第923号 Jan.18,2001 


■全日本フィギュアスケート選手権で女王奪還

■村主章枝(すぐり・ふみえ)さん

 1980年千葉県出まれ。教育学部社会科社会科学専修2年。新横浜FSC所属。怪我に泣いた昨季。今季はスケートカナダ3位、NHK杯5位、全日本選手権は4年ぶり2度目の優勝と好調。来月、四大陸大会出場予定。3月の世界選手権、来季のソルトレイク冬季五輪の出場が期待される。

 5年前の全日本選手権は初出場4位。翌年優勝し世界選手権に出たが長野五輪には届かず、全日本でも3季優勝を逃した。しかし、今季は女王奪還。「皆に感謝したい」と、大粒の涙を流した。「泣き虫で。本当は世界選手権で100%の演技を決めて泣こうと他では我慢してたんですが」とはにかむ。

 朝夕の練習と学校が日課。「努力に勝る天才はない」と文武両道に励む。「大学受験と長野五輪を控えた高2の時、スケート1本にさせなかったことを今でも母は後悔してる。でも、私はそれで良かったと後悔していない。だからこそ次は代表になって、家族に間違っていなかったと伝えたい。競技を続けられるのは家族や友人の理解と協力があるから。私は頑張れば報われるけど、支える人に見返りはない。だから最高の演技を目指します」と力を込める。

 持久力、技術力、表現力…競技に求められる課題は多い。「24時間は少ない。だから、支えなしには続けられない。米国留学も考えたけれど、スケートだけに終わらない早稲田大学を選びました。スポーツに頭脳は不可欠だし、スケートは教養や品が出る競技。教養ある人間としてスケーターを目指したいから、学校は捨てない。中身を磨いて、広い考えを持ちたい。飾らない早稲田カラーは私にピッタリ」

 お気に入りは、新田章先生の『倫理学概論』。レベルの高い内容に最初は戸惑った。「カトリック系の高校では学べなかった哲学的なこととか、訳が分からなくてついていけなかった。でも、スケートに共通する部分が分かって、精神面の充実にすごく役に立つ」。道を極める人だけに、分かる真実がある。

 絶えず世界を見ていないと遅れる競技。海外選手と直接交わす言葉が視野も広げる。「ロシアの17、8歳の男の子が『家族を養ってる』って言うんですよ。生活背景からくるハングリー精神では日本人は絶対勝てない。では、高橋尚子選手や清水宏保選手がなぜ頑張れるか。まだ考え中だけど、競技が好きだからだと思う。私もスケートは大好きだから楽しいし、辞められない。人間何でも努力したら絶対に結果が現われると信じて、頑張れる状況になったことを楽しむべき。いい過程があって、必ずしもいい結果に結びつくわけではないけれど、実現した時は最高! 悪い過程で得た、いい結果なんていらない」と、世界を目指して積み重ねる日々。その姿勢が眩しい。


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