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これって暴力? 〜無意識の行為が人を傷つける場合があります!〜   友だちや恋人など気が置けない関係は大切にしたいものです。普段の付き合いや戯れの中で悪意がなくても、相手に乱暴な言葉を発したり、暴力を振るったりすることは親しい間柄とはいえども人権侵害行為です。いま一度学生のみなさんには何気ない普段の行動が他人を傷つける行為となっていないか考えてください。

デートDVを知っていますか?
今、付き合っている人はいますか? 大学生活の中では大いに勉強し、友人と語らい、恋愛もして、充実した毎日を過ごしたいものですよね。でも、彼や彼女が相手だったら何をしても許されるわけではありません。大切な人との関係だからこそ、相手を尊重し、不愉快な思いをさせない人間関係をあなたは築けているかどうか、彼や彼女との関係について振り返ってみませんか? あなたの周りに彼や彼女との歪んだ関係で悩んでいる友人はいませんか?

『デートDV ~それは暴力です。愛情ではありません~』  
 DV(ドメスティック・バイオレンス)とは親密な関係にあるパートナーに対して振るわれるからだや心への暴力のことです。当初は夫婦間の暴力に対して使われることが多かった言葉ですが、結婚していない恋人間で起こる暴力もDVのひとつです。そのような暴力を特にデートDVというのです。それは一歩間違えば犯罪です! 十分認識しておきましょう!
 例えば、こんな事をあなた自身が体験したり、見聞きしたことはありませんか? 悪気がなかったり無意識の行為であっても、相手が不快に思い、相手を傷つけている場合はDVです。
 例1  携帯をいつもチェック 信じてくれないカレシ
 私の彼は私がメールしていると、覗き込んだり、着歴をチェックしたり、友だちのアドレスを勝手に削除したりする。「やめてよ」と言うと「何かやましいことがあるんだろう」と怒りだす。男友だちと電話していたら「ふざけるな」と怒鳴って取り上げ、携帯を投げ捨てて壊してしまった。

 例2  どこで何をしているか、いつも確認するカノジョ
 彼女のことはかわいいし、大事にしたいと思っている。でも「いつも一緒にいないとイヤ」と言われて、「今どこ?何してるの?」というメールや電話が一日に何度もくる。男の友だちとの付き合いもチェックしてくるし、しまいには「私と友だちのどっちが大事なの!」と言い出し、いつも彼女に監視されているみたいで好きなことができなくなった。最近では、別れ話が発端で、止めて欲しいと言ってるのに毎日待ち伏せされるし、「死んでやる」「殺したい」「今にみてなさいよ」といった攻撃的で脅迫まがいのメールを頻繁に送りつけられて困っている。

 例3  どこで何をしているか、いつも確認するカノジョ
 いつもはやさしい彼。でも最近、気に入らないことがあるとすぐ怒り出すようになった。不機嫌になって無視したり、「バカじゃねーの」って怒鳴ったり…。この前、デートに遅れたことで、私の手をつかんでなぐりかかってきた時には本当に怖くて全身ガクガクだった。「お前が俺を怒らせるからいけねーんだよ!!」と言われた。でも、いつも後で「ごめんね。」って言うけど…。彼を怒らせる私が悪いの?


 デートDVの困った点は、暴力をふるっている側だけでなく暴力を受けている側もそれが“暴力”であることに「気づかない」ことにあります。なぜ「気づかない」のでしょうか?それはその行為自体を「相手を愛しているから」「相手に愛されているから」生じていると感じているからです。
 しかし、例えば、束縛する(される)こと=相手を気にかけて(気にかけてもらって)いる=より愛して(愛されて)いる、と勘違いしていませんか?
必ずしもそうではありません。実際にそのようなことの繰り返しの中で暴力を受け続けた人は、とても深く心身に傷を負っている例が多く報告されています。
 あなた自身にとっても恋人にとっても共に大切な人生です。「自分が彼(や彼女)に行っている、行われている行為ってなんだか変じゃないかな?」こんなふうに少しでも思うことがあったら、まず友人を始め周りの人に話してみましょう。二人だけの世界にどっぷり浸かっているあなたには分からない客観的な意見が得られるかもしれません。
 彼や彼女は自分の思いどおりになる存在ではなく、一人の独立した人格です。当たり前のことですが、恋愛関係にあるとわからなくなってしまう罠がデートDVなのかもしれません。

「デートDVは犯罪」
ハラスメント防止委員会委員長
法学学術院 教授 棚村 政行

 
 カリフォルニア州弁護士会では、ドメスティック・バイオレンス(DV)に対する正確な情報を提供するために「どんなに親密なパートナーでも、配偶者でも、ボーイフレンドでも、あなたを脅し、悩まし、傷つける権利はない」というタイトルのパンフレットを作成している。カリフォルニア州ロサンゼルス郡の裁判所では、2008年に、DVの保護命令申立事件数は過去最高を記録して1万7025件となった。アメリカ全体では、300万件を超えるDV保護命令申立事件があり、年間4000人以上の親密な関係にある者が殺害され、60万件を超える暴行傷害事件が発生しているという。被害者のなかには大学生も含まれており、人種、民族、職業や階層などの如何を問わず、被害者の範囲はありとあらゆる人に及ぶ。UCLAでも、身近なボーイフレンド、ガールフレンド、恋人など親密な関係にある者の間で起こるデートDVは重大な人権侵害だとして、広く被害相談に応じている。親密な関係では、暴力の強大さや恐怖心・不安感などに複雑な心理的メカニズムが働き、被害を拡大し継続させることも少なくない。愛情と支配欲、思いやりと暴力はちがうことを、私たち一人ひとりが自覚しなければならない。
ハラスメント防止室の案内

 早稲田大学で学び、研究し、働くどなたからの相談でもお受けします。電話、メール、FAX、手紙、どの方法でも結構です。来室前なら匿名でも大丈夫です。専門知識を持つスタッフが対応します。

場  所 早稲田大学24-8号館2階 相談室
開室時間 月〜金 9:30〜17:00
※来室前に必ず電話かメールで予約してください。
TEL 03-5286-9824 FAX 03-5286-9825
E-mail stop@list.waseda.jp
URL http://www.waseda.jp/stop

 

STOPハラスメント講演会2011
「セクハラ・パワハラ・デートDV・ストーカー」
-「侮辱」のない関係へ-


講師 小島 妙子(弁護士)

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1254号 2011年9月22日掲載