ブルガリア若手外交官と
アジアにおける地域統合の未来を語る

政治経済学部2年 中道 洋司(なかみち ようじ)

 予定終了時間を越える白熱した議論であった。学部や背景知識・経験がまったく異なる選抜された4人の早大生と、ブルガリア大使館に勤める若手外交官、ペタル・ニコラエフ氏による議論は、2時間にも及んだ。

 議題は「地域統合に関する日本のビジョン」。参加者各々の専門分野を活かしたさまざまな話題が取り上げられる中で、私が最も注目した議題は、「地域の中の一員」という意識についてである。EU圏では、“自分たちはヨーロッパ人(European)である”という意識が強いとニコラエフ氏は述べていた。加えて、日本と比較して国土が約3分の1、人口が約16分の1のブルガリア(2007年EU加盟)では、他国との相互協調を通した発展の必要性が年々高まる中、「ヨーロッパ人意識」が若者の間で特に強まってきたそうだ。この意識こそ、国を超えた政治、経済分野などにおいて「ヨーロッパ全体で発展していこう」とする原動力となり、EUの今日に至っているのではないか。一方、日本を含むアジア圏では、アジア人(Asian)という意識が非常に弱い、と参加者の誰もが考えていた。それゆえ、日本がアジアにおける地域統合に対しどのように行動するのかは、将来を担う私たち「若者」にかかっている、と今回の議論を通して改めて感じた。

 議論の終盤、EU発展の歴史を踏まえ、ニコラエフ氏は「『問題がある』と言って行動しなければ、何の結果も生まない」と私たちに語った。今までのしがらみにとらわれることなく、地域における発展を考えることが、これからのアジアにおける時代の潮流となるだろう。その潮流に日本が乗り遅れず、むしろリーダーシップを発揮するためには、私たち「若者」が主体となって、地域統合の議論に取り組まなければならない。


次回、「ICC若手外交官レクチャー&ラウンドテーブルディスカッション」は、ポーランド大使館一等書記官をお招きし、11月22日(火)に開催予定


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▲ブルガリア大使館文化アタッシェ、
ペタル・ニコラエフ氏を囲んで(筆者右から2番目)

 
1259号 2011年10月27日掲載