第824号 December.11 ,1997
今回は、トレーニング理論のパート1として「オーバー・ロード」のしくみと、それを利用したトレーニング方法を紹介しようと思う。
まずは、オーバー・ロードという耳慣れない言葉の説明から。
これは、ある人がふだん使っている筋力よりも強い負荷を、筋肉にかけることを指して言う言葉。オーバー・ロードの「ロード」は「負荷」を意味する。
適度なオーバーロードをかけることによって、人の身体は、それに適応できる筋力や、体力をつけようとする。これは人体の不思議なしくみである。そして、この機能を利用して、筋肉に適度なオーバー・ロードを与えることにより、パワーアップを図るのがウェイト・トレーニングの大原則だ。
オーバー・ロードの与え方は、強化する目的によって異なる。
まず、最大筋力や、瞬発力のアップが目的のときは、使用するウェイトを重くし、回数を少なく設定する。
筋持久力アップが目的であれば、多くの回数を軽いウェイトで行う。
この二通りの方法を組み合わせて、それぞれ中間の回数とウェイトで行うと、筋肥大(バルク・アップと呼ぶ)と持久力の双方のアップに効果をもたらすバランスよいトレーニング法となる。これは初心者に最適なトレーニング方法で、このコーナーで各種目に設定してきた回数も、これに準じているもの。
では、皆さんにちょうどよい方法について、具体的に解説してみよう。
一回上げることのできる重さ(最大重量)の60〜70%のウェイトを用いて、10レップ(回)×3セットのトレーニングを行う。これが理想的な方法のモデル。
だが、初心者の皆さんが最大重量を測定するのは困難であるし、非常に危険も伴う。別表に、この理論を図解したものを挙げておくので、最初は逆に12〜15レップ以上できるウェイトを使用し、それを最大重量の60〜70%であると想定して、トレーニングに入ることをお薦めする。
慣れてくれば、自分の挙げられる回数と重量の比率が、一定のものになってくるのがわかる。そうなれば、最大筋力も推定しやすくなり、さらに目的に応じて、負荷を強くしたり、回数を多くしたりと様々なセッティングが可能になる。
