政治学研究方法(経験)

政治学研究科2年 鶴岡 瑶子

 

 政治評論と政治学的な研究はどこが違うのだろうか? 同じ政治現象を対象としているのに、何が政治学足らしめているのか? その違いを学ぶのが、政治学研究方法の授業である。

 なかでも(経験)では科学的な因果的推論の方法〜原因から結果に至るまでの因果メカニズムを説明すること〜を学ぶ。一口に説明するといっても、そこには満たされなければならない多くの方法論的な決まりがある。例えば、原因から結果に至るプロセスを説明するためには①原因が結果に先行すること②原因が変化すれば結果も共変すること③結果に影響を与えると考えられる他の要因が変化しないこと、の3条件を満たさなくてはならない。自分が気付いた原因と結果をつなぎ合わせただけでは、ただの床屋政談になってしまうのだ。また事例比較から因果推論をしたい場合にも、対象を選択する際のルールがある。同じ結果が観察される事例の共通点から原因を推論する「合意法」、原因となる要因がある事例とない事例で、かつ観察された結果が異なる事例の因果的推論を行う「差異法」の2つが代表的である。これらの方法を知るだけでなく、自分の研究に合った研究をデザインできるようになること。これがこの授業の目的である。

 授業ではそれらの方法論の観点から、さまざまな分野の論文の方法論的問題点や、それをいかに改善すべきかを議論する。履修者は70人以上にも関わらず、授業は一方向の講義ではない。議論をするのだ。久米郁男先生は論文の因果推論について学生に質問し、その答えに対してさらに「それ何でなん?」と突っ込んだ質問をしていく。身近な話題や笑いを誘う話題とも相まって、授業はテンポよく進んでいく。

 方法論の勉強は、この授業が終わっても終わらない。学んだ方法論を自分の研究にどう生かし、どう研究をデザインするか。勉強は続く。

学生同士のムードもとてもなごやか
▲学生同士のムードもとてもなごやか

久米先生は学生との「対話」を軸に授業を展開する
▲久米先生は学生との「対話」を軸に授業を展開する




1265号 2011年12月8日掲載