研究まっしぐら!

見果てぬ夢を見ながら

政治学研究科 博士後期課程5年
河路 絹代

研究室の皆さんと。筆者左から2番目
▲ 研究室の皆さんと。筆者左から2番目
 

 私が研究している分野は「思想史」と呼ばれるものです。思想史と一口に言ってもその研究内容はさまざまですが、私は「日本政治思想史」を専攻しています。興味を持ったきっかけは『日本の思想』(丸山真男著/岩波新書)という一冊の本に出会ったことでした。それからこの研究であれば一生打ち込める! と確信し、研究室の扉を叩きました。研究を始めて早5年も経ちましたが、今なお地道で孤独な作業が大半です。研究論文を評価されるときはやりがいを感じますが、同時にしっかりやらないと批判を受けるため、そのプレッシャーに押しつぶされそうなときもあります。

    
   

 「なんで研究なんてしてるの?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。正直に言えば、研究はお金にもならず将来も不安です。論文執筆のために缶詰状態になり、夜9時過ぎにスーパーのお惣菜半額セールのために初めて外出する日もあります。書けないときには食べものや音楽で不安を鎮め、気持ちを高ぶらせるようにして論文と戦う日々。真面目な論文が「100円ギョーザ」とハード・ロックの産物だと知られたらとても情けないのですが、こうしてなんとか精神的なバランスをとっています。

 そこまでしてなぜ続けるのかというと、優れた思想や研究との出会いが「情熱」をかき立ててくれるからです。そして抑圧や差別をなくすための歴史研究をしたいと思います。私はまだまだ未熟でこの先どうなるかわかりませんが、こんな卑小な存在でも研究を通じて世界とつながりをもてること、同じ関心をもつ人々がいて、自分の言葉を誰かが聞いたり読んだりしてくれることが、今のかけがえのない喜びです。

[研究生活に連れ添うアイテム達]

研究生活に連れ添ったアイテム達

人生を変えた一冊!(上)▶『日本の思想』(丸山真男著/岩波新書)

お気に入りのカップ(中)

勉強しながら…(下) ▶ 研究資料と"ながら勉強"のためのお菓子。とある先輩は業務用の「柿の種」を買いだめし、それを延々と齧りながら論文を仕上げています。

 

 

 
1246号 2011年6月16日掲載