第870号 June 3,1999 


■ワンダーフォーゲル部主将

■長友慎治(ながとも・しんじ)さん

1977年宮崎県生まれ。法学部4年。

ワンダーフォーゲル部】自然をフィールドとし、登山、沢登り、自転車、ボートなどの活動を行う。

 「未明、果てしなく続くアフリカの大平原をナイロビからカジヤドに向かって必死で自転車を飛ばしていました。辺りが明るくなったかと思うと遠い地平線の向こうから強烈に輝く真っ赤な太陽が現れ、大地を照りつけたんです。僕たちは思わず足を止めて自転車を降り、じっと眺めました。大草原と真っ赤に焼けた空のコントラストは絶景で壮大な自然と一体になったこの感動は言葉になりません」

 本学ワンダーフォーゲル(ワンゲル)部がアフリカ合宿に向けて始動したのは長友慎治さん(法4年)が二年生になった直後の一九九七年五月。大自然を感じながらアフリカの大地を駆け抜けたい、との想いで始まったこの計画。準備は一年半に及んだ。長友さんを主将とする部員九人は、今年の二月十四日から約一カ月間アフリカに滞在。ついにケニア山(標高五千百九十九メートル)と、タンザニアのキリマンジャロ山(五千八百九十五メートル)の二山の登頂に成功し、二山の間約五百三十キロを持参したマウンテンバイクで走破した。

 山頂に雪が残るアフリカ大陸最高鋒のキリマンジャロでも、観光ルートを選ばず、テントを持っての登山。「雨季と乾季の変わり目で、山中は雨が多かったけれど、それ以外はずっと晴れで、日中は約四十度位。湿度がないので直射日光に当たらなければそんなに熱くは感じません。それでも高度が四千メートルを超えると顔・手足のむくみ、吐き気、頭痛といった高度障害が襲ってきます。ただケニア山で高所での順応ができていたみたいで、苦しいながらも山頂まで行くぞという気持ちで歩きました」。登りはじめて五日目。道は岩場でやや険しいが一歩一歩足を運ぶ。小屋を出て七時間の格闘の末、晴れて全員が登頂に成功。この日は下りも含めて十五時間を歩き通した。

 五百三十キロの自転車走行の合間では、現地の人と交流し、シマウマ、キリンなどサバンナの野生動物を身近に感じながら、アフリカの大自然を味わうことができたという。「『共生』ということを考えさせられました。動物が住んでいる所に、人間が住まわせてもらっている感じです。人類の原点かもしれません。アフリカの人は時間の観念がとてもゆっくり。自然や周りの人々に関心を持ち、心のゆとりを持って暮らしていますね」と新たな発見をした長友さん。

 「僕たちワンゲル部は部員全員がレギュラーで主力メンバー。皆で登ることを重視しています。チームワークを楽しみ、その中で磨かれる人間性がテーマです。深い人間関係を築くことができた仲間は一生の宝です」

 アフリカという地で、たくましく生きる力と、自然の偉大さを身をもって感じとった長友さん。バイタリティー溢れる活躍をこれからも期待したい。


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