こんな授業!どんなゼミ?
日本語教育実践研究(12)

日本語教育研究科修士2年 松本 敬子 修士1年 中村 知生


 エンカク? えんかく? ENKAKU? 遠隔とは遠く離れているということ。「遠隔教育」とはその名のとおり、遠く離れた相手との間で行われる教育である。本学人間科学部のeスクールで配信されている「オンデマンド講座」や、インターネット電話を利用した「オンライン英会話教室」など、既に実践に移されているものも多く、今後はより広い分野での活用が期待されている。

 本講義は「なぜ遠隔教育なのか?」という宮崎里司先生の問いかけから始まり、授業への参加やそのコーディネートなど、さまざまな実践活動を通じて、遠隔の実態や可能性を探っていく。その過程において、受講者は「空間的な隔たりを埋めるためのもの」という本来の在り方を超えて遠隔に向きあうこととなる。

 2010年度秋学期には、タイの日本語学習者との会話練習交流、台湾の大学院生と日本語での研究交流の2種類の実践を行った。
交流の2種類の実践を行った。 時には交流が停滞していると感じることもあったが、そんな時は、なぜうまくいっていないと感じるのかを交流相手と議論した。その結果、私たちは「遠隔」だからといって、気持ちを張りつめすぎていたことに気付いた。「遠隔」ということにとらわれすぎて、交流相手との関係性を作ることや、交流を楽しむことを忘れていたのである。

 「遠隔教育」とは、「遠隔」である前に「教育」でもあるのだ。これらの経験は、遠隔教育に携わるうえで、大切な心構えを、あらためて気付かせてくれた。

 本講義で得られることは、遠隔の技術知識や単なる体験に留まらない。そこで起こることに対して、自分がどのように向き合い、臨んでいくか。その姿勢と行動を以て形成される自身の「遠隔教育観」こそ、講義で求められる成果なのである。

Live-Onを用いた日本語遠隔授業
▲Live-Onを用いた日本語遠隔授業

ゼミ合宿の一コマ。右列一番手前が筆者。筆者の一つ奥が先生
▲Web会議システムを利用した
 海外協定校との交流

 
1245号 2011年6月9日掲載