NO.886 Nov.18,1999
99年度 就職状況インタビュー
日経就職ガイド潟fィスコ「採用戦線レポート'99」(一九九九年四月六日発行)によれば、九九年四月上場企業約二千四百社の大卒(大学院卒含む)採用人数は三年ぶりに減少した。
男女計で八万六千九百十六人と前年よりも一万四千三百七十人減り、十四・二パーセント減となった。九七年、九八年と二年連続で二桁増だったのが、再び減少に転じた。昨年五年ぶりに十万人台を回復した後だけに落ち込みが目立つ。
このような流れの中で、九九年度の本学の就職状況はどのようなものになっているのか、崎山裕子就職課長にインタビューを行った。
■九九年度の特徴
一時若干増加していた新卒採用ですが、景気低迷の長期化により、企業が人員抑制を強め、昨年度、今年度と就職環境が再び厳しくなりました。最近某自動車会社の人員削減が話題になりましたが、多くの企業がリストラによる組織の体質強化、スリム化を急いでいます。このしわ寄せが新卒採用にも影響しています。
また、厳選採用方針により、企業の中には採用予定数が百人のところ、優秀な人材が八十人しか集まらなければそこで採用を打ち切るなど、採用予定数の充足にこだわらなくなったことも最近の特徴です。
一昨年前の就職協定の廃止に伴い、企業側も採用活動日程を前倒しにする傾向があります。今年度も全体的に前年度に比べて二〜三週間早くなりました。セミナーや説明会の開始時期のピークは三月上旬で、四月下旬には選考を開始する企業が過半数に達しました。内定出しは、有力企業は五月がピークで、六〜七月に中堅企業の採用活動がピークになりました。
採用活動の開始が早まった割には内定出しを早めた企業が少なかったのは、昨年以上に選考に時間をかけ、学生の意志が固まるまで待った企業が多くなったからでしょう。実際、今年は最終段階で落とされた学生も多く、求める能力のレベルと共に、志望度、熱意も厳しくチェックされていたようです。
就職環境が厳しくなると、女子学生のほうがより厳しくなる現実があります。しかし、本年四月の改正男女雇用機会均等法の施行により「男女で違う待遇が禁止されるのなら、女性も戦力として使える人材を」と考え、意欲と能力さえあれば男女を問わない企業も増えてきています。一方、これまで実質的に女性の職種だった一般職は、企業の合理化によりアウトソーシングや派遣社員に替えて、どんどん減少しています。女性は優秀で元気がいいと評価されているので、積極的に活動してほしいと思います。
また、ホームページを開設して企業情報と採用情報を掲載する企業が増えています。大企業を中心に採用専門のホームページを設けてエントリーを受けたり、郵便による会社案内送付を行わない企業も出てきています。企業と学生のコミュニケーションツールとして電子メールを盛んに活用したりと、インターネットによる就職活動の普及が今年の特徴の一つです。
ここで注意してほしいのは、インターネットだけで就職活動をしている気にならないようにしてほしいということです。コンピュータや情報誌によって与えられた情報だけに頼るのではなく、こういう時代だからこそ、OB・OG訪問や会社訪問等の "自分の足で生の情報を得る"ことが重要です。
今年は"エントリー・シート"という企業独自の応募用紙を提出させる企業が増えました。自己PR、志望動機だけでなく、就職観、人生観等その人間の価値観を見るようなものもあり、"自分らしさ"を表すには、自分の就職を含めた人生設計についてもよく考えてみる必要があるでしょう。
なお、現在でも求人情報は日に数件来ています。「ぜひ早稲田大学の学生を」と就職課に足を運ぶ企業もあるので、まだ就職活動中の人は気軽に就職課に相談に来てください。
■これから活動する三年生へ
まず、焦らないこと。まだ何も始めていないのに「就職環境が厳しい」という情報だけで不安になっている人がいます。今年は就職ガイダンスや就職講座を昨年より一カ月早く十月中旬から始めています。自分研究や業界、企業研究の準備時間は十分にあるので、11月一杯開催される就職行事に積極的に参加をしてください。
就職には決まった正解はありません。人気企業が正解だとは限りません。自分自身の価値観の確固とした物差しを持って、自分にとってやりがいのある就職を見つけるようにしましょう。どうしても大企業、有名企業に希望が集中しますが、今の時代大企業だからといって必ずしも倒産しないとは限りません。反対に今は規模は小さくても将来性がある企業、技術的にも有望な企業は沢山あります。知名度や規模だけにとらわれず、視野を広げて企業選択をしてください。
また、まれに就職するに相応しくない企業(一部の財団、社団法人含む)や就職難の不安心理に付け込んだ悪質な自己啓発セミナーに関する相談もあるので、おかしいと思ったらすぐに就職課に相談してください。
言うまでもなく卒業が採用の必須条件なので、学年末テストには、全力を尽くし、来年度の授業もしっかり出席するようにしてください。
■一、二年生へのアドバイス
まず、当たり前のことですが、しっかり勉強してください。自分の好きな道を見つけて一生懸命勉強することです。単に成績にこだわるのではなく、自分が本当に関心をもって勉強した分野に関しては誰にも負けないという得意分野を作りましょう。
次に、学生生活を充実させてください。サークル活動、ボランティア活動、アルバイトでも、失敗も含め一つのことに打ち込んだ経験により成長し、考え方も深まります。これらの経験は、就職活動の時に自信をもってPRできることに繋がります。 早くから就職の”HOW TO”にとらわれて、ちまちました学生生活を送ることはやめましょう。のびのびと充実した学生生活を送ることが就職成功の秘訣なのです。漠然とでもいいので、卒業後何をやりたいか、将来どう生きたいか、あらゆるチャンネルを通して広く考えてほしいと思います。そういう意味では講義やゼミ以外でも本学にはさまざまなシンポジウム、講演会などが開催されているので、興味を持つものがあれば参加してみるのも良いでしょう。
企業の求める人材は、"自立"した人です。つまり、自分の意見や考えをはっきり言える人、人から言われずとも自分から行動できる人です。これは変化の激しい社会で、主体的に対応していくことが必要だからです。文・理系共、今年特に注目されたのは”コミュニケーション能力”です。企業では、取引相手やプロジェクトチーム等、年代や考え方の異なる多種多様な人の中で意志疎通をして仕事をする必要があるからです。また、すぐ根を上げないで粘り強くあきらめずに取り組む精神的なタフさも重視されています。ですから、学生時代に気の合う仲間だけでなく、さまざまな人と交流したり、授業中にも積極的に意見を発表して、このような能力を培いましょう。
ただし、超難関テストと言われる司法試験や国家公務員T種、公認会計士等を受けたいと思っている人は、早い時期から受験準備を考えてください。本学には、司法試験、公務員試験を目指す人のための法職課程教室講座、公認会計士を志望する人のために公認会計士講座も開設されています(詳しくは本紙884号特集「早稲田で取れるあんな講座こんな資格」参照。
■気軽に相談を
とにかく就職課を主体的かつ有効に活用してください。
戦後すぐに発足し、歴史、伝統、ノウハウの蓄積を有している日本一の就職課だと自負しています。約五千社の企業情報ファイル、直近の就職活動をまとめたアンケートなどの資料の他、九人の優秀なベテランスタッフが随時相談に応じます。昨年は年間約三千件の相談がありました。学生間、雑誌等の誤った情報で右往左往することのないように、気軽に就職課を活用してください。
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