こんな授業!どんなゼミ?
「表象・メディア論講義8」
「身体」について考えることの意義

文学研究科表象・メディア論コース修士課程1年 日下 智紀(くさか ともき)


 「表象・メディア論講義8」で扱う内容は、一言で言うと「身体表象論」である。詳しく説明すると、演劇や映画といった芸術作品のみならず、サイボーグや人工知能など現在進行形で発展していく科学の分野において、人間の身体がどのように表現されているか、あるいはどのように変容していくか、などを考える学問である。

 現在は、Barbara Staffordの『Body Criticism』を通読し、身体の不可視の部分がいかに可視化されていくかを歴史的に学んでいる。17〜18世紀美術における身体表象や規範などが、姿や形を変えつつも、現代においてなお存在しているということを知るとともに、身体表象を考える上で必要なパースペクティブ(視点)を身に付けることが出来たように思われる。

 受講生は10名ほど。少人数で、講義というよりはむしろゼミのような雰囲気である。表象・メディア論コースの授業だが、演劇映像コースの学生も多く、科目等履修生として聴講する人もいる。授業では、担当者が章ごとのまとめ、および自分の研究テーマに即した発表を行う。英語の文献を読み込み、発表するのはなかなかハードな作業ではあるが、それぞれの学生が毎回異なった観点から発表するので、非常に刺激になる。

 授業を担当するのは、坂内太先生。演劇、舞踏はもちろん、文学、映画、アニメ、マンガなど、精通する範囲は多岐にわたり、それぞれ異なる研究テーマを持つ学生全てに対して、懇切丁寧な解説を加えていただける。参考資料として利用する映像に時折ユーモラスな解説をしてくださることもある。ただ講義の内容は非常にハイレベルであり、私自身、講義を充分理解できるレベルに至っていないことを痛感することも数多くあるが、そのことが研究に精進する要因の一つになっていると言える。

ゼミに似た雰囲気の授業</span><br />
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▲ゼミに似た雰囲気の授業

ユーモアを交えながら授業を進行する坂内先生
▲ユーモアを交えながら授業を進行する坂内先生

 
1251号 2011年7月21日掲載