可能な発展をはかる」という基本理念がその契機となっている。

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