ワセダ・カルチャー・トーク2000

大橋巨泉さん

(タレント)

「生意気」


 トップバッターは「いまどきの若者が羨む生き方」を十年も前から実践中の我らが大先輩、大橋巨泉さん(六十六歳)。大隈講堂は立ち見も出る大盛況。講演嫌いの巨泉氏はこれまで五回しか講演をしたことがなく、そのうちの三回が早大生への講演だそうだ。

 近著『巨泉、人生の選択』の話題を中心に檄を飛ばした。

 「若い頃は何でもやりなさい。いくらでもやり直しが効くのが若さの特権です。けれど問題は老後。約四十年近く必死に働いた人が老後をにこにこ笑って暮らせない、そんな国は本当に不幸な国だと思います。みなさんが年を取った時に年金を払ってくれる若者がいなくなる。先進工業国はどこでも、外国人に将来をゆだねていこうという移民増加政策で少子化対策をしてきた。ところが、日本はこれだけ急激に少子高齢化が進んでいるのに移民の受け入れ枠は広がらない。石原都知事の『三国人』発言の問題点は、まさにここ。外国人が集団で騒擾事件を起こすと言われて当の外国人がどう感じるか!」

 「私は今ニュージーランドに住んでいます。人口三百五十万人、国土も日本より狭く、決してお金持ちの国ではないのに、大変住みやすい。私の隣人の年収は日本円で約三百万程度で、二百五十坪の土地に百坪の家を建て、大きな庭のある暮らし。子供は二人。教育費も高校まで無料、医療費もタダ。週末や夏休みは別荘で過ごす。日本で年収三百万だったら、生活はかなり厳しい。この違いは何だ?」

 「要するに皆さんの親の世代の政治家のレベルだ低かったということ。『政治家なんて誰がやったって同じ、適当に選んでおけばよい』という風潮ができ、どういう国にしようかと提案したり考えたりする機能がなくなり、投票率も極めて低い。さすがに、これではヤバイと思い始めた若者が増えている。あなた方の時代にどうにかしないと日本は消滅します」

(2000年5月25日掲載)

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