第898号 Apr.27,2000 


マニラの日本フィリピン合弁企業で働いて3年目の河辺由美子さん

<アジアで学ぶ、英語で学ぶ>

 在学中に欧米でなくフィリピンの大学へ留学した理由は?

 「特に語学に自信があった訳ではないので、同じ交換留学でもアジアの大学なら欧米より希望者が少ないかなと思ったのが第一の理由でした」と、正直なお答え。

 「英語なら英米、フィリピンって英語なの?」という声も。

 「フィリピンはタガログ語と英語が共通言語ですが、マニラでは、誰でも英語を話します。アメリカ映画が大人気ですが、日本のように字幕は付きません。授業中はもちろん寮でも街でも1日中英語だけで暮らすことになりますから、半年くらいでかなり鍛えられます。英語は、コミュニケーションの道具として身に付きさえすればよいのです。更に、ラサールの格調高い授業では、読解力も筆記力も相当に要求されます。これからは『アジアで英語で学ぶ』ことがトレンドになるかもしれませんよ」

<アジアで働く>

 帰国後日本で就職活動もされたそうですね。それでもやはり日本ではなくマニラで就職したいと思ったのですか?

 「これも、留学の時と同じで結果的にそうなりました。純粋な日本企業の体質が私には合わないかなと思い始めた頃、ラサール時代の縁で今の仕事を紹介されました。日本で思うような内定が取れなかったこともあり、お誘いにのりました」

 「仕事は、伊藤忠と現地企業および銀行の共同プロジェクトで、工業団地の開発と販売をしています。現地で働く最大のメリットは、フィリピン経済企画庁長官とのトップ交渉に関わる等、大学を出たての人間でも、大きな仕事に出会えることです。デメリットとしては、現地の給与で支払われるため、日本より給与がかなり低くなる事ですが、現地での生活は十分できます」

<早稲田大学出身で良かった!!>

 「何と言っても、マニラで働いていて一番良かったのは、多くの校友の方々と親しくなり、大変豊かな人脈ができた点です。マニラでは、日本六大商社の現地法人のうち四社までが稲門社長です。『早稲田』というだけで年代・性別・社会的地位等を超越して座が盛り上がります。また、日本で普通に働いていたら雲の上の存在でしかない方々が、後輩を大変可愛がってくださいます。マニラで培った素晴らしい人間関係は私にとって一生の宝物になります」

<後輩に一言>

 「世界中どこで働いていても、皆さんは決して1人ではありません。世界中至るところに稲門会があり、後輩を支援してくれます。精神的な自立や孤独に耐える力は誰にでも必要ですが、多くの人々の中で自分を磨いていただきたいと思います」

かわべ・ゆみこ●

1975年東京都生まれ。96年4月から97年3月、フィリピンのデ・ラサール大学に留学。1998年3月社会科学部卒業。同年4月日比合弁会社Luisita工業団地(株)入社。在学中のゼミは民法(不動産法)で、指導教授は大西泰博教授。


戻る